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〆はワイルドなサンドイッチ、ロゼ飲みビストロ 池尻大橋「サンドイッチストア」| 山脇りこの行かねば損する東京のビストロ

ビストロってなんだろ? フランスで言うところの、気楽に食べて飲める、日常づかいのお店。語源はパリにいたロシア人が「ビストロ(早く!)」と言って、料理を急がせたからという説も……。肩ひじ張らずに、食べて飲んで、幸せになる、そんな東京のビストロを、ヴァンナチュール好きの料理家、山脇りこさんがご紹介します。

夏は昼飲み! ロゼ、ロゼ、そしてロゼ!

山手通り沿い、なんともいい雰囲気だ。

「ロゼワインって、ラインアップから外れてるっていうか、あまり選ばれないでしょ?」

初めて行った時、オーナーシェフの菅原啓(すがわら あきら)さんは言った。だってね、ここ「サンドイッチストア」にはワインがロゼしかない! 「え、なんで?」と思い、理由を尋ねてみたのだ。

「実は料理にも合わせやすいし、飲み飽きない。いろんな表情のロゼがあるし」と、ソムリエでもある菅原さん。

確かに。

軽やかで、香りもよく、ビジュアルも華やか。最近では白ワインと同様の造り方の淡いカラーで辛口のロゼも多く、私も大好き。かつては、赤と白の混ぜ物もあって、ちょっと子供っぽいとバカにされていたような気もするけれど、今は逆に世界でちょっとしたブーム。特にアメリカでの人気はうなぎのぼりらしい。

ずらーーーっと並ぶ、世界中のロゼワイン。

そのロゼワインがずらっといっぱいあるのだ。壮観である。垂涎モノ。世界中から集めに集めて、多い時は百本越えとか。ああ、映える色、気のせいかシャレオツなエチケット、いつか制覇してみたい! 真夏の積乱雲ばりにむくむくっと盛り上るそんなキモチ。

さあ、レッツ昼下がりにロゼを飲もう!

キレイな色であがる! まずはグラスでおすすめを尋ねよう。

で、8月と言えば、全国的に昼飲みである(ですよね?)。ここはそんなあなたを、ランチタイムからノンストップ営業で待っていてくれる。

午後3時。店内からは、ぼんやりと山手通りの車の流れが見える。暑さのせいか窓ガラスのせいか、蜃気楼のようにぼんやり。場所は中目黒というより、池尻大橋の巨大ジャンクションに近いのだけれど、窓越しの景色はまるでブルックリンの小さな店から見るそれのよう。たぶん、飾らない、でも粗野すぎないインテリアのおかげかな。旅をしている気分になる。店名のとおり、ビストロテイストのサンドイッチが用意されているけれど、まずは、気の利いた料理とロゼを。

その名も「ゴールデン卵」はつるんとした金の卵。ターメリックで黄色に染めて、肉汁につけて味を入れてある。

一見何でもないポテトサラダや卵料理だけど、食べてみると、え? この店で? と(失礼ながら)思っちゃうくらい、秀逸な皿が並ぶ。ハムもソーセージもきっちり自家製。うんまい。塩気はきつくないから、ロゼがまたよく合う。

シラスが入った大人っぽいポテトサラダ。三元豚のリエットには青唐辛子が効いている。

それもそのはず。シェフは、山手通りを挟んだ向かい側にある「ビストロ13区」のオーナーシェフでもある。東京では10年店を続けるだけでも至難と言われる中、決して便利とは言えないここで13年以上も愛される名店だ。

食材は、山形米沢からの無投薬天元豚や、シェフの地元、北海道の特定の農家から仕入れるトウモロコシや玉葱など。仕事は実に丁寧。うれしくなる。

山手通りを眺めて、おひとりさま&たそがれる席もあり。

山手通りを臨むカウンターで独り、サンドイッチと軽く飲むもよし、二人でグラスのロゼを数種類飲みながら、色々つまんで、〆にサンドイッチもよし。みんなでわいわい、数種のボトルをあけて飲み比べもやりたくなる。そうそう、ビール好きにもここだけのドラフトタップが数種類。2種をハーフ&ハーフにするのもおすすめだ。

ロゼって? ところで?

メニューにないロゼもある。おすすめを尋ねてみて。

そうそう、ところでロゼ。かつては赤白を交ぜたものも見かけたが、今は赤ワイン用の黒ブドウから真剣に!造られたものが多い。果皮を取り出すタイミングや発酵のタイミングで色味が違ってくる。大きくは白ワインと同様の造り方のものと、途中まで赤ワインと同様でロゼに導くものに分けられる。

プロヴァンスなど、南の方に多い白ワインとほぼ同じ造り方の淡い色合いのロゼはタンニンもひかえめで優しい。ボルドーのロゼのように、途中まで赤ワインと同じように造られる(「マセラシオン」や「セニエ法」)ロゼは、しっかりとした濃いピンクで、タンニンも強めだ。

色の違いは味わいの違い。飲み比べが楽しい。

世界では人気急上昇中だけど、日本では消費量がまだ少なく、ロゼの割合は3%程度だという(泡系は除く)。それが、ここに来ればロゼの生産量No.1のフランスだけでなく世界中の、もちろん日本のロゼも飲める。

〆はビストロならではの、ただモノではないサンドイッチ

小麦が香るバゲットに、厳選されたホンモノをサンド!

さて、今回の話の〆は、「〆のサンドイッチ」のこと。しめしめ、抜群にうまい。スペシャリテは絶品キューバサンドイッチ。シェフがブラジルへ留学していたことと関係あるのかな? 刺激的な味わいだ。

私のおすすめは、山形米沢からの無投薬天元豚で作る自家製ソーセージのサンドイッチ。噛み締めると肉の旨さがぐっとくる。

バゲットは武蔵小山のベーカリー「nemo」。麦の旨みとかりっとした焼き具合は、こだわりの具材に負けていない。

そして、どのサンドイッチにも別添えでソースがついている。ビストロで出すサンドイッチだもん、ソースにこだわるフレンチの心意気が見える。

お腹が満たされたら、最後はコーヒーもいいけど、暮れていく街を眺めながら、甘めのデザートロゼをぜひ。昼下がり、ここがどこなのか、ふと錯覚する「サンドイッチストア」で会いましょう。

サンドイッチストア

住所:
東京都目黒区青葉台3-22-1 1F
TEL:
03-3710-5377
アクセス:
中目黒駅より徒歩15分、池尻大橋駅より徒歩8分
営業時間:
11:00~23:00(L.O)
定休日:
水曜日
URL:
https://sandwichstore.net/

更新: 2019年8月14日

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