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編集部が訪れた美味しい名店『足跡レストラン』

日本の美を表現する“Nippon キュイジーヌ” 大手町「星のや東京」

編集部の足跡コメント

オフィスビルが立ち並ぶ東京の大手町。ひときわ独特の雰囲気を放つ「星のや東京」があります。外観は江戸小紋をモチーフとした立体的な“麻の葉崩し”というデザイン。モダンな現代建築でありながらも、一歩足を踏み入れると、日本旅館の醸し出す和の空気に包まれています。その地下にある“地層”をイメージした神秘的なレストランの空間には、五感を刺激するまさに美食の世界が広がっていました。

五つの意思

自然が生み出す食材の彩りと日本人ならではの精巧な技術との融合。その繊細な味はもとより、見た目の美しさにも心なごむ一品です。

アミューズでありながらコース仕立てでもあり、この1皿で五味(酸・塩・苦・辛・甘)が表現されています。温かいものは温かいまま、冷たいものは冷たいまま提供するため、料理に合わせて石の温度が変えられています。それを手の平で感じながら、パクっといただく。

左から、大根のピクルスと海苔で”ホウボウ”のタルタルを巻いた「ホウボウと大根のルロー」。大根のピクルスから“酸味”を感じられます。口の中に入れるとプチッと弾け、さわやかな塩味のある「うすいえんどうのスープ」。菜の花バターとつぶ貝の肝のコロッケに、つくしを載せた春満載の「つぶ貝のクロケット」は“苦味”。ニシンの赤ワイン煮を人参で巻いて、ピリッと七味唐辛子のアクセントで“辛味”を演出した「ニシンの赤ワイン煮」。締めくくりの“甘味”は、甘さ控えめの「サクラマスのタルト」。季節の食材や草花を繊細なフレンチの技術で作られたそれは、まさに「自然からの贈り物」でした。

鯛とトマト

なごり雪をイメージした透明感のある大根に、脱水した鯛とサイコロ状に切った長芋のピクルスがふわっとのっています。

皿の中央には、トマトを濾したクリアコンソメに、菜の花オイルを数滴垂らしたドレッシング。鯛とトマトの風味と大根や長芋の食感が合わさり、さっぱりとした味わいです。菜の花の香りに、口の中が春らんまんになりました。

筍と猪

春の味覚の王様、筍。笹の葉をめくると、筍の上に生の黒胡椒とハーブが添えられた猪のラルドの塩漬けが顔を出しました。意外にも、筍と猪の肉は、相性抜群。猪の大好物が筍だからだそうで、筍が生える山にはしばしば猪が荒した跡が残っているのだそう。猪と筍、その相性が悪い訳ありません。浜田統之シェフは、こうした食材のもつ“関わり”も大切にしています。自然の甘みある筍のほっくりとした味わいと、猪の脂身のスライスを一度に愉しめる、なんとも贅沢な一皿です。

サメガレイ

木箱の蓋を開けると、柚子の香りの湯気に包まれてサメガレイのムニエルが登場。心が躍りました。「ヒノキ工芸」の「BENTO」と称される木箱は、 ボキューズ・ドール国際料理コンクールの魚部門の プレゼンテーション で使われ、 この魚料理は、第一位に輝きました。

皿の中央ではなく、端のほうに盛り付けられているのは、川の端を泳ぐ控えめな魚の性格を表現しているのだとか。食材の気持ちになって盛り付けるという浜田シェフのスタンスに、食材への愛を感じます。

早速サメガレイに箸を入れると、皮目はパリッ、身は肉に匹敵するほど脂がたっぷりで軟らか。ムニエルには、酢漬けしたウワミズザクラのベアルネーズソースが添えられています。ジュ・ド・ヴォライユ(鶏の出汁)と金柑のジュレの爽やかさが相まって、舌が唸りました。

ウロコがザラザラしている“サメガレイ”は、その皮を剥がす処理に手間がかかるため、市場にはあまり流通しない魚なのだとか。浜田シェフは、これまで日の目を見なかった魚をメイン料理として使い光をあてることで、付加価値を作りたい、という想いがあるのだそう。

アートのような料理を通して日本の美意識を表現する浜田シェフの「星のや東京」“Nippon キュイジーヌ”。記憶の中に“本当の日本の豊かさ”の余韻を残してくれました。

星のや東京

星のや東京

住所:
東京都千代田区大手町1-9-1
TEL:
0570-073-066(星のや総合予約) ※宿泊予約時に、夕食付プランをお選びください。
URL:
https://hoshinoya.com/tokyo/dining/

更新: 2018年5月23日

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