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心を鷲掴みにするスパイスとフレンチの共演 |神泉 ビストロ「Pignon」

奥渋谷で旅気分に浸る 「Pignon」吉川倫平シェフ

2020年7月にオープンから10周年を迎えた、奥渋谷の人気ビストロ「Pignon(ピニョン)」。オーナーシェフを務めるのは、これまでに50カ国以上も旅をしてきたという吉川倫平シェフです。長年培ってきたフレンチに、北アフリカをはじめとした世界各国の食のエッセンスを取り入れ、スパイスやハーブを駆使しながら力強く華やかな料理に仕立てます。異国情緒あふれるカジュアルな空間と、ここでしか味わえない料理の数々に、気分はまさに異国の地。奥渋谷にいながらにして、旅に誘われるビストロです。

ローカルフードには、星付き店では出合えないヒントがある

「今年は全く海外に行けないのが、いちばん辛いですね」。そんな言葉からも、吉川シェフにとって旅がどれほど大きな存在であるかを測り知ることができます。19歳から一途にフレンチの道を歩んできたシェフの料理に、新たな風を吹き込んだのも旅がきっかけでした。

おぼろげながらに自身のフレンチレストランのオープンを考えていた頃、モロッコやチュニジアなど、北アフリカのマグレブ地域と呼ばれる国々を訪れた吉川シェフ。そこで出合ったのが、ジビエやスパイス、ハーブを多用した豪快な屋台料理だったといいます。「こういうローカルフードこそ、星付き店では出合えない旅の醍醐味です。思わず『フレンチよりも、こっちの料理をやりたい!』と思ったくらい、大きく心を揺さぶられました(笑)」。しかし、その時得たインスピレーションをいざフレンチと合わせてみると、確かな手応えを感じたのだそう。

『シェフの必需品』 でもお話したように、『自分の味覚』さえ確立していれば、ブレることなく『自分の料理』が作れます。そう思ったら、“何料理”というジャンル分け自体も必要ないのではと思うようになって。確かにベースにはフレンチの調理法や考え方がありますが、南米に行けば南米の料理に、アジアに行けばアジアの料理にたくさんヒントをもらって、どんどん取り込んでいます」

ジャンルに囚われない吉川シェフが今、料理を組み立てる上で軸にするのは、信頼する農家や漁師から仕入れた新鮮な旬の食材と、六味である“旨み”で確かな味の骨格をつくること。そこに塩味や酸味などの味を重ねることで、料理はさまざまな広がりを見せるといいます。

旬の食材を、ここでしか味わえないメニューに

「白茄子の炭火グリル 万願寺とうがらしのソースとデュカ」(1,300円)。デュカとはエジプトの調味料。

たとえば、この時季もっとも美味しくなる白茄子は、同じく旬を迎えた万願寺とうがらしと合わせました。白茄子をサッと油通しし、 「必需品」である炭火台で焼き上げたら、万願寺とうがらしのペーストで作ったソースと、チミチュリーという南米のハーブビネガーソースを載せます。仕上げに、揚げたキヌアやごまなどをブレンドした自家製デュカをハラリ。

じっくりと火を通すことで、甘み、コク、とろけるような食感が存分に引き出された茄子をクリーミーなソースがまとい、そこにデュカのサクサクとした軽やかな食感と香ばしさが加わることで、絶妙なコントラストが。一口目からガツンと濃厚な旨みを感じながらも、ほのかに香るミントやコリアンダーが爽やかな余韻を残します。

やみつき必至! 旨み・辛み・華やかさに、虜になる「自家製メルゲーズ」

「自家製メルゲーズ アリッサ添え」(1,900円)。この日はハーブやナッツを加えた根菜のサラダと共に。

「これを目当てに来られるお客様も少なくないですよ」。そう吉川シェフが話す「自家製メルゲーズ」は、「Pignon」のシグネチャーディッシュともいえる一品。メルゲーズとは羊肉のソーセージのことで、マグレブ地域の定番の屋台料理です。巨大な網を載せた炭火で一気に焼き上げるのが現地流。「シンプルで豪快だけど、とにかく美味しくて。絶対に自分でも作りたいと試行錯誤を重ねました。なかなか味が決まらず、苦労しましたよ」。スパイスの配合や塩加減はもちろん、やはり炭火による火入れも、求める旨みを引き出すための大事な要素。特製アリッサをたっぷり付けて召し上がれ。ジューシーな肉汁とパンチがきいた塩気、刺激的な辛さに、食欲が掻き立てられます。

渋谷の片隅で、異国へ旅をする

これらの料理を、異国情緒が漂うカジュアルな雰囲気の中で楽しめることも「Pignon」が多くの人を虜にする理由の一つです。「どこかへ旅に来た気分が味わえるような雰囲気にしたかった」と、吉川シェフ。オープンキッチンを望むカウンターに座れば現地の食堂さながらのライブ感が、軒先の開放的なテラス席ではちょっとしたリゾート感が楽しめます。ワインはフランスのナチュールワインを中心に、グラスで950円〜。多く訪れるという外国人客のために、一部ヴィーガン対応のメニューもそろえています。

豪快さと繊細さを併せ持つ力強い味わいに、たちまち心を掴まれてしまう「Pignon」の料理。奥渋谷から、まだ見ぬ異国の旅へ出かけてみませんか。最高に熱い夏が過ごせるはずです。

*価格はすべて税別です。

Pignonピニョン

Pignon

住所:
東京都渋谷区神山町16-3
TEL:
03-3468-2331
アクセス:
京王井の頭線 神泉駅より徒歩10分、JR渋谷駅より徒歩12分
営業時間:
月~土曜 18:30~22:30(L.O)
定休日:
日曜・祝日
支払い方法:
クレジットカード可(VISA、Master、AMEX)
URL:
http://www.pignontokyo.jp/

写真・広瀬 美佳 文・山本 愛理

更新: 2020年8月25日

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