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フカヒレとロゼとヴァンジョーヌ 清澄白河「O2(オーツー)」|サトタカの「行かねば損する東京の中華料理店」

中国料理に魅せられて、国内はもとより中国にも足繁く通って取材する中国料理探訪家・サトタカさん。“中国を食べ尽くす”プロに、今行くべき東京の中華料理店を教えてもらいます。

古くて新しい風が吹く街には、クラフト感のある中華がよく似合う

清澄白河には、新しい風が吹いている。

私がこの街に足を運ぶようになって15年。取引先があって定期的に通っているが、最近は旧き街並みと新しい店とが入り混ざり、街歩きがずいぶんと楽しくなった。

セレクトショップ、ギャラリー、ショコラティエ、古本屋、イベントスペースなど、路地を覗けば個性的な店が明かりを灯し、寄り道するほどに発見がある。2019年3月末には、東京都現代美術館がリニューアルオープンを控えており、まだまだおもしろくなりそうな気配がある。

東京メトロの清澄白河駅は、ホームの壁も現代美術。

そんな清澄白河に、今のこの街らしい中華「O2(オーツー)」ができたのは2018年のことだ。

オープンキッチンでカウンター6席、テーブル8席の空間は、10坪ながら吹き抜けがあって開放的。店の端々に目をやると、某SF映画を彷彿させるアイテムがセンスよくちりばめられていてクスリとさせる。遊び心もありながら、やや暗めの照明は落ち着きがあり、ここにいるだけでなんだか気持ちがよくなってしまう。

オーナーシェフの大津光太郎さん。

オーナーシェフは、生まれも育ちも清住白河の大津光太郎さん。カウンターに座れば、女子の皆さんはもれなく思うだろう。ああ、シェフ、中華鍋を振る後ろ姿が凛としてカッコいい、と(あ、もちろん後ろ姿だけではありませんよ)。

それもそのはず、大津さんは日本を代表するモダンチャイニーズ「Wakiya一笑美茶樓」をはじめ、wakiyaグループで15年間腕を磨き、スーシェフまで務めた料理人。

名店の厨房のみならず、店のオープン前にはカウンター中華の人気店に入り、夏にはフジロックでホットドックを作り、現場対応力を鍛えてもいる。その成果だろうか、大津さんのつかず離れずの接客も居心地のよさを増している。

フカヒレを選ぶか選ばないか。それが問題だ。

料理は5,000円または10,000円のコースの二択。単純に2倍の開きがあるが、その差はずばり、フカヒレ姿煮1枚分だ。フカヒレを選ぶか選ばないか。それが問題だが、初めてフカヒレ姿煮を召し上がる方、久しぶりに召し上がる方は、ぜひここでチョイスしてほしい。

なぜならこの一皿こそ、フカヒレ姿煮の王道を行くもの。フカヒレは魚種と加工方法によって食感も価格もかなり差があるが、こちらで仕入れているのはヨシキリザメの尾の“原ビレ(げんびれ)”。それを丁寧に戻したものである。

“原ビレ”とは皮つきのまま乾燥させたフカヒレで、日本では江戸時代、対清貿易向けに俵物三品として献上してきた歴史あるもの。今はさまざまな加工済商品があるなかで、この仕入れはこだわりの表れだ。

また、日本で姿煮になる定番の魚種と部位がヨシキリザメである。それをたっぷり1枚100g、鶏や豚げんこつをベースにした白湯(パイタン)でふくよかに煮込めば、どんな肉塊も叶わない。絶妙なタイミングで登場する土鍋ごはんも箸を進ませる。あああ、想像するだけで危険だ。

ロゼとヴァンジョーヌが売れる理由

合わせるお酒はフランスの自然派ワインが中心。軽やかでエッジの効いたワインをそろえており、なかでも人気があるのがロゼとヴァンジョーヌだとか。

思えば、以前より「中華にはロゼが合う」という声は多く聞かれていたが、実際にロゼを最も売っているという店は少ない。大津さんに尋ねてみると、「日本ではロゼ=甘いワインというイメージを持っている方がまだ多いからではないか」と言う。同店では比較的ドライなロゼをそろえており、また、ヴァンジョーヌは“黄ワイン”としてソムリエが丁寧に説明しているそう。

シャトー・ラッソルのロゼが人気。ブドウ品種はアブリュー100%。

変わりゆくワインの風味とともにボトル1本で通すもよし、グラスで2~3杯楽しむもよし。重たくならないお酒もまた、店の雰囲気と料理に寄り添っている。

1枚目:8月の前菜は鮎のもなか。 2枚目:パン粉と香辛料を調味料に使った“金沙”の技法で海鮮料理。

コースはごはん&麺類、デザートは別料金なので、しっかり締めたいときはご注文を。ふかひれにごはんがついても、ここの炒飯なら軽く食べられる。あああ、やっぱり危険だ。

〆の炒飯は、今の気分を伝えておまかせ。

サトタカ(佐藤貴子)

サトタカ(佐藤貴子)

食と旅を中心としたエディター、ライター、コーディネーター。大学卒業後、大手エンタテインメント企業で映像や音楽コンテンツの仕入、映画のPR等を務めた時、担当した映画監督が大の中華好きだったことから中華にハマる。
独立後、中華食材専門商社の小売向ECサイトの立ち上げと運営を通じて中華食材に精通。雑誌、会報誌、ウェブ等で中華に関する執筆多数。中華がわかるウェブマガジン『80C(ハオチー)』ディレクター。さまざまなテーマの中華食事会も企画する。

O2オーツー

住所:
東京都江東区三好2-15-12 峯岸ビル1F
TEL:
03-6458-8988
アクセス:
東京メトロ半蔵門線 清澄白河駅B2より徒歩5分、都営大江戸線 清澄白河駅A3より徒歩8分
営業時間:
ディナー18:00〜24:00(L.O.23:00
定休日:
月曜日(臨時休業あり)
支払い方法:
クレジットカード可(AMEX、JCB、DINERSCLUB)
URL:
https://o2otsu.wixsite.com/o2info

更新: 2019年3月7日

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