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食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品| 西麻布|「Crony(クローニー)」春田理宏

グルメシーンを牽引するシェフが、料理を作るうえで欠かせない食材や道具を紹介する連載「シェフの必需品」。今回、必需品を紹介してくれたのは、西麻布のイノベーティブ・フレンチ「Crony(クローニー)」の春田理宏(はるた みちひろ)シェフ。多彩な経験に裏打ちされた独創的な料理の裏側には、チームワークや人との輪という、人間味あふれるものがありました。

訪れた人だけが楽しめるオリジナリティある料理を 「Crony」 春田理宏シェフ

「Crony」は、西麻布の六本木通り沿いのビルの半地下にひっそりと店を構えます。2018・2019年にミシュラン一ツ星を獲得。オーナーシェフを務めるのは、フランス・北欧・アメリカなど、さまざまな国の星付きレストランでキャリアを重ねてきた春田理宏シェフです。見た目だけでは味の想像ができないオリジナリティあふれる料理を、「カンテサンス」の元支配人・小澤一貴(おざわ かずたか)オーナーソムリエがセレクトするワインと共に、モダンな空間で楽しむことができます。

海外での修行中に気付かされた自分のアイデンティティー

春田シェフは大分県の高校の料理科を卒業後、福岡県のホテルレストランを経て、単身フランスへ渡ります。フランスでの約3年間の修業の中で改めて自分が日本人であることを意識するようになり、日本人が日本で作る一流フレンチを学ぶために帰国し、「Quintessence(カンテサンス)」へ。24歳で再び日本を飛び出し、デンマークの「Kadeau(カドー)」、ノルウェーの「Maaemo(マエモ)」等、星付きレストランで研鑽を積みます。北欧から帰国後は、白金台の「Tirpse(ティルプス)」で料理長に。さらに3度目の海外修業でサンフランシスコの「Saison(セゾン)」へ。そして2016年、小澤一貴氏と共に、「Crony」をオープンしました。

さまざまな国の料理技術や文化に触れてきたシェフ。「人生を楽しんでいます(笑)」と、控えめに笑いますが、海外での修業店はすべて自身で食べ歩き、直談判してチームに加わったというエピソードには驚きます。

ゲストも生産者も「Crony」の一員

店名の「Crony」とは、“永続する茶飲み友達”。ずっと一緒にいても心地よく、気兼ねなく会話ができる仲間という意味だそう。「スタッフ、食材を届けてくれる生産者の皆さん、これまでのお客様や新しいお客様、そしてこの店を支えてくれているすべての人と、“クローニー”でありたい」と、春田シェフは語ります。シェフが描くレストラン「Crony」像は、何ヶ月も前から予約をして一張羅を着て行く格式高い店ではなく、友人宅に遊びに行くように気軽に訪れられるレストラン。「美味しい料理を味わいながら、スタッフとコミュニケーションを楽しんだり、店の活気やチームワークを感じたりしてもらって、お客様にも“クローニー”の輪に加わってほしいと思っています」。

「Crony」春田シェフの必需品 サンフランシスコ譲りの天然酵母

そんな春田シェフが一つ目の必需品として見せてくれたのは、瓶に入った真っ白な液体。「パンを焼く時に使う酵母です。料理と同じようにパンにも拘り、“クローニー”でしか食べられないパンをご用意しています。」と春田シェフ。そんな拘りのパンは料理に添えるものとしてではなく、一品の料理としてコースに組み込んでいるという。

この天然酵母は、「Saison」のシェフからプレゼントされたものだそう。一度死んでしまうと二度と同じものはできないため、継ぎ足し継ぎ足し、大切に育てているといいます。「この酵母がなければパンが焼けず、コースが成り立ちません。店を支えてくれているものの一つです。これを分けてくれたシェフも僕にとっては“クローニー”の一人です」。

スタッフこそ、大切な“クローニー”

もう一つの必需品は、「Crony」に携わるすべてのスタッフたちだといいます。「必需“品”と言っていいのか、わかりませんが(笑)」と少し照れ笑いを見せながらも、「スタッフこそ、大切な“クローニー”です」と、力強く語ります。「スタッフみんながハッピーでいられる店でありたいんです。挑戦したいと言ったことはどんなことでも全力で応援するし、困っていれば助けたい。単なる労働力ではなく、『お客様にいいものを届ける』という、共通の理念を持った同志だと思っていますから」。春田シェフが指す“スタッフ”とは、今、この店にいるメンバーだけではありません。ここから独立したメンバー、海外で学びたいと修業に旅立ったメンバーなども含め、「Crony」に関わるすべての人のこと。いいチームワークがあって初めて、お客様にいいものを届けられる。だからこそ春田シェフは、スタッフを何より大切にしているといいます。

次回「足跡レストラン」では、酵母を使ったパン「サワードゥ」や、多彩な経験を活かした独創的なデセールと共に、春田シェフが考える料理の在り方をお伝えします。

Cronyクローニー

Crony

住所:
東京都港区西麻布2-25-24 NISHIAZABU FTビル MB1F
TEL:
03-6712-5085
アクセス:
東京メトロ日比谷線「広尾」駅より徒歩10分
営業時間:
Crony 18:00~20:00(L.O.) / Crony Wine Bar 21:30〜26:00(25:00 L.O.)
定休日:
日曜日を中心に不定休
支払い方法:
クレジットカード可(JCB、AMEX、VISA、MASTER、Diners)

写真・広瀬 美佳 文・山本 愛理

更新: 2019年11月28日

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