理想の食感を叶える日本の食材|<エネコ・アチャ・アスルメンディ>第2回

スペイン・バスク地方の三つ星レストラン「アスルメンディ」のオーナーシェフ、エネコ・アチェ・アスルメンディさん。地元の食材からインスピレーションを受けることの多いエネコシェフが、日本からわざわざ取り寄せてまでも使用したい食材があります。それはなんと「国光オブラート」製のオブラート。

オブラートは、ジャガイモやサツマイモのデンプンからできる薄いペーパー。口に入れるとすぐに溶けるため、飲み込む力が弱い子供やお年寄りに薬を与える時、かつて日本では、薬をオブラートで包んでいました。そのため、日本人には「オブラート=食材」というイメージはありません。エネコシェフはオブラートの何に魅力を感じたのでしょうか?

「オブラートは、私の自慢の一皿『オマール海老のテクスチャー』で食感に変化をつける重要な役割を果たします。サクッとした軽さを出せるのはオブラートだけ」と、エネコシェフ。似た食材に、小麦粉でできたパートフィロがありますが、それではまだ厚すぎる。1ミリにも満たない驚異的な薄さの日本製のオブラートだからこそ、彼の理想を叶えることができるのです。

調理の仕方は、次の通り。オブラートに刷毛でロブスターの殻から出汁をとったアメリケーヌソースを塗り、パリパリに乾燥させます。その後、油でさっと揚げたオブラートをまだ熱いうちにクルクルと巻きます。撮影中、シェフはカメラマンを近くに呼び寄せ、出来上がったばかりのオブラート製スティックをマイクの近くで折ってみせました。

「サクッ」。こう書くとありきたりに聞こえてしまうのが惜しいくらい、繊細な音を立てるオブラート。ロブスターの香りも立ち上り、食欲が増します。この音も、シェフを魅了しているのかもしれません。

オブラートが世界の美食の舞台で重要な役割を果たすのは、日本人にとってはなんとも不思議なこと。でも、シェフが言うように、オブラートがレストランの厨房でスタンダードな食材になるのも、そう遠くはないのかもしれません。

ENEKO Tokyo

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月曜日(年末年始・土日祝は要問合せ)
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https://eneko.tokyo/

文・FOOD PORT.編集部

更新: 2018年5月22日

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