特別編 イタリアン・テイクアウトの楽しみ方| ハヤシコウの行かねば損する東京のイタリアン
日本人初のイタリア人! イタリア渡航歴25年。イタリアをライフワークに活躍するハヤシコウさん。自宅には醤油がない(つまり和食は食べない!)ほどイタリア料理好きなコウさんに、今行くべき東京のイタリアンを教えてもらいます。
テイクアウトを分類してみると……
今月は外食に行けなかったので、特別編としてテイクアウトメニューについて。
テイクアウトのメニューにも色々ありますが、大きく2つに分類できます。
ひとつは、ハンバーガーやたこ焼きといったファーストフードで、買ったものをそのまま食べる料理。イタリア料理でいえば、パニーニやピッツァが代表的なもの。
もうひとつのテイクアウトメニューは、レストランの料理を持ち帰るもの。
持ち帰った後に、温めたり、皿に盛り付けたりして食べる料理です。連載第1回で訪れた祖師ヶ谷大蔵の「Fiocchi」でも、こうしたテイクアウトを始めたと聞き、さっそく行ってきました。
祖師谷大蔵「Fiocchi」の場合
レストランに入ると、「鶏レバーペースト」「グリル野菜のマリネ」「鰯のベッカフィーコ」「ポルケッタ」といったお惣菜メニューに加えて、シンプルなトマトソース、ジェノヴェーゼ、ラグーとパスタソースも充実。ほかにも、ピアディーナという名のロールサンドもありました。
それらの中で、僕が気になったのは「ティンバッロ」というケーキ形の焼きパスタ!
これは作るのが面倒な料理なので、イタリアでも大人数が集まってのお祭の時にしか食べることができない料理。これを切り売りだなんて、うれしい。
いろんなものを少しずつも楽しいけれど、ここ「Fiocchi」でのテイクアウトメニューには、「トスカーナ・コース(7,000円)」「ピエモンテ・コース(8,000円)」というのがあります(どちらも前日までに要予約)。
ちょこちょこ買っていると、案外買い込んでしまったり、つい買いそびれてしまうお惣菜も、こうしてセットになっていると、その時のオススメが楽しめるので間違いがなくていい。
ちなみに、これで大人2人が十分楽しめる(パスタやパンは付いていないので、自宅でご用意を)。いわゆる“テイクアウト”と違うのは、ちゃんとコース仕立てになっているところ。
今回は撮影用に、温めと盛り付けを一度にやったのですこし大変だったけど、のんびりと時間をとっての夕食とかにはうってつけです。前菜、パスタ、メインとそれぞれ支度は簡単(ほとんどは温め)なので、普段は料理をしない人でもできそう。
もちろん、このセットには「〜お召し上がり方のご案内〜」という支度方法が書かれた紙が入っています。また、親切なことに、いくつかのメニューは調理方法の動画がアップされているので、前もって見ておくとよりよいです。
https://www.youtube.com/watch?v=WkSQ5FoV0a0
(動画は始めたばかりで、全メニューというわけではないけれど)
Fiocchi(フィオッキ)
東京都世田谷区祖師谷3-4-9
TEL:03-3789-3355
https://www.fiocchi-web.com/
ちょこちょこ買いは、簡単ホームパーティに
こちらは、「Antica Osteria Belli’Italia」のテイクアウトから。「日替わりカレー」(500円)、「バスマティライス」(300円)など、ちょこちょこと買えるテイクアウトは、簡単なホームパーティにもおすすめ。
こちらは、「Teatro Acca」のテイクアウトから。なんと、塩茹でしただけのトリッパ(1,000円)。このままオリーブオイルをかけるだけでもよいし、チーズをかけても、トマトソースで軽く煮ても美味しい。自分でアレンジできるのが嬉しいですよね。
Antica Braceria Bell'italia(アンティカ ブラチェリア ベッリターリア)
東京都目黒区下目黒3-4-3
TEL:03-6412-8251
Teatro Acca(テアトロ アッカ)
東京都世田谷区豪徳寺1-49-2-101
TEL:03-6413-1092
https://teatroacca.business.site/
オススメしたい、自宅でテイクアウトコース
レストランは“高価な料理をめかし込んで食べる”ことではなく、“リラックスする場所や時間”のこと。美味しい食事はしたいけれど、出かけるのは難しいという人には、この「自宅でテイクアウトコース」というのは最適かも。
テイクアウトメニューを用意し始めたばかりのお店が多くて、まだまだ難しいなと思うこともあるけれど、盛り付けの工夫や仕上げの工夫で、テイクアウトメニューは楽しく広がると思う。
美味しく楽しい外食が、1日も早く戻りますように。
*価格はすべて税別です。
ハヤシコウ
株式会社ミズコルビノデザイン 代表。多摩美術大学卒、都内イタリアン勤務の後、イタリアのマルケ州ウルビーノISAに留学。帰国後、都内ワインバー勤務の後、2005年ミズコルビノ・デザイン設立。25年にわたりイタリアと日本を往復する中で培ったイタリアへの造詣を生かし、東京のイタリアンを中心に国内外の店のロゴやマーク、内装デザイン、メニューの監修などを手掛ける。2018年、「サルメリア69」の新町賀信氏と共に一般社団法人おいしい生ハム普及協会設立。
更新: 2020年4月25日
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