GIFT

大切な人への贈り物に、ちょっとした手土産に

福岡といえばコレ! 千鳥屋の「チロリアン」|紙採集家・堤信子の「日本の包み紙」

美しい日本の包み紙をこよなく愛するフリーアナウンサーの堤信子さん。新連載「つつみファイル」では、堤さんがセレクトした包み紙の美しいギフトをご紹介。堤さんのようにワンランク上の“贈り上手”になってみませんか?

博多っ子の定番おやつ

今回の「つつみファイル」は、我が故郷・福岡県の老舗菓子店「千鳥屋」の銘菓「チロリアン」と、秋季詰め合わせ「秋菓撰」です。「博多の子供は、チロリアンで育つ」と言っても過言ではない、福岡県を代表するロングセラーのお菓子「チロリアン」。サクッという食感のロールクッキーの中に、ふわっとバターの香り漂うクリームが入っています。私の小学生時代(昭和40年代です)には、ちょっとハイカラなおやつとして、絶大な人気を誇っていました。

「チロリアン」命名のちょっと意外な裏話

チロリアン丸缶(ショート25本入り) 1,350円(税別)

「千鳥屋」さんに改めてお話を伺うと、「チロリアン」が生まれたのは1962年。これはうれしいご縁、なんと同い年でした。当時、洋菓子づくりの修業をしていた先代の原田光博氏が、日本の巻きせんべいの技術をクッキー生地に応用したことが「チロリアン」の始まり。

そして、「チロリアン」というなんともかわいい響きの名前、これはどこから来たのかというと、当時オーストリア政府観光局が、日本でチロル州のPRをやっていたそうで、その時にチロル州のアルプス山脈の写真を見た先々代が、この洋風まきせんべいのイメージにぴったりだと思い、「チロルで生まれたお菓子」という設定にしたとのことです。

そこからがちょっとおもしろいのですが、当時の博多の訛りで、「だぢづでど」は「らりるれろ」と発音されていたことから、「千鳥屋」は「ちろりや」と呼ばれていました。そこで「チロル」「ちろり」と、これまた同店の名物菓子「千鳥饅頭」の餡の「あん」を合わせて、名前が「チロリアン」となったのだそう。中身は餡じゃなくて、クリームなんですけどね(笑)。

そして、そのイメージに合わせて生まれたのが、チロルの民族衣装を着た、これらのキャラクターたち。デザイナーの長尾まもるさんによるデザインです。特に、この丸缶は当時からずっと変わらないもので、子供の頃、よく空になった缶に色鉛筆などを入れていたのが懐かしく思い出されます。

日本画家・立石春美さんによる包み紙

そしてもう一つが、「千鳥屋」を代表するお菓子として誰もが知っている「千鳥饅頭」。純白のこし餡を生地で包んで焼き上げたお饅頭で、同店の伝統として受け継がれてきた「手ごね」製法で作られていることもあり、生地がとっても美味しいのが人気の秘密。

そんな千鳥饅頭をはじめ、和洋の人気のお菓子を詰め合わせた秋季詰め合わせ「秋菓撰」は、これまた昔から変わらない包装紙で包まれています。謡曲の観世流で使われているものがモチーフだそうで、このグラデーションカラーが大変美しい。かけ紙は、佐賀県出身の日本画家・立石春美氏の作品によるもの。季節によって色々と変わるのも、お菓子を買う楽しみの一つです。表と裏の絵柄が違う紙袋も郷愁を誘うデザインで大好きです。

秋季詰め合わせ「秋菓撰 大」 3,420円(税別)

味にうるさい博多っ子に愛され続ける、創業1630年の老舗「千鳥屋」のお菓子、福岡土産としてはもちろん、お取り寄せもできますので、ホームページご覧になってくださいね。ちなみに私は、11月から発売になるというチロリアンのクリスマス期間限定パッケージが気になるので、近々チェックしてみようと思っています。

堤 信子

RECOMMENDER 堤 信子

昭和女子大学、青山学院女子短期大学、法政大学兼任講師、フリーアナウンサー、エッセイスト。福岡県生まれ。福岡県立修猷館高校から青山学院大学経済学部を卒業後、FBSにアナウンサーとして入社、その後フリーに。NTV「ズームインスーパー」TBS「はなまるマーケット」朝の情報番組でレギュラーを長年務めるなど、TV、ラジオ、講演、司会などで幅広く活躍中。 また、エッセイストとして、感謝をテーマにした著書などを始め、WEBや紙面での連載も手がける。さらに、大学では、プレゼン、朗読などのスピーチ各論の授業で、学生たちの伝える力を向上させるべく、教鞭を取っている。近著に『旅鞄いっぱいの京都ふたたび』(実業之日本社)、『旅鞄いっぱいのパリふたたび』(実業之日本社)がある。

千鳥屋

URL:
https://www.chidoriya.co.jp/item/tirolian.html

更新: 2018年10月26日

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