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第20回 松橋 美和子さん 人生に寄り添うスイーツを作りたい
東京メトロ新富町駅から徒歩3分の場所に、パティスリー36(ミロク)がオープンしたのは、2013年7月。
ここのオーナーパティシエが、今回ご紹介する松橋美和子さん。
2児のママでありながら、このお店をオープンさせたパワフルな女性です。
そんな松橋さんにコンセプトを伺うと「夢と愛と希望です!!」と迷いがまったくない様子。
店名の36の由来を聞いたところ、
「フランスでは女性の人生には4回の新しい人生がめぐって来るという言い伝えがあるんです。それを、カトル・フォア・ヌフというのですが、ヌフという言葉 は、新しいという意味と数字の9の同音異義を持ちます。カトルは4、その数字を掛け合わせた36という数字を店名につけようと決めました。そうしたら、自 分も36歳だったという偶然にも気が付いたんです(笑)」
とのこと。
今回は、そんな笑顔あふれる松橋さんに、FOODPORT.の2月のテーマでもあるコーヒーを使ったロールケーキを新作として考案していただきました!
ショーケースを覗きこむ子供の姿が大好き
可愛い入口を開けると、まるでヨーロッパにあるようなプチパティスリー。
「毎日同じケーキがあるということはほぼないんですよ。その時その時の気分と、季節にあった素材で作っているんです」
そんなお話を伺っている最中にも、次つぎにお客様が来店。
はじめての訪問の人、お店のファンになっている人、お知り合いの方などなど。
その中には、バギーにのってくるお子様も、自分で飛び込んでくるお子様も。
みんなケーキを見る時の目はとてもキラキラしている。
「これが、今までオーダーいただいたバースデーケーキの数々なんです」
と渡してくれたアルバムをみてこころが幸せになった。
サッカーボール型のケーキ、クルマ型のケーキはもちろん、アイシングのデザインをクッキーに施すものでは、おなかにいる赤ちゃんの超音波をイメージするものまで。
もらった人はどんな素敵な笑顔になっただろうと想像する。
「思い出の一つになってもらえるっていうのはとても幸せですよね」
といっている最中、ドアの窓ごしに可愛い女の子がジッと店内を覗きこんできた。
「あっ、このあいだバースデーケーキお作りした女の子なんです(笑)」
考えて、作って、提供して、食べていただく
パティスリー36はオープンキッチンならぬ、オープン店舗。
収納スペースもないため、見せる収納になっており、材料もすべてオープンだ。
店内には特選カルピス発酵バターが置かれている。
「どの商品にもこのバターは欠かせません(笑)これだけ狭い店舗なので、お客様との距離はとても近くなっています。ただ、その分真摯に向き合っていかなければなりませんね」
つい最近、インフルエンザになってしまったという松橋さん。
お客様から「良くなってよかったわ」「お店が閉まっていて心配だったの」と、声をかけられるシーンをみると、作り手が見えるということの安心感は何にも代えられないのだと実感した。
「地域の方々に愛されながら、夢と愛と希望をスイーツに込めていこうと思います!」
もうすでに、人生に寄り添うパティスリーになり始めているように思う。
|オペラ風ロールケーキ|
<材料>
■生地
・全卵 3個
・卵黄 1個
・グラニュー糖 80g
・薄力粉 60g
・ココアパウダー 10g
・バター 20g
・牛乳 30g
■ガナッシュ
・生クリーム35% 100g
・チョコレート 100g
・バター 30g
■クリーム
・牛乳 200g
・卵黄 2個
・グラニュー糖 45g
・薄力粉 20g
・バター 120g
・コーヒーエッセンス 10g
<RECIPE>
■生地
①全卵と卵黄をボウルに割り入れ、ほぐしたらグラニュー糖を加え、湯煎にかけて40度くらいまで温める。
②バターと牛乳は合わせて湯煎にかけ、溶かしておく。
③①を泡立てていく。キメの細かい泡になり、白っぽくもったりするまで立てる。
④薄力粉とココアパウダーを合わせて振るい、3に雪を降らせる用に加えていく。泡を潰さないように混ぜる。
⑤粉が全部入り、マーブル状の状態でとかしておいたバターと牛乳を加え、混ぜる。この時バター&牛乳に少し生地を混ぜ、それを加えると生地の気泡がつぶれにくい。
⑥わら半紙やパラフィン紙を敷いた鉄板に流し、平らに伸ばしたら180度のオーブンで12分焼く。
⑦竹串を刺して何もついてこなければ出来上がり。
⑧すぐに鉄板から外して網の上で冷ます。
■ガナッシュ
①生クリームを火にかけ、沸騰直前にチョコレートに流し、中心からゆっくり混ぜる。
②熱いうちにバターを加え、よくまぜる。
■クリーム
*バターは室温で柔らかくし、コーヒーエッセンスを加えてポマード状に混ぜる
*薄力粉はふるっておく
①牛乳を鍋に入れ、火にかける。
②卵黄はボウルに入れ、グラニュー糖を加えすり混ぜる。
③鍋から湯気がのぼったら2に薄力粉を加え、ゆっくり混ぜる。
④牛乳が沸いたら卵黄に少しずつ混ぜながら加えていく。
⑤④を鍋に戻し、中火で加熱しながらよく混ぜる。だんだん固くなっていくので頑張って!
⑥混ぜる手を止めた時にクリームの底からからふつふつと気泡が抜けるようになったらボウルに移し、すぐにラップをぴったりとはって氷をあてる。
⑦粗熱が取れたらクリームをほぐし、柔らかくしておいたバターを加え、よく混ぜる。
【仕上げ】
*わら半紙やパラフィン紙の上に生地をのせ、巻いていきます
①焼いておいた生地の端を切り落とし、ガナッシュを伸ばす、その上にクリームを塗る ガナッシュが柔らかい場合は少し冷蔵庫で冷やし固める。
②端っこ1cmを折り込むように持ち上げ、紙を持ち上げるようにして巻いていく。太巻きの要領。
③冷蔵庫で冷やしたら完成!コーティング用チョコレートをかけてもキレイに仕上がります!
松橋 美和子(まつはし みわこ)
埼玉県生まれ。
大学卒業後、ホテルへ就職。
その後渡仏、帰国後レストランパティシエを経て、専門学校講師となる。
2013年7月新富町にパティスリー36をオープン。
現在は、お店を経営しつつ、モデルとしても活躍中。
(2012年より、マドモアゼル所属)
【パティスリー36】
住所:東京都中央区新富2-4-3
TEL:070-5551-7778
更新: 2014年2月26日
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