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編集部が訪れた美味しい名店『足跡レストラン』|& éclé(アンドエクレ)|表参道

一流シェフが手がける表参道の「ネオビストロ」

駅から徒歩3分。まさに「表参道の中心」ともいうべき一等地に『& éclé』はあります。フランス、イタリア、そして日本の星付きレストランで長年腕をふるってきた、総料理長のオリヴィエ・ロドリゲスシェフが挑むのは、一流ガストロノミーの技術と料理をカジュアルに楽しめる「ネオビストロ」という新しいスタイル。店名はフランス語の「éclectique(=折衷的)」から。「さまざまな文化を取り入れた料理を、できるだけ多くの人に届けたい」。オリヴィエシェフの料理人としての志を、随所に感じることができます。

一流フレンチをカジュアルに楽しめるメニュー

何より驚くのがそのリーズナブルな価格でしょう。オリヴィエシェフは、フランスの二ツ星レストラン『ル・シャンテクレール』『レ・ジャルダン・ドゥ・オペラ』、さらにイタリア・三ツ星の『エノテカ・ピンキオーリ』でのキャリアの持ち主。2000年に来日し、05年に『マンダリンオリエンタル東京』の『シグネチャー』のメインシェフに就任後、07年から7年連続で一ツ星を獲得しました。そんな彼が、自身の理想をカタチにするために『& éclé』で繰り広げる「ネオビストロ」という新しいスタイル。価格やサービスはカジュアルに。ディナーコースは4,900円〜、平日ランチセットは1,400円〜、またすべての料理をアラカルトで用意するなど、肩肘張らずに一流の料理を楽しむことができます。

『& éclé』オリヴィエ・ロドリゲスシェフ

ディナーコースの始まりは北海道の秋がつまった冷菜から

北海道の恵みがつまった冷菜は、アラカルトと6,900円のディナーコースで楽しめます。

まずは、新鮮なアワビとボタン海老を使った冷たい前菜、『函館直送アワビとボタン海老 & “キタアカリ”のポテトクリーム with 海水のジュレ』を。テーマは実に明確です。「プチ北海道!」と、笑顔で話すオリヴィエシェフ。すべて函館直送の魚介を使い、北海道の「海」と「土」の大自然を表現しました。「インスピレーションは、旬のボタン海老から。調理直前まで生きているボタン海老は、濃厚な甘みはもちろん、プリプリとした弾力が素晴らしい」。冷水とサフランで冷たいマリネにして香りづけし、北海道産のじゃがいも「キタアカリ」で作ったビシソワーズ風のクリームの上に。ボタン海老とは対照的に、しっとりとやわらかく仕上げたアワビを合わせます。「シルキー」と、オリヴィエシェフが表現するとおり、絹のようななめらかさをも感じさせるアワビ。底に隠れた海水のジュレが、ポテトクリームや魚介の甘みを引き立てます。シャッキリと食感の残る大根がいいアクセントに。

「魚介はすべて、友達のカワムラさんから仕入れています。彼は函館の市場のボスだと思っている(笑)」と、オリヴィエシェフ。『マルヒラ川村水産』は、星付きレストランをはじめ、数々の一流料理人から頼りにされている函館の仲卸。代表・川村淳也さんの目利き力と、地元漁師たちとの信頼関係は確かなものだといいます。ボタン海老を取り入れたのも、川村さんから「すごくいいものがあるよ」と薦められ、そのおいしさに魅了されたから。北海道の秋をギュッと閉じ込めたひと皿です。

オリジナルメニュー「クーリシャス」はランチでもディナーでも

いろいろな料理を楽しめるよう、コースの『クーリシャス』はハーフポーションで提供

オリヴィエシェフが「ネオビストロ」というスタイルの中で掲げる大きなテーマのひとつが、日本の食文化の象徴である「米」へのチャレンジです。その結果生まれたのが、野菜や果物で作るフレンチソース「クーリ」と、スパイスなどを一緒に炊き込んだ米を合わせた新感覚の米料理。シェフはそれを「クーリシャス」と名づけ、アラカルトのほか、ランチ、ディナーのすべてのコースにラインアップしています。

ここで紹介する、鮮やかな緑のブロッコリーのクーリと、黒い米とのコントラストが秀逸な『“黒米”イカスミライス & イカのエスプレットチリとスプラウト with ブロッコリークーリ』はこの秋の新作「クーリシャス」。エスプレットチリ、アンチョビ、ガーリックでイタリア風に仕上げました。米は『針江 のんきぃファーム』の黒米と『古株ファーム』の「みずかがみ」の白米を半分ずつブレンドし、イカスミを加えて炊き込みます。フランス、イタリア、日本……、それぞれを渡り歩いてきたシェフの手により、各文化が見事に融合しています。

ブリのデリケートポワレ & ライム香るトランペット茸 with カリフラワークーリ

各ディナーコース、アラカルトで提供。デコレーションの違いも楽しみになります。

まるでスイーツのように、愛らしくデコレーションされて登場したのはブリのポワレ。もちろんこのブリも、『マルヒラ川村水産』の川村さんが「いいものが入ったよ」と、教えてくれて。「火を入れすぎるとパサつくからね」。ブリはヘーゼルナッツのパウダーをまぶし、火がギリギリに通る程度に低温でしっとりと焼き上げます。ライムと一緒にソテーしたトランペット茸、カリフラワーのクーリを添えて。キュッと爽やかなライムの酸味と香ばしいナッツの香りが、ブリとトランペット茸のリンク役。至るところにちりばめられたテクニックとセンスはやはり本物です。

「喜んでほしいから」。印象的なデコレーションは、同じテーブルのお客さんでも必ず違うデザインを施すというオリヴィエシェフ。そのホスピタリティにも感激します。「25人、全員違うデザインにしたこともあるよ!」。そう語るシェフからは、もてなすことを楽しんでいる様子が伝わってきます。

鴨胸肉のロースト & 赤アンディーブのブレゼ with ペアーレッドワインソース

ディナーコース(5皿で5,900円もしくは6,900円)の中で選べる。ぜひお好みの赤ワインとともに。

メイン料理はプレート全体が美しいピンク色に覆われて登場。その正体は、ジューシーな鴨肉のローストと、蒸し焼きにした赤いアンディーブ、梨と赤ワインのソース、紫さつまいものマッシュ。肉と、それぞれをお好みで合わせながらいただきます。力強い旨みを感じさせるジューシーな鴨肉に、ソースのまろやかな酸味やアンディーブの苦味がメリハリをプラス。トッピングされた生のアンディーブと梨のフレッシュさも、いいリズムを生む立役者です。

コースを締めくくるデセールはスペシャリテの「クレメダンジュ」

クレメダンジュをはじめ、デザートのアラカルトは900円〜。

最後は『& éclé』のスペシャリテ。季節ごとにフルーツを変えながら、約10パターンほどあるという「クレメダンジュ」です。秋は和歌山県産の柿とレモンバームを合わせた「クレメダンジュ & 柿とカカオニブのソテー with レモンバームエッセンス」です。真っ白なクレメダンジュの中に隠れているのは、柿とカカオニブのソテー。ビターなカカオで包まれたとろりと甘い柿が、深まる秋を感じさせるひと皿です。

5つのオリジナルカテゴリーのワイン

ワインには、味の好みで手軽に楽しんでもらうためのアイディアが

「料理に合わせて、ワインもカジュアルに楽しめるように」と、オリヴィエシェフ自身がセレクト。よりわかりやすく手軽に味わってもらうため、赤、白ともに、味と香りによる店独自のカテゴリーを設定。例えば白は「爽やか&シャープ」「フルーティー&陽気」、赤には「まろやか&シルキー」「スパイシー&アロマティック」など。それぞれ5カテゴリーを設け、各カテゴリに4〜5種類のワインをラインアップ。国産ワインも充実しています。

すべての人に最高の味を届ける空間

幅広い人々に料理を届けるための空間づくりも徹底しています。全44席の中には、6席の個室も完備。インテリアにはオリエンタル、モダン、クラシカルと様々なマテリアルを取り合わせることで、『& éclé』の目指す「文化の融合」とカジュアルさを表現しました。「子連れのお客さんもとても多いですよ」。アメリカでは一般的とされる妊婦さんのためのお祝い「ベビーシャワープラン」を用意するなど、あらゆる人を迎える準備は万全です。

「おいしい料理を食べられるチャンスを、みんなに等しく届けたい」という、オリヴィエシェフの理想がカタチになった『& éclé』。一度訪れれば、そのおいしさとホスピタリティーに魅了されることでしょう。

& écléアンドエクレ

& éclé

住所:
東京都港区南青山5-5-4 LUCE南青山2F
TEL:
03-6712-5018
アクセス:
東京メトロ 銀座線・千代田線「表参道駅」より徒歩3分
営業時間:
ランチ/11:30~14:30(L.O.) ディナー/月〜土・祝 18:00~21:00(L.O.)、日・連休最終日18:00~20:00(L.O.)
定休日:
不定休
支払い方法:
クレジットカード可(VISA / MASTER / JCB / AMEX / Diners / セゾン)
URL:
http://and-ecle.com/

写真・安野 敦洋 文・山本 愛理

更新: 2018年11月1日

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