京都老舗「京菓子司 亀屋良長」の春のお菓子|紙採集家・堤信子の「日本の包み紙」
美しい日本の包み紙をこよなく愛するフリーアナウンサーの堤信子さん。新連載「紙採集家・堤信子の『日本の包み紙』」では、堤さんがセレクトした包み紙の美しいギフトをご紹介。堤さんのようにワンランク上の“贈り上手”になってみませんか?
私の春の贈り物の定番「富久福」
富久福 2,700円(税込)
優しい春色のお菓子が並ぶ季節になりました。
今回は、私が大好きな「京菓子司 亀屋良長」の和菓子です。贈り物の季節でもある春には、一目で相手の心をつかむパッケージにしたい……まずは「富久福」。
小さな3段の桐箱に入ったお干菓子詰合せですが、重なると少しずつ大きさが違うのが特徴。京都のテキスタイルブランド「SOU・SOU」の伊勢木綿製の小ぶりの風呂敷に包まれている姿の可愛らしさに、思わず笑みがこぼれます。お干菓子は、紅白の小梅、久寿玉、たねあわせ、松竹梅、松葉で、ずっと眺めていたくなる美しさ。私の春の贈り物の定番です。
桜の時季限定菓子が入った詰め合わせ
春の詰合せ(円山の桜) 2,473円(税込)
「亀屋良長」にはほかにも春のお菓子がたくさんあり、一つに絞りきれない時には、春のお菓子の詰め合わせがオススメ。桜の時季限定のお菓子が2種と、「亀屋良長」を代表するお菓子「鳥羽玉」のセットです。
一つずつ紹介しますね。
まずは、京都の桜の風景を表した「円山の桜」。
桜の花と花びらの型でくり貫いた桜色の白餡の羊羹と、桜の花の塩漬けを入れた餅羊羹入りの、錦玉羹(きんぎょくかん)。お客様にお出しすると必ず歓声が上がるお菓子で、京都の春景色がお菓子でみごとに表現されています。
そして「京半月(桜)」、春の新作です。
こし餡と、宇治抹茶餡を種煎餅ではさんだお菓子で、春の焼印入りなのがなんとも風流です。繊細なお菓子なので、ていねいに個包装されています。そして「京半月」には、桜柄のかけ紙がかけられるのもうれしいところ。この掛け紙のモダンなデザイン、大胆でいいですよね。昨年出演した「マツコの知らない世界」のスタジオにも、私のコレクションとしてディスプレイさせていただきました。
3つ目は、「亀屋良長」の代表銘菓「鳥羽玉」
これは創業より作り続けているお菓子で、波照間島(はてるまじま)産の黒糖を使ったこし餡に、寒天とけしの実をかけたもの。甘いものをちょっと一口いただきたい時に、私はコーヒーのお供にします。
目が離せない、温故知新の名店のチャレンジ
創業1803年の老舗、「亀屋良長」。京都本店の店先から湧き出る「醒ヶ井(さめがい)の水」を用いるなど、和菓子の美味しさを左右する良質な水にもこだわり、厳選した材料でていねいな菓子づくりを続ける一方で、ジャンルを越えたコラボレーションにもどんどん挑戦するなど、いつも目が離せない京菓子屋さんです。新しいお菓子と粋なパッケージ、これからも期待しています。
RECOMMENDER 堤 信子
昭和女子大学、青山学院女子短期大学、法政大学兼任講師、フリーアナウンサー、エッセイスト。福岡県生まれ。福岡県立修猷館高校から青山学院大学経済学部を卒業後、FBSにアナウンサーとして入社、その後フリーに。NTV「ズームインスーパー」TBS「はなまるマーケット」朝の情報番組でレギュラーを長年務めるなど、TV、ラジオ、講演、司会などで幅広く活躍中。 また、エッセイストとして、感謝をテーマにした著書などを始め、WEBや紙面での連載も手がける。さらに、大学では、プレゼン、朗読などのスピーチ各論の授業で、学生たちの伝える力を向上させるべく、教鞭を取っている。近著に『旅鞄いっぱいの京都ふたたび』(実業之日本社)、『旅鞄いっぱいのパリふたたび』(実業之日本社)がある。
亀屋良長 本店
- 住所:
- 京都府京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19
- TEL:
- 075-221-2005
- 営業時間:
- 9:00~18:00(茶房 11:00~17:00)
- 定休日:
- 年中無休(元旦、2日除く)
- URL:
- http://kameya-yoshinaga.com/
更新: 2019年3月1日
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