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編集部のお気に入りのレストランをご紹介します

編集部が訪れた美味しい名店『足跡レストラン』

確かな満足感と軽やかな食べ心地に浸れるイタリアン 九品仏「igora(イゴラ)」

心地いい余韻が残る料理とワインを 「igora(イゴラ)」坂井務シェフ

九品仏駅からほど近い等々力通りの住宅街の一角に、2019年7年にオープンしたイタリアンレストラン「igora(イゴラ)」。坂井務(さかい つとむ)シェフが細部にまでこだわり抜いて創った落ち着きある空間でいただけるのは、しっかりと満足感がありながらも身体に負担を感じさせない、“食べ心地のいい”イタリアン。広々としたカウンターに座り、厨房のシェフと同じ目線で会話を楽しんだり、調理する様子を間近で見たりしながら、ナチュールワインと共に寛ぎのひとときを過ごすことができます。

地味でも、皿に載せるのは必要なものだけ

「20代の頃は、塩も油もガツンときいた、食べごたえのあるイタリア料理が大好きでした」と語る坂井シェフが、ナチュールワインとの出合いをきっかけに自分の料理に求め始めたのが、身体に負担なく食べられる“軽やかな食べ心地”。今、シェフは料理を作るうえで「必要不可欠なもの以外は、手も味も加えない」といいます。「必要以上の塩はいうまでもありませんが、見た目を華やかにするための葉っぱや花、ちょっとしたソースなども一切添えませんし、素材の調理法や組み合わせに奇をてらうこともありません。正直、僕の料理は地味ですよ(笑)」。皿の上に載るのは、料理の味を構成するもののみ。しかし、それを素直に口にするだけで美味しいと思えるものを作りたい、と坂井シェフ。「派手さはありませんが、今のスタイルが自分の料理だと思っています」。

コースの温菜 「穴子と里芋の焼きテリーヌ」

ディナーコースは冷菜、温菜、パスタ2品、メインで6,500円。その他予算に応じて相談も可能。

この日いただいたのは「穴子と里芋の焼きテリーヌ」。まるで和食を思わせる食材ですが、シェフはこれらをコースの2品目の温菜に仕立てます。もちろん、穴子は坂井シェフが必需品と語る天草の「本田屋」から直送してもらったもの。湯引きしてからふっくらと蒸し、一度冷やして皮目を炙ったらテリーヌ型に。そこにスカモルツァチーズ、食感を少し残してつぶした里芋を重ね、ふたたび穴子を載せます。ここまでの調理の間に使った調味料は、ほんのわずかな塩のみ。オーダーに合わせてカットし、フライパンで焼き目をつけて仕上げます。

まずはそのままで一口。こんがりと焼くことで香ばしさが加わったテリーヌは、塩のみとは思えないほど力強い旨みが。一体になったふわふわの穴子としっとりとした里芋が口の中でとろけ、淡く優しい甘みが広がります。酢漬けのたまねぎが入った酸味のきいた自家製マヨネーズが加わると、一瞬キリリと引き締まり、しかしその後の一口は、穴子と里芋の甘みをより一層強く感じることに驚きます。

ランチでも食べられる自慢の手打ちパスタ

「トロフィエ 鳩のラグー」。手打ちパスタはランチコース(1,500円)でも提供(内容は日替わり)。

もう一品は、パスタを。「イタリア料理の中でも、パスタが好き」と語る坂井シェフが「igora」で提供するパスタは、すべて自家製の手打ち麺を使用。多い時には8種類ほど仕込むこともあるのだそう。「粉が主体の、弾力のある麺が特に好きで、リグーリア地方発祥の卵を使わないショートパスタ・トロフィエは必ずあるようにしています」。この日はシェフの先輩であり、イタリア料理人であり、また猟師でもある「Gigi Osteria(ジジ オステリア)」(茨城県・つくば市)の西田有宏シェフが獲った鳩をラグーにして合わせてくれました。

赤ワインで煮詰めたイタリア野菜のラデッキオと、蒸してほぐした鳩肉を、ブイヨンと一緒に軽く煮込みパルミジャーノを加えてトロフィエに絡めます。麺のもちっとした弾力と、ラデッキオのシャキシャキとした歯ごたえのコントラストが楽しい一皿。熟成した鳩の旨み、ラデッキオの独特の苦みが味に奥行きを生み出し、十分な満足感がありながらも食べ終わった後には「もう一口食べたい」と思わせる、ほどよい余韻が。「パスタをメインに召し上がりたい方はぜひランチでお待ちしています」。

ナチュールワインはイタリア、フランス、そして日本産も

グラスワインは600円〜。店内には大きなワインセラーも。

それらの料理と共に、「igora」ではぜひナチュールワインも楽しみたいもの。「最近は国産ワインも本当に美味しいので、少しずつ増えています」。イタリア産、フランス産を中心に坂井シェフ自身が選んだナチュールワインは、グラスでも常時10種類以上をラインアップ。さまざまな種類が気軽に楽しめるため、アラカルトと合わせてワインバーのように楽しむお客様もいるのだそう。「今年は必ず、どこかワイン生産者のもとへ足を運びたいと思っています」。フランスのワイナリーでの修業経験もある坂井シェフ。ワイン好きの方はぜひカウンターに座って、そんなエピソードを伺ってみてはいかがでしょうか。

一枚板のカウンターテーブルで過ごす寛ぎの時間

「どうしても一枚板がよくて」と、特注したカウンターテーブル。手触りにもこだわり、自然なコーティングに。

「ゆったり寛げる空間にしたかった」という坂井シェフは、居心地の良い空間づくりにもとことんこだわりました。重厚感あるカウンターテーブルは一枚板のアサメラの木で作った特注品です。そのテーブルやそれに合わせたチェアの高さも、シェフ自身が細かく指定。さらにはできるだけ自然な質感を残したいと、コーティングも特別に仕立ててもらったそう。「落ち着いた街なので、リラックスしていただきながら、広々としたカウンターで僕たちと会話をしたり、目の前の調理を見たり、ライブ感も楽しんでいただけると嬉しいです」。

陶芸家・川口武亮氏によるすべて異なる仕立てのショープレートにもぜひ注目して。

存分に料理とワインを楽しみ、店を出る時には、確かな満足感と心地いい余韻に浸っていることでしょう。坂井シェフが織りなす“軽やかな食べ心地”のイタリアンをぜひ一度、ご賞味あれ。

*価格はすべて税別です。

igoraイゴラ

igora

住所:
東京都世田谷区奥沢6-22-10
TEL:
03-5760-6176
アクセス:
東急大井町線九品仏駅より徒歩3分、東急大井町線・東横線自由が丘駅より徒歩7分
営業時間:
ランチ/木~日曜 11:30~14:00(L.O. 13:30) ディナー/月・火・木〜日曜 18:00~22:00(L.O. 21:00)
定休日:
水曜日
支払い方法:
クレジットカード可(JCB、AMEX、VISA、MASTER、 Diners)

写真・広瀬 美佳 文・山本 愛理

更新: 2020年3月10日

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