神と仏のお慈悲が宿る、大分県国東を巡る旅|美しい日本が生まれる風景

南北に長細い島国、日本。国土は狭いけれど、豊かな自然と清い水がそこかしこにある美しい国です。そしてその美しい風景から、日本の美味しいものが育まれています。この連載では、大都会では見られない日本の原風景から生まれる美味しいものを紹介します。

(English page is here.)

温泉だけじゃない、大分県のもう一つの顔

大分県と聞いて何を思い浮かべますか? その答えは十中八九、「温泉」でしょう。日本で一番温泉の数が多い「おんせん県」、大分。近年では海外からも多くの観光客が温泉を目指して訪れています。有名なのは別府や湯布院。でも、大分には温泉とは一味違う魅力を湛えた半島があるのです。そこは大分空港から車ですぐ。神様と仏様が仲よくいらっしゃる、国東半島です。

神社とお寺が習合する稀有な半島、国東

今から遥か昔の奈良時代、お坊さんが修行をするためにやってきたという国東半島。最高峰の両子山から放射線状に延びる谷筋の合間に6つの里があり、神社とお寺が点在しています。その数たるや想像を超える多さ。ちょっと山あいに足を踏み入れれば、苔むした仁王像や野仏もあり、国東半島が神さまと仏さまに護られたパワースポットであることに気がつくはずです。車で効率よく巡るもよし。九州初というロングトレイル「国東半島峯道」で里山の自然や海の絶景をゆっくりと楽しむもよし。国東は、日常をリセットするには最高の場所です。

パワースポットで育まれる、国東の食の魅力

国東での旅をグレードアップするもう一つの要素は、新鮮な海の幸と山の幸。

目と鼻の先に海を挟んで四国と本州を望む国東の海は、たくさんの種類の魚が獲れる好漁場。「くにさき銀たち」と名づけられた新鮮な太刀魚の寿司や、天然のマダコ「くにさき姫だこ」の炊き込みご飯など、ここにきたら“必食”のシーフードが満載。11月からは国東市が熱心にPRする「くにさきオイスター」も欠かせません。

山の幸も盛りだくさん。まずは地元で美味しいと評判の「割烹 太喜」さんへ。ここでの“マスト”は、地元のブランド豚「桜王」のしゃぶしゃぶです。一口食べるごとに感動する肉の甘みと、うっかり鍋に入れすぎても硬くならない肉質は、驚きの一言。地元名産のネギもたっぷり入れて。これら食材を包み込み、もっと美味しくさせるのは、店主の橋本隼さんが長年かけて考案した秘伝の「しょうゆ 琥珀だし」です。

そんな「太喜」さんの美食に合わせたいのは、地元の銘酒「西の関」。「創業1873年は、酒の蔵元としてはまだ若いほうです」と謙遜する五代目の萱島進さんは、蔵の裏に広がる里山を眺めながら、「この辺りは人家も少ないので、山から湧き出てくる清らかな水が生活排水で汚されることなく確保できます」と、酒の味の決め手の一つ、良質の水について語ってくれました。酒蔵に併設されたショップでは、日本酒のほかに様々なグッズも。長年使い込んだ酒造りの道具がアクセントとなったインテリアも見逃せません。

全国トップを誇る椎茸と、これからが楽しみの国東オリーブ

大分県が誇る食材といえば、やっぱり椎茸。全国乾椎茸品評会の団体の部で19年連続優勝という強者生産者の中、クヌギ原木栽培を始めたのは、「山や」の山口勝治・しのぶさんご夫妻。人懐っこい笑みが印象的なお二人に原木椎茸栽培の面白さや難しさを伺ったり、乾椎茸の食べ比べをさせてもらったり。椎茸のふるさとだからこそ知ったり食べたりできる経験は、旅の記憶に深く残ります。

そして最後に訪れたのは、「国東オリーブ」の畑。まだスタートして10年ほどですが、次なる国東の名物を目指して生産者は日々努力を重ねています。まだ量が少ないため、口にするのは至難の技。でも、国東の温暖な気候にも助けられ、きっと近い将来、良質なオリーブが国東から出荷されていくに違いありません。

国東の自然とそこで育まれた文化、食を巡る旅。気になってきたら国東市のホームページを早速クリック。ここで紹介しきれなかった国東をチェックして、次の休暇で早速訪れてみてはいかがでしょう?

写真・広瀬 美佳 文・FOODPORT.編集部

更新: 2018年10月3日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop