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酒を呼ぶ点心 丸の内「YAUMAY(ヤウメイ)」|サトタカの「行かねば損する東京の中華料理店」

中国料理に魅せられて、国内はもとより中国にも足繁く通って取材する中国料理探訪家・サトタカさん。“中国を食べ尽くす”プロに、今行くべき東京の中華料理店を教えてもらいます。

東京に飲茶文化が返り咲き!

「YAUMAY」の「豆苗と海老の蒸餃子」。

長らく飲茶沙漠だった東京で、飲茶を楽しめる店が増えてきた。

数年前までは、点心を出す店はあっても、料理のサブ的な存在に留まるところが多かったように思う。しかし、2019年の東京は違う。飲茶が楽しめる店の選択肢が、現在進行形で増えているのだ。

広州の人気店「花園酒家」の飲茶のひとこま。

ちなみに、点心と飲茶はイコールではない。点心はえび餃子や焼売、腸粉や胡麻団子など、こさえられた食べもの“そのもの”を指す言葉。飲茶は点心をつまみながら、お茶を飲む食習慣のことをいう。

さらにいうと、飲茶は中国南方、広東省や香港を中心とした食文化だ。北京の朝ごはんに、むっちり大きな肉まんをガブリとやりながらジャスミン茶を飲んでも、飲茶とは言わない。

きっと香港や広州の古い店で、新聞片手に蒸籠を2、3個並べ、お茶を愉しんでいるご老人を見たことがある方も少なくないだろう。まさにあれが飲茶の光景。常連さん同士、挨拶をしている姿を見ると、なんと豊かな食文化だろうと思う。

店内はモダン、点心は美麗。理想の東京飲茶がここに

二重橋スクエアのエスカレーターを上ると、正面に現れる「YAUMAY」のエントランス。インパクト抜群だ。

さて、現地ではローカルな店に入り、雰囲気に身を任せるのが楽しいが、私自身、東京の場合は、時間と空間ともに楽しめる、ゆったりとした、サービススタッフがきちんとしている店が好きだ。

ひと口で食べられる一品料理とでもいうべき点心は、会話を妨げずに味わうのにぴったり。飲茶における点心は、腹を満たすためだけのものではない。

そんな観点で東京のレストランを見てみると、2018年11月にオープンした「YAUMAY(ヤウメイ)」は、飲茶にぴったりの店といえる。

カウンター席からは、この点心をつくり出す点心師の仕事ぶりが一望できる。気になる人は予約の時に指定しよう。

手掛けているのは、世界の都市でヒップなレストランをプロデュースしている若くして故郷の香港からイギリスに渡ったALAN YAU(アラン ヤウ)氏。。エントランスはイケイケでど派手な雰囲気ゆえ、いったいどんな個性的な店かと思うかもしれないが、中に入ると天井が高く、シンプルでモダン。広々とした厨房を白木のカウンターが取り囲んでいるのも気持ちいい。

ゆったりとしてモダンな店内。円卓もある。気候のいい時期はテラス席もいい。

そして何より、点心がいい。半透明の皮にエビの赤を透かし、ぷっくりと整えられたエビ餃子。こっくりと煮込まれた鹿肉を包んだパイ。どれもが心躍る美しいビジュアルで、運ばれてくるたびにハッと息をのむ。

「蝦夷鹿肉のパイ包み」はお店のおすすめ。

昼は飲茶、夜はワイン。3の倍数で訪れよう。

しかし、“広東料理ど真ん中”な点心とは、少しだけ違いがある。どちらかというと、食感は「ふわり」というより「ギュッ」としているものが多く、華やかに胡椒が利いているものが多い。見た目は端正で正統派だが、口にすると、何かもうひとつのピースが欲しくなる……。

そう、ここの点心は、全体的に酒を呼ぶ味なのだ。

具がギュッと詰まった「鴨肉春巻」。

飲茶は、伝統的には朝と昼に楽しむものだが、ここでは夜も飲茶が楽しめる。しかし、夜は前述の理由から、お茶よりもお酒を合わせたいところ。ワインリストが充実しており、素敵なユニフォームを着たソムリエールに尋ねてみると、ロゼや白がよく出るのだとか。

場所柄、上はキリがないが、価格はボトルで7,000円くらいから。蒸籠入りの蒸し点心が3個入りなので、できれば3人または6人で行くと、熱々を同時に食べられるのでおすすめだ。

「黒胡麻団子ピーナッツ衣」。パティシエが店内で作りたてを提供する。

ちなみにこの店、デザートにはバスクチーズケーキも選ぶことができる。意外性に驚くが、これもまたYAU氏のセンスだろう。この店なら、飲茶の〆にコーヒーもOK。このさじ加減、他にありそうでないですよ。

サトタカ(佐藤貴子)

サトタカ(佐藤貴子)

食と旅を中心としたエディター、ライター、コーディネーター。大学卒業後、大手エンタテインメント企業で映像や音楽コンテンツの仕入、映画のPR等を務めた時、担当した映画監督が大の中華好きだったことから中華にハマる。
独立後、中華食材専門商社の小売向ECサイトの立ち上げと運営を通じて中華食材に精通。雑誌、会報誌、ウェブ等で中華に関する執筆多数。中華がわかるウェブマガジン『80C(ハオチー)』ディレクター。さまざまなテーマの中華食事会も企画する。

YAUMAYヤウメイ

YAUMAY

住所:
東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア 2F
TEL:
03-6269-9818
アクセス:
日比谷駅 直結 徒歩2分、JR有楽町駅より徒歩 3分
営業時間:
11:00~15:00(L.O.14:30) 17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:
元旦、法定点検日

更新: 2019年6月6日

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