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爆炒上等! 白金「蓮香」|サトタカの「行かねば損する東京の中華料理店」

中国料理に魅せられて、国内はもとより中国にも足繁く通って取材する中国料理探訪家・サトタカさん。“中国を食べ尽くす”プロに、今行くべき東京の中華料理店を教えてもらいます。

「芸術は爆発だ」とは芸術家・岡本太郎の言葉だが、ここに来ると「料理は爆発だ」という言葉が頭をよぎる。

調理場を覗くと、鍋を振る小山内耕也シェフの背中越しに、突然上がるオレンジ色の炎。たちまち香りが店内に広がり、鼻腔を刺激。「ああ、蓮香に来たなあ」と思う瞬間だ。

私の中で、この店のキャッチフレーズはだいぶ前から決まっている。「爆炒上等!」だ。

シンプルな炒めものに力がある

爆炒(バオチャオ)とは、食材を一気に強火で炒め上げる調理法。特にシンプルな野菜炒めは最高で、爆炒がキマった一皿は、食べる人を無言にさせる力がある。

「蓮香」の野菜炒めも思わず「お代わり!」と言いたくなる逸品。なにより、コースにちゃんと引き算した、こういう料理を入れてくるセンスがいい。凝っているのではなく、シンプルなのだ。

この店のテーブルにのるのは、過剰過ぎず、弱腰にならず、甘ったるくなく、中国のローカルな料理に深く敬意を払った料理の数々。たびたび中国の地方都市を訪れては料理を貪欲に学んできた小山内シェフが、ときおり嬉しそうに調味料の瓶を見せてくれたりすると、こちらまで嬉しくなってしまう。

貴州省でよく使われる刻み発酵唐辛子、糟辣椒(ザオラージャオ)。フルーティーな香りが持ち味。

高まる! 中国旅行の産物が料理

アイデアの源泉は、中国への旅。雲南省の麗江で出合ったという「発芽大豆とささげの漬物と挽肉の炒めもの」や、広西江西チワン族自治区などで親しまれている「発酵筍ともやしの炒め」、貴州省でおなじみ、ドクダミの根が入った「怪噜(グァイルー)炒飯」など、発酵の風味やハーブの香りに満ちた料理は、まさに旅の「高まり」の産物。

現地の感動を自身の料理として伝えているので、中国人が作る現地の料理とは、いい意味でひと味違う。

発芽大豆の歯ごたえと、豆の出汁のふくよかさ、酸味のあるささげの風味などがひとつに。酒を呼び、米も呼ぶ味。

マクワウリとマコモタケと豚肉の広西チワンゾク風炒め。炒めの技術がしっかりしているので、何を炒めても「うまー!」となる。

なにかとマニアックに思われがちだが、ベースになっているのは、その土地で普通に食べられている料理の数々。飲んで食べて1万円で収まる店とあって、連日連夜人気なのもうなずける。コロナ禍の自粛期間から始めたテイクアウトも好評。メニューを見ただけで行きたくなってしまう人が続出している。

独特の清涼感があるドクダミの根は、炒めるとほくっとした食感に。発酵唐辛子とともに炒飯にする。

発酵させたトウモロコシの粗挽きをスペアリブにまぶし、蓮の葉に包んで蒸しあげた料理。四川省や重慶市で食べられている「粉蒸肉」の田舎バージョンだそう。

ひいき目ではなく、ここ5年くらいで未知の味が増え、「中華っておもしろいな」と思い始めた人は少なくないのではないだろうか。きっかけはいろいろあると思うが、「蓮香」もまた、そのきっかけを作るレストランのひとつになっているのは間違いない。

サトタカ(佐藤貴子)

サトタカ(佐藤貴子)

食と旅を中心としたエディター、ライター、コーディネーター。大学卒業後、大手エンタテインメント企業で映像や音楽コンテンツの仕入、映画のPR等を務めた時、担当した映画監督が大の中華好きだったことから中華にハマる。
独立後、中華食材専門商社の小売向ECサイトの立ち上げと運営を通じて中華食材に精通。雑誌、会報誌、ウェブ等で中華に関する執筆多数。中華がわかるウェブマガジン『80C(ハオチー)』ディレクター。さまざまなテーマの中華食事会も企画する。

蓮香レンシャン

住所:
東京都港区白金4-1-7
TEL:
03-5422-7373
アクセス:
白金高輪駅から690m
営業時間:
18:30~21:00(L.O)
定休日:
不定休
支払い方法:
カード可 (JCB、AMEX、Diners、VISA)
URL:
https://www.facebook.com/renshan0829/

更新: 2020年11月29日

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