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ヴィーガンをもっと楽しく! 「The Burn」米澤文雄シェフによる「ヴィーガン・レシピ」

The Burn

「The Burn」はサスティナブル・グリルレストランをうたい、炭火焼の肉料理が主体であるが、今後は、ヴィーガンコース(6,500円/税込)も設ける予定。また、この4月には中東アクセントで多彩なベジタリアンレストランも広尾にオープン予定だ。

NYの三つ星シェフ、ジャン・ジョルジュ氏営むベジタリアンレストラン「abcV」

ニューヨークで、渋々ベジタリアン料理の店に出かけて驚いた経験がある。三つ星シェフのジャン・ジョルジュがプロデュースする「abcV」である。

100席以上はある客席は満席で、皆大きな声で話し、笑いあって、実に楽しそうに過ごしている。この雰囲気は、日本でイメージをするベジタリアン料理の店とは、まったく印象が違うではないか。

しかもどの料理も一皿の量がしっかりとあり、肉や魚の代用品ではない、野菜の新しいおいしさと驚きに満ちている。おそらく、ここに来ているお客さんの大半が、ベジタリアン主義ではないのかもしれないと思った。

「昨日は肉食べ過ぎっちゃったから、今夜はベジタリアンレストランに行こう」。あるいは、「おしゃれなベジタリアンレストランに行かない?」と、女子を誘ってきたような男子もいる。そんな感じで店を楽しんでいるのだろう。この流れは、間違いなく日本に来ると思った。

「おいしい」から程遠かった、東京のベジタリアン料理

東京にもベジタリアン料理を出すレストランは多くある。だが料理はまだ、ベジタリアン以外の人がお金を払って、わざわざ食べに来ようと思うレベルには達してないようだ。そう考えていた矢先に、肉料理の店「The Burn」で「ケールサラダ」を食べる機会があった。そして、目を見開いた。

今まで食べてきた数多くのケールサラダは、おいしいと思ったことがない。豊富な葉酸は貧血対策となり、カルシウムとビタミンKは骨の健康維持となり、ルテインは目によく、カリウムはむくみ対策に。植物繊維も豊富で、含まれるビタミンA、C、Eはアンチエイジングになるといった、健康にいいから、という理由で仕方なく食べてきたのである。

「まずい」の固定観念を覆す、「The Burn」米澤文雄シェフのケールサラダ

しかし、そのケールサラダはまったく違った。

無農薬ケールは、味も香りも強く硬いため、細く切る。
そして、柑橘のヴィネグレットソースと、スペアミント、生姜、ごぼう、ネギで和えてあるのである。上にはクランチガーニッシュ、ヴィネグレットはオリーブオイルだけだと香りが強いのでグレープシードオイルを混ぜ、オレンジとレモンの搾り汁に粒マスタードとディジョンマスタードを混ぜたという。

これが実に美味しい。毎朝食べたいほど、素晴らしい。

様々な食感や香り、複雑な酸味が入り混じって、飽くことがない。料理とは、人間が心地よいと思う食感にする、人間が嫌う味や香りをなくす、あるいは、弱める。料理とは、食べ物を食べやすくすることであるから、このケールサラダこそ、まさに料理の真髄が詰まっている。

作ったのは、米澤文雄シェフである。彼はNYの「ジャン・ジョルジュ」でスーシェフを務め、その後、日本の「ジャン・ジョルジュ」でシェフ・ド・キュイジーヌを務めた人物である。

米澤シェフの選りすぐりのレシピを集めた料理本「ヴィーガン・レシピ」

その米澤シェフがこの度、ベジタリアンよりもさらに厳しく卵も乳製品も使用しないヴィーガン料理のレシピを集めた「ヴィーガン・レシピ」(柴田書店、3,080円/税込)という本を出された。季節ごとに分かれた、100種近いレシピが掲載されている本である。店では、その中からいくつかの料理をチョイスして、ヴィーガンコースとして出して行く予定だという。

そう聞いちゃあ、食べに行かなくてはいけない。そこで早速、食べに行った。アミューズは、素朴な甘みに心が緩む「ひよこ豆のパネッレ」で、続いて先の「ケールサラダ」が出された。ケールとミントの出合いがよく、上に散らされているごぼう、白ごま、カシューナッツのガーニッシュの香りや食感のアクセントも楽しい。そして、ピリッと舌を刺激する、チポトレパウダーが心憎い。

「ヴィーガン・レシピ」から厳選された「The Burn」でのヴィーガンコース

3皿目は、ヘーゼルナッツパウダーとレモンゼスト(皮)がかけられた「マッシュルームのサラダ」で、豆乳、アーモンド、カシューナッツで作ったというビーガンマヨネーズが、フレッシュなマシュルームの香りを盛り立てている。

4皿目は、シグニチャーディッシュとなる「久松農園の人参ロースト」で、茹でた人参をオレンジジュースなどでマリネしてから1時間じっくりとローストしたのだという。食べれば芋のように甘く、喉に落ちる人参の香りが鼻に抜けていく。甘さが自然で、気持ちが穏やかになる。

アーモンド パプリカ、きゅうり、ニンニク、唐辛子で作った、スペイン料理のロメスコソースが旨みのボリュームを支え、ゆかりのような香りと酸味があるトルコの香辛料スマックのアクセントが、巧みに効いている。

 5皿目は、「石坂舞茸のフリット」である。バリバリと衣を噛んでいくと、香りと旨みが口いっぱいに広がる。衣は米粉に炭酸水と白ゴマを加え、タヒニペースト(ゴマを使った中東の調味料)と香りが華やかな自家製七味をアクセントに添えている。

6皿目はなんと、スパゲッテイミートソースではないか!

食べればまさしく、肉が入っているボロネーゼソースの味わいがする。マッシュルーム、椎茸、人参、ひよこ豆などを一回揚げて、オレガノと混ぜて作ったソースだという。

麺は、香川の「ほんたか」といううどんで、ネチっとした食感がソースとよく絡んで、おいしい。

7皿目は、これもシグニチャーディッシュとなる「カリフラワーのロースト」である。堂々たるカリフラワーをローストし、カルダモン、ジュニパーベリー、エシャロット、ニンニク、コリアンダーシード、クローブの香りを移したオイルで再び加熱した料理である。

添えられるのは中東の辛味調味料である自家製ハリッサ。淡い味の野菜だと思いがちなカリフラワーの偉大なる甘さに、目がくらむ料理である。そしてデザートは、洋梨のメープルロースト。どの料理も味の組み立てが緻密である。

ニューヨークで学んできただけあり、米澤シェフは、中東や南米など、あらゆる食文化をミックスして、おいしさを生む術に長けている。そして何より、主となる野菜に敬意を表し、野菜以上の仕事はぜずに、その味を輝かす。どの皿にもそんな魅力に満ちていた。これは、新しい時代の幕開けである。

マッキー牧元

マッキー牧元

1955年東京出身。㈱味の手帖 取締役編集顧問 タベアルキスト。日本国内、海外を、年間600食ほど食べ歩き、雑誌、テレビなどで食情報を発信。「味の手帖」「朝日新聞WEB」「料理王国」「食楽」他連載多数。三越日本橋街大学講師、日本鍋奉行協会顧問。最新刊は「出世酒場」集英社刊。

The Burn

住所:
東京都港区北青山1-2-3 青山ビルヂングB1F
TEL:
03-6812-9390
アクセス:
東京メトロ銀座線、半蔵門線、都営地下鉄大江戸線「青山一丁目駅」0番出口直結
営業時間:
ランチ 11:30~15:00(14:00 L.O.)、ディナー 17:30~23:00(22:00 L.O.)
定休日:
日曜日・祝日
支払い方法:
各種クレジットカード可
URL:
http://salt-group.jp/shop/theburn/

更新: 2020年1月27日

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