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RESTAURANT

編集部のお気に入りのレストランをご紹介します

僕がウニのパスタを食べる店 南青山「Etruschi(エトゥルスキ)」|ハヤシコウの「行かねば損する東京のイタリアン」

日本人初のイタリア人! イタリア渡航歴25年。イタリアをライフワークに活躍するハヤシコウさん。自宅には醤油がない(つまり和食は食べない!)ほどイタリア料理好きなコウさんに、今行くべき東京のイタリアンを教えてもらいます。

レストランとはレストアするための場所

レストランって言葉の意味を知っていますか?

ラテン語の「instauro:元気になる」に「re:再び」をつけて、「再び元気になる」という意味の言葉です(レストアも同じような言葉ね)。

なので、レストランというのは食事の美味しい店、かしこまったお店ではなく、本来はリラックスする場所のこと。僕にとって、間違いなくリラックス出来る場所は、表参道駅から徒歩3分、ブティックが並ぶ御幸通りからひとつ入った場所にある、レストラン「エトゥルスキ」(旧名称:「リヴァ・デッリ・エトゥルスキ」)だ。

この日は、数日後に地方に引っ越しをする友人とのランチ。事前のメッセージのやり取りで、東京に少し疲れているのかなって感じたから、都心なのにザワザワした感じのないこちらのお店にすることに。

この店は建物からしてよい。ほかにも一軒家レストランはあるけれど、ドアノブや窓の取っ手といった細部にまで、しっかりとイタリアを感じさせる建物は、東京ではなかなかない。1階のメインダイニングは天井が高く、窓も大きいので自然光がよく入る。窓からのぞく植物も、常に清潔感があって気分がいい。隣のテーブルとの間隔もゆったりとしているから、周りを気にせず食事や会話が楽しめる。

親しい人とゆっくりコースで楽しめるランチタイム

「エトゥルスキ」は、ランチからしっかりとコースが楽しめる。忙しい日は仕方がないけれど、やっぱり美味しい食事はランチであってものんびりと楽しみたい。席についてスパークリングワインで喉を潤しながら、メニューの説明をお願いする(どれも美味しいのが分かっているから、タイミングよく頷くだけなんだけどね)。ひと口サイズのお通しの後の前菜は、「シマアジのマリネ」。ムチッとした食感のシマアジと、下に隠れたやわらかい茄子が心地よい。ちなみに、紫色の粉は茄子の皮でつくったパウダー。イタリアの茄子って、日本のものに比べて皮が薄く、身が厚い。同じ茄子でも、身と皮のバランスで好みが分かれるところ。その点、この料理は身の旨さと皮の香りを、自分好みで楽しめていい。

お次の魚料理は、「カサゴのソテー、季節の魚介とズッパ」。皮目をパリっとソテーしたものに、ムール貝とタコ、そして魚介の旨みがたっぶりのズッパをソースとして。この魚料理に合わせて出されたワインは、北イタリアはヴァルテッリーナの赤ワイン、ロッソ・ディ・ヴァルテッリーナ。バローロやバルバレスコと同じブドウ品種のワインです。魚料理には白ワインというのが定石だけれど、料理法によっては赤ワインがとてもよく合う。魚介の滋味溢れるズッパには、素朴で素直な赤ワインがピッタリだった。このヴァルテッリーナ、“ボウル状の土地”という名前のとおり、谷に囲まれていて、太陽のあたる斜面にブドウが植えられ、人間は日陰に住むという過酷な土地。そんな土地で育てられたブドウは、素朴で逞しく、なによりピュア。どこかでヴァルテッリーナのワインを見つけたらぜひ味わってもらいたい。素朴で素直なワインが理解できると思います(お蕎麦なんかにも合いますよ)。

ウニのパスタは信頼できる店でオーダーすべし

お魚の後は「ウニのスパゲッティ」。ウニのパスタって、見た目はとても素敵なのに食べて残念、なんてことがよくあるから、信用しているお店以外では食べない料理。この日のものは、アンチョビでシンプルに味付けされたスパゲッティにウニが載っている。ほどよく温まったウニからウニ独特の香りが鼻にふんわりと届き、舌の上にはアンチョビの塩味と苦味で、ウニの甘さを一層感じさせる。シンプルだけど、ウニを存分に楽しめるパスタだ。

こちらに合わせたワインは、ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン。無濾過のワインで、じんわりと旨みが広がるワイン。ウニのデリケートな香りを損なうことなく、旨みを助ける感じがとても好印象。

メインは映画のような一皿

お肉は「金華豚のロースト」。綺麗なローズ色に火入れされた豚肉はもちろんなんだけど、その下に敷かれたジャガイモのピュレに魅せられた。長期保存されたジャガイモを、艶やかに吸い付くような舌触りに仕上げたピュレ。素朴な食材のジャガイモを、よくぞここまで美しく……とおもわずため息……。地味な女の子のサクセスストーリーを一本観たかのような気持ちになってしまった。

レストランでのデザートの理想形

美しいコースのフィナーレは カラフルな「トマトのコンポート」。赤、緑、黄色、オレンジと色鮮やかなトマトのコンポートに、モッツァレラのジェラート、シャンパーニュのジュレにバジルのソース。サッパリとしていながらも、適度な余韻を残したデザート。初めは緩やかに、その後しっかりと盛り上がり、最後にはサッパリとリフレッシュする。

これこそ、レストランらしいレストラン。疲れた時に焼肉で精力付けようというのでは、身体に負担がかかり過ぎる。そんな時こそ、自分にとってもっとも心地よい場所で、身も心もレストラン(再び元気になる)がおすすめです。

ハヤシコウ

ハヤシコウ

株式会社ミズコルビノデザイン 代表。多摩美術大学卒、都内イタリアン勤務の後、イタリアのマルケ州ウルビーノISAに留学。帰国後、都内ワインバー勤務の後、2005年ミズコルビノ・デザイン設立。24年にわたりイタリアと日本を往復する中で培ったイタリアへの造詣を生かし、東京のイタリアンを中心に国内外の店のロゴやマーク、内装デザイン、メニューの監修などを手掛ける。2018年、「サルメリア69」の新町賀信氏と共に一般社団法人おいしい生ハム普及協会設立。

エトゥルスキ

住所:
東京都港区南青山3-15-12
TEL:
03-3470-7473
アクセス:
東京メトロ表参道駅A4出口より徒歩3分
営業時間:
ランチ 11:30~14:00 (L.O.)、ディナー18:00~21:00 (L.O.)
定休日:
火曜日
支払い方法:
クレジットカード可(Diners Club、VISA、MASTER、JCB、AMEX)
URL:
https://etruschi.jp/

更新: 2019年7月17日

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