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サラリとついた変化がおもしろい。自由が丘 「mondo」| ハヤシコウの行かねば損する東京のイタリアン

日本人初のイタリア人! イタリア渡航歴25年。イタリアをライフワークに活躍するハヤシコウさん。自宅には醤油がない(つまり和食は食べない!)ほどイタリア料理好きなコウさんに、今行くべき東京のイタリアンを教えてもらいます。

自由が丘の楽しさたっぷりのイタリアン

ホリデーシーズンともなると、街はイルミネーションで賑やかで綺麗。なんだけど、個人的には“賑やか賑やか”は好みじゃなくて、どちらかというと、ひっそりしてるのが好き。この日も自由が丘の“キラキラで賑やか”を抜けて、静かな住宅地にある「mondo」へ。

小さなガラスの灯りを目印にお店へ入ると、ちょっとした待合いスペースがあり、その先にメインダイニングここはちょっと面白くて、屋根のような形をした壁や、パズルの欠片を集めたようなテーブルがある。そして、窓や壁の凹みに飾られた趣味のよい小物たちが、お店のスタッフのようにも、お店の住民のようにも見えて、レストランのイメージというより、異世界に入り込んだような感じを受ける。こんなイメージを超えた感じが、この「mondo(世界)」の面白さ。

自由な発想から生まれる食材の組み合わせ

突き出しの「生ハムと柿」は、ただの柿ではなく、”糠漬け”にした柿。糠漬けにすることで、香りや味わいがグッと高まり、「生ハム&果物」のイメージを軽く超えていく(柿と生ハムは面白いなぁ)。

次は「ボラと王様しいたけのストゥファート」を。ボラって魚釣りをする人からは外道と言われて人気がないけれど、水質の良い土地で育ったボラは鯛にも負けない味。やわらかい身質のボラに、すこし歯応えを残したしいたけ。ボラにはしいたけの、しいたけにはボラの、それぞれが持っている旨みが加わり、ぐんっと加速して、しいたけやボラのイメージを超えていく。

 「”リゾット” 白菜と白子、白トリュフ」は、お米のマットな甘さ、白菜のジューシーな甘さをホワホワでクリーミーな白子がまとめ上げている。具のようでソースのような白子。それだけだとリッチ過ぎるかなっと思えるところに、仕上げの白トリュフがいい! キノコと魚の相性はとても良くて、それぞれのネガティブさを消し合うんだけど、ここでの白トリュフも、主張し過ぎず、白子にアクセントを与えていた。高価な白トリュフは、ついつい白トリュフですよ〜って使い方になってしまうけど、こんな使い方はエレガントでとっても素敵。

ゲストごとのペアリングも「mondo」流

この日のワインはペアリングで。ペアリングのワインって、 シェフがメニューを決める時にソムリエが一緒にワインを考えるのが一般的だと思うのだけど、「mondo」はそうしたイメージを超えて、その日のノリでペアリングのワインを出してくる。同じメニューを食べていても、違うワインをなんてこともある。お客さんもそれぞれだからって、出すワインにサラリと変化をつける感じが「mondo」なんだな。

「Isola Bianca / San Bartolo」は、シチリア島の北、リーパリ島で造られるマルヴァジーア100%の白ワイン。 この島では同じブドウから造られる甘口ワインの”マルヴァジーア・デッレ・リーパリ”が有名なんだけど、 「Malvasia secca:辛口マルヴァジーア」と書かれているとおりに、しっかりとした辛口の白ワイン。火山性土壌由来のしっかりとしたミネラル感に、マルヴァジーア種の豊かなアロマで、 甘さはないのに艶めかしくて印象的。 この日は前菜2品目の「甘鯛と蕪」に合わせて出してもらったのだけど、甘鯛の身の甘さ、鱗の香ばしさ、蕪のミネラル、上にかかったカラスミの熟成香にぴったり。こういうワインはそれだけでも美味しいけど、 食事と一緒だとよりワインへの理解が深まる。

レストランの楽しみは、お店の物語を知ること

「Valtellina Superiore Riserva “SASSELLA Rocce Rosse” / AR PEPE』は、大好きなんです。ヴァルテッリーナのワイン。19か20歳の時、初めて訪問したワイナリーがこの地域だったこともあり、ヴァルテッリーナのワインにとても親しみを感じている。このワインに使われているブドウはキアヴェンナスカ種で、お隣ピエモンテ州ではネッビオーロと呼ばれているブドウです。バローロやバルバレスコになるブドウなので、近年はヴァルテッリーナでも”ネッビオーロ”と書いているものもあるけれど、やはり、キアヴェンナスカはキアヴェンナスカ。香りも味わいも、ネッビオーロとは違った個性を持ったワインだというのがわかる。じんわりと染みるようなワインで、ペアリングのリゾットにも好相性でした。

レストランでコースを食べる時、料理やワインがそれぞれ美味しいのはもちろんだけど、それ以上にそのお店の物語が気になる。同じ食材、同じ料理、同じワインだって、つくる人、出す人、食べる人で物語は変わっていく。ただ味の良いお店でなく、物語のつづきを楽しめるお店へ行きたい。でもって、「mondo」のつづきも楽しみで仕方ない。

ハヤシコウ

ハヤシコウ

株式会社ミズコルビノデザイン 代表。多摩美術大学卒、都内イタリアン勤務の後、イタリアのマルケ州ウルビーノISAに留学。帰国後、都内ワインバー勤務の後、2005年ミズコルビノ・デザイン設立。25年にわたりイタリアと日本を往復する中で培ったイタリアへの造詣を生かし、東京のイタリアンを中心に国内外の店のロゴやマーク、内装デザイン、メニューの監修などを手掛ける。2018年、「サルメリア69」の新町賀信氏と共に一般社団法人おいしい生ハム普及協会設立。

mondoモンド

住所:
東京都目黒区自由が丘3-13-11
TEL:
03-3725-6292
アクセス:
東急東横線自由が丘駅から徒歩11分
営業時間:
ランチ:11:30〜15:00(L.O.13:00) ディナー:18:00〜22:00(L.O.20:00) ※東京都の自粛要請などにより、営業時間は変更することがあります。
定休日:
水曜、第1・3木曜
支払い方法:
カード可 (JCB、AMEX、VISA、Diners、Master)・ 電子マネー不可
URL:
http://ristorante-mondo.com/

更新: 2021年1月25日

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