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編集部のお気に入りのレストランをご紹介します

食べ進めるほど、もっと食べたくなるイタリアン  芝公園「イタリア料理 樋渡」

日本とイタリアへのリスペクトを料理に込めて 「イタリア料理 樋渡」原耕平シェフ

東京タワーからもほど近い芝公園エリアに、2019年10月にオープンした「イタリア料理 樋渡(ひわたし)」。そこは、原耕平(はら こうへい)オーナーシェフのイタリア料理と日本の食材への愛情で満ちています。日本の風土で育まれた食材を使い、その素材が持つ美味しさを引き出し活かしながら、イタリア人をも唸らせる正真正銘のイタリア料理に仕立てるシェフ。最高にいい料理が提供できる万全の準備を整え、お客様を迎えます。

素材の持ち味を引き出すメニュー

「食べれば食べるほど、食欲がわく」。普通なら進むにつれて満腹になるはずのコースを、そんな風に表現するお客様がいるほど、原シェフの作る料理にはしっかりと満足感がありながら、「もう少し食べたいな」と思わせる軽やかさがあります。それは塩味の加減によるものだと語る、原シェフ。

「人は、塩味が加わることで旨みを感じます。肉でも魚でも野菜でも、まったく塩気がないと物足りないでしょう? そこに少しずつ塩を足していくと、食材の旨みがパッと花開く瞬間があるんです。ただ、塩っぱいと感じるまでには幅があって、どこで塩を決めるかで身体への負担感は大きく変わります。料理人次第です」。

原シェフにとって塩味は、素材の旨みを引き出すために必要最低限あれば十分なもの。「それにいい塩梅にすると、何を食べているのかがハッキリわかるんですよね。この甘みは鯛だな、赤身の肉のいい香りがするな、と」。せっかくいい食材が揃う日本。塩味をギリギリの量で抑え、だしをきかせたり食感で抑揚をつけたりすることで、それぞれの持ち味を存分に引き出しつつも最後まで飽きることなく、すべての料理を最高に美味しい状態で味わうことができるといいます。

いい肉は焼くだけでうまい。ディナーのメインはサラマンダーで焼く肉

コースは5,000円(6皿)〜。メインの「ジャージー牛のウワミスジのロースト」の味付けは、ほんの少しの塩のみ。

まさにそれを体現した料理の一つが、コースのメインである肉のロースト。埼玉県の「国分牧場」から仕入れた牛の腕肉を使います。表面にほんの少しの塩とオイルをまとわせ、サラマンダーを使って低温でじっくり焼いていきます。「お客様のペースを見ながら火入れを細かに調整して、ベストなタイミングでお出しします!」と意気込む原シェフ。

ほどよく締まったピンク色の肉は、噛むとジューシーな旨みが溢れ、やさしい塩味を感じさせます。そして、しっかりと力強い肉の香りが。添えられた玉ねぎとオリーブのマリネの爽やかな風味がアクセントとなり、肉の味を一層引き立てます。

同じく「国分牧場」で出た堆肥で育てられたオーガニック野菜のサラダと共に。「日本で料理を作る以上、できるだけ日本の風土で育まれた食材を使いたいと思っています。でも、イタリア料理としてのクオリティは絶対に落とさない。日本の食材の持ち味を発揮させながら、イタリア人にも満足していただける本物のイタリア料理であることが、日本の食材とイタリア料理への僕なりのリスペクトの証です」。

親友が育てた米で作る、季節の食材のリゾット

リゾットは8,000円と10,000円のコースで提供。5,000円のコースでもパスタをリゾットに変更可(予約時に要相談)。

そう言ってふるまってくれたもう一品が「猪のラグーのリゾット」。原シェフの必需品、親友・高橋英人さんが育てた魚沼産コシヒカリを使っています。「アルデンテに仕上げなければならないリゾットには通常、イタリア米を使います。日本米独特の粘りが、逆に仇となってしまうからです。でも、若い頃から僕の人生を支えてくれたともいえる、彼の米でどうしてもリゾットを作りたくて、何度も試行錯誤して完成させました」。米にオーブンで6割火を通して"半炊き”状態にしておき、仕上げに具材と合わせてさっと炊き上げます。

熱でふわりと舞い上がるパルミジャーノのいい香り。見事にアルデンテに仕上がった米は、小粒にも関わらず存在感があり、噛むたびにほのかな甘みが。猪肉の野性味ある旨みを感じさせながらも、「もう一口、もう一口」と、食べ進めたくなるやさしい味わいです。「本当に、米がうまいんですよ」。気さくに取材に応じてくれた原シェフですが、親友である高橋さんのことを話す笑顔が、この日いちばん輝いて見えました。

シェフ自らが選んだ200種類以上のワイン

常にラインアップが流動するため、ワインリストは用意していないそう。ぜひその日のおすすめをソムリエに尋ねて。

「樋渡」では、イタリアワインをメインにフランスやスロベニアなど、200〜300種類ものワインを揃えます。「少しですが国産ワインも置いています。食材と同じで、美味しいと思うものは積極的に国産を取り入れたい」。グラスワインだけでも、赤・白合わせて常時12種類以上を揃える充実のラインアップ。それでもあくまで、純粋に美味しい食事を楽しみに来られる場でありたいと話す原シェフ。「お酒が飲めない方も遠慮は一切無用です。ぜひご来店お待ちしています!」。

パーソナルスペースが保たれたモダンな空間

特に原シェフがこだわったというのがチェアの座り心地。まっすぐに食事を楽しめる空間づくりも料理人の仕事。

事前予約のコースディナーのみだからこそ、それに見合った贅沢な時間を提供したいとインテリアやカトラリーにもこだわりました。ゆったりと幅広のカウンターチェア、パーソナルスペースが保たれたゆとりのある席配置、触り心地のいい麻のリネン……。「わざわざここまで食べに来ていただくわけですから、緊張の糸を緩めてリラックスして食事に向き合ってほしいですね」。

イタリア料理と日本食材への愛で溢れた原シェフ。一度「樋渡」を訪れれば、きっと彼の料理とその飾らない人柄に魅了されてしまうことでしょう。

*価格はすべて税別です。

イタリア料理 樋渡

イタリア料理 樋渡

住所:
東京都港区芝2-15-4
TEL:
03-6809-3037
アクセス:
JR浜松町駅、都営大江戸線 大門駅より徒歩10分、都営三田線芝公園駅より徒歩7分
営業時間:
火〜土 17:30〜23:00 / 日 12:00~18:00(アラカルトのみ)
定休日:
月曜日
支払い方法:
クレジットカード可(JCB、AMEX、VISA、MASTER、Diners)

写真・広瀬 美佳 文・山本 愛理

更新: 2020年1月30日

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