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“自由”と“美味”。それが求められるイタリアンの姿 広尾 「Melograno」

五感で楽しむ絶品イタリアン 「Melograno」後藤祐司シェフ

後藤祐司(ごとう ゆうじ)シェフ率いる「Melograno(メログラーノ)」を訪れれば、“レストランで食事をする楽しさ”をあらためて知ることができるでしょう。フルオープンのキッチンから漏れてくる調理の音や香りが常に食欲をそそり、間近で目にするプロの技には思わず歓声をあげてしまいます。「それぞれのお客様に、ここで過ごす時間を心から楽しんでほしい」と、食べたいものを自由に選べるアラカルトを中心としたスタイルに。しかしそれらはすべて、確かな味があるからこそ目指すことができるレストランとしての高み。不必要なアレンジはせず、純粋なイタリアンを追求し続ける後藤シェフの料理は「美味しいイタリアンを食べたい!」という欲を心の底から満たしてくれます。

本物のイタリア料理を、いかに日本人が喜ぶ美味しさに仕上げるか

コースは9,000円〜。季節の素材を使ったシンプルな料理が楽しめる。

前編の「シェフの必需品」では、本物の美味しさを気兼ねなく楽しめることがイタリアンの魅力であり、それが、さまざまなジャンルが混在する東京のレストランの中でも“イタリアンの立ち位置”だと語った後藤シェフ。「Melograno」では、プロの料理人や現地の人だけが知るニッチなメニューに限らず、アラビアータやペペロンチーノなど、日本人に馴染み深い定番のイタリア料理も進んで提供します。シェフ曰く「特別な料理をお出ししても、お客様が求めているものでなければ意味がない。お客様が『食べたい』と思ったものを、より美味しく仕上げることがプロの仕事だと思っています」。

だからと言って、日本人が好む味を求めて醤油や味噌などの和の調味料を隠し味に加えたり、和風にアレンジしたりは一切しません。あくまで後藤シェフの料理は、純粋なイタリアン。「『トマトソースのパスタが食べたい!』『チーズリソットが食べたい!』と思って来られるお客様が望んでいるのは、和の要素ではないはずです。トマトの酸味、チーズの塩味、パスタの食感や肉の質次第で、力強い旨みと軽やかな後味は両立できます。本物のイタリア料理を、日本人が喜ぶとびきりの美味しさに仕上げる。それが僕が作るイタリアンです」。

「マンチーニ」のパスタ × 北海道足寄町産チーズ「幸」の「グリーチェ」

塊のチーズを器状にして使う贅沢感は、レストランならではの楽しみの一つ。

今回、後藤シェフが振る舞ってくれたグリーチェにも、その信念は確かに表れていました。アマトリチャーナの原型とも言われるグリーチェは、パンチェッタと玉ねぎとチーズだけで仕上げるシンプルなパスタ。シンプルであるがゆえに、一つ一つの素材が味の大きな決め手となる料理です。後藤シェフは、必需品として紹介してくれた「マンチーニ」のメッツェマニケというショートパスタと、「しあわせチーズ工房」のハードチーズ「幸(さち)」を使います。「本場ではパルミジャーノやペコリーノチーズを使うのが主流ですが、どうしても塩味が強く味が尖ってしまう。『幸』は味に丸みがあるのでやわらかな美味しさに仕上がるんです」。パンチェッタと炒め玉ねぎの旨みをパスタに絡めたら、器状にした「幸」の中に流し込み、お客様の目の前でチーズを和えて仕上げていきます。熱によって徐々にチーズが絡まっていく様子ももちろん、後藤シェフが演出する“料理の楽しみ”の一つ。麦の味と香りがしっかりと残りつつも乾麺ならではの端切れの良い食感が活きたパスタに、「幸」の濃厚なコクとまろやかな塩味が合わさり、満足感がありながらも「この後にもう一皿、メインかデザートでも食べようかな」と思わせてくれる、ほどよい軽さを残します。

さまざまな対比を盛り込んだ“楽しい”スペシャリテ!「北あかりとトリュフのタルトタタン」

「北あかりとトリュフのタルトタタン フォンティーナチーズのソース」。前菜にもデザートにもなり得る、唯一無二の一品。

そして「Melograno」を語る上で欠かせないのが、スペシャリテの「北あかりとトリュフのタルトタタン」。かつて修業で訪れた伊・ウンブリア州の名産のである黒トリュフを、“驚き”をテーマに仕上げた一品は、必需品のオリジナルプレートに載ってやって来ました。

北あかりのペーストと玉ねぎを包んだパイの表面をキャラメリゼし、黒トリュフのジェラート、トリュフのスライスを重ねていきます。仕上げの際、オープンキッチンからはキャラメルの香ばしい香りが漂い、目の前で料理が組み立てられていく様子を見ているだけでもワクワク! その皿が手元にやって来ると、途端にトリュフの芳醇な香りが舞い上がり一気に惹き込まれます。「高級食材のトリュフ × 身近な野菜のじゃがいもと玉ねぎ」「温かいパイ × 冷たいジェラート」「チーズの塩気 × 玉ねぎやキャラメルの甘み」「キャラメリゼのカリッとした食感 × じゃがいものトロリとした口当たり」と、さまざまな対比が楽しめる一皿。底に敷かれたフォンティーナチーズのソースは、余すことなくパイに絡めて召し上がれ。一枚一枚手で描かれた、世界で一つしかないオリジナルプレートの華やかな模様の全容もぜひお楽しみください。

お客様と会話を交わしながら、さまざまな要望にも積極的に応えるという後藤シェフ。お客様を楽しませることに全力を尽くしながらも、シェフ自身もこのスタイルを心から楽しんでいるのでしょう。美味しいイタリアンが食べたくなったら、ぜひ「Melograno」へ。店を出る時には「美味しかった」以上の、心からの満足感で満たしてくれるはずです。

*価格はすべて税別です。

Melogranoメログラーノ

TEL:
03-6459-3625
アクセス:
東京メトロ日比谷線 広尾駅より徒歩4分
営業時間:
[ディナー/月〜土] 17:00〜21:00L.O [ランチ/木、金、土、祝日] 11:45オープン 12:00一斉スタート
定休日:
日曜
支払い方法:
クレジットカード可(JCB、AMEX、VISA、MASTER、Diners)
URL:
https://melograno.jp/

写真・広瀬 美佳 文・山本 愛理

更新: 2020年12月7日

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