【こだわりの一皿】 バスク地方のあさりごはん「Bar Enrique(バル エンリケ)」|中目黒
人気レストランの思いを「この一皿」の誕生秘話を通して発信します。弊社編集部員が足を運び、ファンになっているお店のみの掲載です。
中目黒から徒歩3分ほど、住宅の立ち並ぶ合間にスペインカラーの看板がお目見え。
日本における、スペインバルの草分け的存在の「バル エンリケ」だ。
カウンター12席とテーブル2卓8席のキュッとまとまったお店は、業界関係者の中では知る人ぞ知る名店。今回ご紹介する、こだわりの一皿はオープン時からの看板メニュー『バスク地方のあさりごはん』。
ユーモアたっぷりのオーナーシェフ、星野伸一さんの話は、あっという間に惹きこまれていく。
カウンターキッチンで調理をしつつ、あさりごはんの誕生秘話が明かされた。
「もともとね、バスク地方のシェフって2日酔いの場合が多い(笑)。
そんな時に、シェフ達が食べる食事は水にニンニクを入れて米を炊き、塩味で完成させるというもの。日本でいうところのおじやかな。それを見ていてね、あっ、ここにあさりを入れたらいいな、と」
なんと、この一皿はバスク地方にはない、星野シェフのオリジナル料理だった。
「作り方は至ってシンプル。ただ、途中に魚介からとった出汁を入れるのですが、ここが当店の秘訣といってもいい。やはり、お客様からレシピをよく聞かれますが、この出汁だけは同じものは作ることができませんからね」
“これでもか”というほど豪快に使われる、あさりは浜名湖産。
冬でも身が細らずプリプリなのだそうだ。
お米は国産。粒が大きいものがよく、さっぱり仕上がるものを選んでいるそう。
全ての素材がバランスよく調和して最高の一皿が完成する。
そして、星野シェフはスペイン料理に対する想いを語ってくれた。
「スペインはね、コンビニはなくてもバルがあるんですよ、どこの街にも。皆がわいわいと集ってワインと料理を楽しむ場所が大切にされているんです。そんなスペインバルの文化を日本にきちんと伝えたいという思いはとても強いです。
まだまだスペインというと、パエリアにイカ墨にアヒージョのイメージしかない人が多いですよ。でも、イタリア料理が今のように浸透する前が同じように『アルデンテって?』という時代がありましたよね。だから、近年のバルブームでスペイン料理もようやくスタートラインです!もっともっとスペイン料理は幅があるんですから」
バル エンリケのお客様はとにかく沢山のワインを飲むという。
やはり、ワインを飲んだ後には、優しい味わいの『バスク地方のあさりごはん』はかかせない。
シェフ 星野伸一さん
群馬県桐生市出身
幼少時から、将来の夢は『コックさんになること』。
料理人としてのスタートは、フレンチから。
その後様々な出会いの中で、スペイン料理へとたどり着き、スペインレストランで10年勤務後独立。
当時はまだ珍しいバルのスタイルで東北沢の住宅街にオープン。
12年を経て、中目黒へ移転し5年。
将来は、6席ほどの小さなバルで腕をふるいたいとのこと。
Bar Enriqueバル エンリケ
- 住所:
- 東京都目黒区上目黒2-10-4
- TEL:
- 03-3791-3023
- URL:
- http://www.bar-enrique.jp
更新: 2014年8月6日
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