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麻辣火鍋デビューはここで。西荻窪「仙ノ孫」|サトタカの「行かねば損する東京の中華料理店」

中国料理に魅せられて、国内はもとより中国にも足繁く通って取材する中国料理探訪家・サトタカさん。“中国を食べ尽くす”プロに、今行くべき東京の中華料理店を教えてもらいます。

家で作れないからこそ、外食すべき鍋がある

「仙ノ孫」外観

寒くなると、鍋が恋しい。準備が比較的簡単なこともあり、ちょっとした鍋なら私は家で作る。しかし、これだけはとても真似できないことから、外で食べたい鍋がある。「仙ノ孫」の「四川火鍋」だ。

そもそも四川省の麻辣火鍋は、たっぷりの牛脂で香辛料を煮出した「鍋底(グゥォディ)」と呼ばれる火鍋の素が味の要だ。各種材料の調達から考えると、この鍋底作りは手間もコストもかかるのだが、同店では、これを本場同様の製法で作り続けているのだから頭が下がる。

調味にしっかり化学調味料を使うところまで現地仕様だと、食べ疲れてしまう場合もあるが、そこは心配ご無用。早田哲也オーナーシェフが、コクとキレを併せ持った鍋スープに整えてくれるので、敏感な方も安心してほしい。

牛脂で香辛料を煮出して作る、鍋底(グゥォディ)とは?

鍋2人前に使った香辛料。香辛料はシェフが毎年四川省で買い付けている。

では、その鍋底はどれだけ手間がかかるのか? 食に関心の高いみなさんに、その作り方を駆け足で紹介しておこう。

まず、たっぷりの牛脂を火にかける。そこに香味野菜を入れ、完全に水分が抜けるまで炒めたら、油を注ぎ、甘草や草果、シナモン、八角などボディのしっかりとした香辛料の風味を引き出すことしばし。

この脂を、豆板醤などの調味料や香辛料が入った鍋にゆっくりと注ぎ、さらに加熱していくと、さらに香りと風味が高まっていく。これをいったん冷却させたのち、新たに赤と青、2種類の花椒やクミンなど芳香の高い香辛料を加えたら、麻辣火鍋の鍋底のできあがりだ。

この鍋底に、鶏と豚でとったスープを加えれば、嗅ぐだけでみるみるお腹が減る魔法の香りが立ちのぼる。

鍋のスープは基本的に飲むものではなく、具を煮るためのものだが、まずは口にしてみてほしい。辛さよりも、様々な香辛料の味と香りが太くひとつにまとまった、揺るぎない風味が舌に広がるのを感じるだろう。

四川と同じ製法の鍋底で、日本の旬の食材を味わう

内臓と肉の盛り合わせ。器も美しい。

また、鍋に入れる食材がいきいきしているのもこの店の魅力。真っ先に鍋にくぐらせてほしいのは、ピカピカの内臓と肉類だ。日によって若干内容は異なるが、本場四川の火鍋に欠かせないセンマイがあるのも気分が上がる。

野菜は大分県のシェフの実家から直送してもらっている。

そして野菜はいつもてんこ盛り。シェフの実家・大分県から直送されたものを中心に、見るからにピンとした旬の野菜は、眺めるだけで元気になれそう。さらに鮮魚は刺身でも食べられるクオリティ。その時々で異なるが、鯛、カサゴ、ヒラメなど、一匹丸ごとブツ切りで出してくれることが多い。

鮮魚はぶつ切りで1匹丸ごとが基本。頭までしっかり食べられる。

2つに仕切られた鍋のもう片方には、ごくごく飲める鶏と豚のコラーゲンスープもスタンバイ。私のおすすめは、内臓、肉、魚は麻辣スープ、じゃがいも以外の野菜はコラーゲンスープで煮る食べ方。つけだれも現地式で、ごま油をベースに調味したものを出してくれる。

「仙ノ孫」の四川火鍋

火鍋の知名度はだいぶ上がったが、まだまだ食べたことがないという人も多いもの。また、「なんちゃって火鍋しか食べたことがない」なんて話も時々聞く。この店なら、初めての人も本物の味わいを体験できるし、リベンジ火鍋の方もきっと納得。満腹も満足も味わえること請け合いだ。

サトタカ(佐藤貴子)

サトタカ(佐藤貴子)

食と旅を中心としたエディター、ライター、コーディネーター。大学卒業後、大手エンタテインメント企業で映像や音楽コンテンツの仕入、映画のPR等を務めた時、担当した映画監督が大の中華好きだったことから中華にハマる。
独立後、中華食材専門商社の小売向ECサイトの立ち上げと運営を通じて中華食材に精通。雑誌、会報誌、ウェブ等で中華に関する執筆多数。中華がわかるウェブマガジン『80C(ハオチー)』ディレクター。さまざまなテーマの中華食事会も企画する。

中国料理 仙ノ孫センノマゴ

中国料理 仙ノ孫

住所:
東京都杉並区西荻北4-4-2
TEL:
03-3390-4808
アクセス:
JR中央線「西荻窪」北口徒歩7分
営業時間:
12:00~14:30(14:00L.O) 18:00~21:30(20:30L.O)
定休日:
月曜日・火曜日 ・水曜日はランチ休み
URL:
http://www.sennomago.com/

更新: 2018年12月5日

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