料理家って日々何かを研究しています!さあ、研究を発表してもらいましょう!
第19回 伴 奈美さん おつまみにもなる、ヴィーガンメニュー!
高円寺駅から徒歩5分、南口商店街を右に折れた先の2階にあるのが、無国籍ヴィーガン食堂「メウノータ」。とても居心地の良いほっこり空間のオーナーは伴奈美さん。
昨年末に上梓した初のレシピ本『無国籍ヴィーガン食堂「メウノータ」の野菜がおいしい!ベジつまみ』(河出書房新社)が好評です。
そのタイトルにあるように、ここのお店が提供するお料理は、動物性のものを全く取り入れず、すべてにおいて100%植物性の食材のみを使用。しかし、味付けはとてもしっかり!
アルコールもついつい進んでしまうおいしさなんですよ。
今回はFOODPORT.の為に新しく考案いただいた「焼き野菜の温サラダ、生姜蜜柑味噌ドレッシング」「ゴボウとキャベツのクリスピー酒粕ナゲット」をご紹介です。
みんなが食べられるメニューを作りたい
伴さんが本格的ヴィーガン料理に出会ったのはニューヨーク。「まだ、日本ではそのようなお店はなく、ヴィーガンという言葉もなんだかストイックなイメージでとらえられていた時季だったと思います。前職の会社の研修 でニューヨークに足を運んだ際に、アメリカの食文化に衝撃を受けました。みんなが自分の食べられないものを主張して、食事をしているということに。そし て、それに対応すべく、お店もベジタリアン向け、ヴィーガン向けといったスタイルが普通に定着をしていましたし、何しろオシャレでおいしいのも当たり前 だったんです」
帰国後は前職の仕事としてヴィーガン料理のメニュー開発にいそしむ。そうした中、伴さんの興味はどんどんヴィーガンに向いていったという。
そして、ついに2010年に独立。
高円寺を場所に選んだのは、ベジ系のお店がなかったのと、住んでいる人々が個性的だったから。
「この物件と出会うまでに2年程度かかっていますね。厨房はプロにお任せしましたが、壁などの内装はなるべく自分たちで手がけました。以外に前のお店の感じをそのまま残した部分もあるんですよ」
と伴さん。
オープン後は、口コミで広がり近隣の方を始め、今では、遠方からの来店も増え、海外の方も多いという。
そもそもヴィーガン料理の魅力は?との問いに、
「様々な食文化の方たちが供に囲んで楽しめる食事という点ですね」
と笑顔の伴さん。
お店が多くの方から愛されるのも納得だ。
野菜に直接ふれる大切さ
伴さんの野菜に対しての愛情はひとしお。自ら足を運んで、一つ一つ野菜の顔を見て購入する。
「確かに八百屋さんにお願いしたり、ネットで買う方が、手間が省けるかも知れませんが、私は直接手に触れて選びたいんです。さらに購入予定以外の野菜を見たりして、“あっ、もうこの野菜が出てきたのね”というような旬も感じることができるので」
今回、料理研究家ラボで紹介するレシピはもちろん、昨年末に出版された『無国籍ヴィーガン食堂「メウノータ」の野菜がおいしい!ベジつまみ』もまさに野菜のオンパレード。
どんな時にアイデアが浮かぶのでしょう。
「食の研究の為、ヴィーガンに限らず様々な料理を外食で食べる事もあります。その際に、このお肉をお豆にしたらおいしいかも、とか。例えば、○○が食べたい!と思ったけど、ある材料はこれだけ。なんとか似たようなものを生み出そうというチャレンジからですね」
そんな思いで日々料理に向き合う伴さんが目指すことは。
「“ごちそうさま”という言葉を言われることが本当にうれしいんです。声を聞けないと不安になってしまいます。そういう意味では、すごくお客様に声をかけていただけるが嬉しいんです。厨房の中でバタバタしていますが、ぜひ気軽に声をかけてください」
実際に口にして、本当に驚いたのが、動物性が全く入らずにこの満足感!!ということ。
頭の片隅にあったヴィーガンはすこし物足りない?というイメージが完全に払しょくされ、さらに伴さんのお肌がきめ細やかで真っ白なのは、このヴィーガン料理が決めてなのかしら、と思った編集部スタッフ。
さっそくレシピ本を片手に自宅でチャレンジです!
|焼き野菜の温サラダ、生姜蜜柑味噌ドレッシング|
<材料>
(3~4名分)
■生姜蜜柑味噌ドレッシング
・蜜柑 2個
・生姜(みじん切り) 10g
・酒 50ml
・西京味噌 60g
・EXVオリーブオイル 大さじ1
■焼き野菜
・じゃがいも(蒸したもの1口大にカット) 中1個
・かぶ(くし切り) 70g( 1個分)
・ブロッコリー(小房に分けたもの) 70g
・人参(5mmの輪切り) 70g(約1/2本分)
・椎茸(軸を取り1/4カット) 2個
・蓮根(5mmに輪切りし、アク抜き) 70g
・長ねぎ(2cmの輪切り) 70g(約1/3本分)
・小松菜(3cmのざく切り) 1株
・青ねぎ(小口切り) 5g
・塩、黒胡椒 適量
<RECIPE>
①生姜蜜柑味噌ドレッシングをつくる。蜜柑は皮の白いワタの部分を取り除きみじん切り、実は1cm角にざく切りにする。
②鍋に①の蜜柑、生姜、酒を入れ中火にかけ、アルコール分が飛んだら弱火にし、西京味噌を加え混ぜひと煮立ちさせる。
③焼き野菜用の野菜をオリーブオイル(分量外)をひいたフライパンで野菜をこんがりと両面焼く。(焼く時に軽く塩、胡椒する。)
④ボールに2のドレッシング、EXVオリーブオイル、3の焼き野菜、青ねぎを入れ、混ぜ合わせたら、器に盛り付け出来上がり。
|ゴボウとキャベツのクリスピー酒粕ナゲット|
<材料>
(5個分)
・キャベツ(千切り) 50g
・ゴボウ(ささがき) 50gbr> ・酒粕 50g
・全粒薄力粉 20g
・塩 小さじ1/3
・コーンフレーク 適量
・揚げ油 適量
<RECIPE>
①コーンフレーク以外の材料をボールに入れ、手で均一に混ぜ合わせる。
②①を5等分にして小判形に丸め、コーンフレークをまぶし、180℃にあたためた油で2分程揚げる。揚がったナゲットに竹串などを刺してみて中まで熱くなっていたら出来上がり。
伴 奈美 (ばん なみ)
東京生まれ。
東京、高円寺のヴィーガン料理レストラン「メウノータ」店主、ベジタリアンメニューコンサルタント。
様々なジャンルのレストランやカフェ、パティスリーで腕を磨き、前職でヴィーガン料理のレシピ開発を多数手がけた後、2010年独立。
2013年『無国籍ヴィーガン食堂「メウノータ」の野菜がおいしい!ベジつまみ』を出版。
高円寺「メウノータ」:meunota.com
レシピ本購入はこちらから :www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309284101/
更新: 2014年1月29日
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