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編集部のお気に入りのレストランをご紹介します

日本家屋のティールームで、マダムのおもてなしを。大井町「Cafe Grand Jete」|RINの行かねば損する東京のカフェ

自称「スコーンの人」。作り手によって千差万別の“個性のカタマリ”、スコーンに魅了され、十数年にわたりカフェを訪ねてはお菓子やお店に表れる店主の「好き」を楽しんでいる、カフェライターRINさんが、「みんな違ってみんないい。 だからカフェって楽しい!」と思わせてくれる、個性豊かな東京のカフェや喫茶店をお伝えします。

毎月必ず顔を出すお店があれば、年に一度、はたまた数年に一度だとしても、導かれるかのようにふと思い出して足を運ぶお店もあります。わたしにとって「Cafe Grand Jete(カフェ・グラン・ジュテ)」は後者。ここに来ると、日々がむしゃらに走り続ける中で、忘れかけていた大切なものを取り戻せるのです。

閑静な住宅街の隅っこで10年 「Cafe Grand Jete」

今回ご紹介するのは、もしわたしがスコーンめぐりをしていなかったらまず出合っていなかったであろう1軒。大井町の住宅街の古民家でひっそりと……、本当にひっそりと営業している「Cafe Grand Jete」。初めて訪れたのは6、7年ほど前で、メディアにも多く露出しないこの場所をどうして見つけたのか記憶は、定かではありません。ただ「美味しいスコーンがいただける古民家カフェがある」と聞いて足を運んで以来、ときどき無性に帰ってきたくなる場所です。

玄関の引き戸をガラガラと開ける音を合図に、いつもマダムが脇の厨房から姿を現し出迎えてくれます。「どうぞ、お上がりください」。まるで自宅に親しい客人を迎え入れるようなそんな言葉一つも心地よくて、一瞬にしてくつろぎモード。靴を脱ぎ目線を上げた先には、さまざまなデザインのバブーシュが並びます。きらびやかなビーズの装飾が施されているものがあれば、シンプルだけど鮮やかな色の生地のものも。どうぞお好きなものに足を通して、中へお進みください。

いわゆる昔ながらの日本家屋ですから、居間は畳張り。襖の押入れや床の間、縁側もあります。一定以上の年齢の方にとっては「懐かしい」と感じるでしょうし、若い方にとっては「映画やドラマの世界」に思えるかもしれません。そんな純和風建築の中に大きなソファやアンティークのダイニングテーブルが置かれ、それらをレトロなランプシェードから漏れるやわらかい光が灯す光景は、一見チグハグに見えてなんともノスタルジック。「昔の人はこんな風にヨーロッパに憧れたのかな」などと、想像を掻き立てられます。

お気に入りのカップとプレートでいただく、ケーキのようなホームメイドスコーン

メニューはさほど多くなく、フードはスコーンと季節のケーキが1種だけ。ドリンクはフランスの紅茶をメインに、深煎りのコーヒーとソフトドリンクが少し。豪華なスイーツと凝ったドリンクで贅沢をしに来るカフェというよりも、ゆったりと静かな時間を過ごすティールーム。そんな飾らないスタンスもここが好きな理由です。

マダム自慢のスコーンはホイップクリームとジャム付き。コーヒーとセットで1,050円(税込)。

スペシャリテはマダム手作りのスコーン。小さめのこぶし大ほどある比較的大ぶりのスコーンですが、持ってみるとその軽さから、食べる前にしてふんわりとした食感が想像できるほど。「牛乳ではなく、生クリームをメインに使うことでしっとりとした口当たりにしているんですよ」と、いつだったかマダムが教えてくれたことが。卵とバターが優しく香り、ケーキのようなとてもシンプルな美味しさは、この店の雰囲気とぴたりと重なります。お好みでホイップクリームとジャムを添えて召し上がれ。

 

それにしてもスタイリングがまたステキでしょう? お水が入った小さなグラスや、ナイフを載せたナフキン1枚にまで、マダムのおもてなしの心が映し出されているよう。スコーンが載るプレートだって、ちゃんとカップ&ソーサーとおそろいなのです。ちなみにカップ&ソーサーは、室内に並べられたマダムのコレクションから好きなものを選べるスタイル。たくさんあるので、ぜひ自分のお気に入りのものを見つけてください。

そして何がいいって、ここにはBGMがありません。部屋の中に響くのは、スコーンを噛むサクサクという音や、時折カチンとカップとソーサーが触れる音、そして、チクタクチクタク、時を刻み続ける振り子時計の音。住宅街の古民家でお茶をするなんて、至極特別なことではないはずなのに、不思議とちょっとした夢心地に。何かに追われるように忙しく過ごす毎日から開放されて、一秒一秒の大切さを思い出させてくれます。

ひっそりと営業を続けながらも、来年2月で10年を迎える「Cafe Grand Jete」。バレエ用語で「大きくジャンプする」を意味するその店名のように、ここを出る時にはいつも、体も心も軽やかです。

RIN

RIN

スコーンの人/カフェライター/カフェブロガー。学生時代からカフェを巡り始めて十余年。 つくり手によって千差万別に表現されるスコーンに魅了され、 スコーンを通して店主の「好き」や個性を探る。ウェブを中心にオールジャンルのカフェライターとしても活動。
自主制作エッセイ「粉のカタマリ。」「粉のカタマリ。ツゥ」を手がけるほか、カフェとコラボレーションしイベントなども行う。(インスタグラム @rin_125 )

Cafe Grand Jeteカフェ・グラン・ジュテ

住所:
東京都品川区西品川1-22-14
TEL:
03-3495-5003
アクセス:
東急大井町線 下神明駅より徒歩7分・東急大井町線・JR線 大井町駅より徒歩10分
営業時間:
12:00〜17:30(L.O.17:00)
定休日:
日〜水曜
支払い方法:
現金のみ
URL:
http://cafegrandjete.jp/

更新: 2020年10月13日

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