微笑みのヤギのミルクで作る、幸せのチーズ「Y&Co」|美しい日本が生まれる風景

富山県黒部の大自然の中でのびのびとストレスフリーで育ったヤギのミルクで作られる幸せのチーズ。その絶品な味の秘訣とは?

ヤギチーズ専門店「Y&Co」。黒部の山の中腹に広がる「くろべ牧場」の一角で育てられたヤギのミルクで作られるチーズが、グルマンの間で密かな話題となっています。チーズ製造から販売まで任されているのは吉田朋美さん。こんなに若くて美しい女性が酪農に携わっていると知って、まずは驚かされます。吉田さんは、元々音楽の道を歩んできましたが、6年前に「チーズを作る」という家族の夢を叶えるため神奈川から富山へ移住。イタリアで本格的にチーズづくりを学び、現在は3人の従業員と100頭のヤギと暮らしています。

牧場はなだらかな斜面にあり、日当たりがよく、風通しもよい。訪れた日はまだ寒く、ヤギたちはヤギ舎の中にいましたが、そのヤギ舎も大きく切られた窓からたっぷりと日差しが入り、心地よさそうです。

産業動物としてストレスを受けて育つ動物は、人間が近づくと必ず逃げ出します。人を恐れるからだそうです。そして恐れは必ずミルクや肉の味に影響を及ぼします。それに比べて、ここのヤギはどうでしょう。天真爛漫に近寄り、微笑んでいるかのようです。「ペットのように育てています」と、吉田さん。彼女の愛情と黒部の大自然。この2つの愛に囲まれて育つヤギのミルクが美味しくないはずがありません。

さて、チーズのご紹介を。セミハードタイプの「ラ・カプラ」は、通常は1〜2年は要するところ、ここではたった3〜5ヶ月しか熟成されていません。にも関わらずグルタミン酸の味がしっかり。これには吉田さんも理由がわからないそうで「この土地に相性の良い菌がいるのかもしれませんね」。季節限定の「カプリーノさくら」は、桜の花と葉を練りこんであり、チーズの中から桜がふんわりと香ってきます。

ヤギの頭数が増え、理想の熟成庫を確保できた暁には、長期熟成にも挑戦したいという吉田さん。それらはどんな熟成を見せるのか、今からその出来上がりが待ち遠しいです。

ヤギチーズ専門店「Y&Co.」

URL:
http://www.y-kosan.com

文:宮川順子(社団法人MIIKU日本味育協会代表、料理教室主宰)

更新: 2018年6月12日

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