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編集部が訪れた美味しい名店『足跡レストラン』|Ode|広尾

編集部の足跡コメント

地下鉄日比谷線広尾駅より徒歩5分。フランス語で”抒情詩”を意味する「Ode(オード)」と名付けられたフレンチレストランは、一見マンションのような小さなビルの2階にあります。イメージカラーはグレー。重厚な扉の前に立てば、たちまち惹き込まれる「グレーの世界」。無機質な中にもふしぶしに和の要素を感じる空間でいただけるのは、想像力や探究心を駆り立てられる料理の数々。半個室もあり、プライベートな時間をゆったりと過ごすことができます。

グレーの皿

その皿を目にした瞬間は、やや戸惑いすら覚えるほど。使われている食材もその味も、全く想像ができない、グレー一色の姿で登場するのが、生井祐介シェフのスペシャリテ「グレーの皿」。重厚に見えて繊細さをも感じさせるビジュアルにまたたく間に魅了され、この後にどんな驚きが待っているのだろうと想像力がめぐり始めます。

「食材は無駄にせず、まるごと使いたい」と力強く話す生井シェフ。このスペシャリテにはまるごとの鰯が余すことなく使われます。表面を覆うのは鰯のアラで作ったメレンゲ。そっと崩していくと、鰯の身のマリネ、ローストレモンで作った鮮やかな黄色いソース、そして真っ赤な尾崎牛がグレー一色の中から現れ、一気に存在感を放ちだす食材たちに思わず心を奪われます。

「見た目が華やかなものは誰だってできるし、味の想像もしやすい。余分な情報をできるだけそぎ落とすことで、料理そのものに全神経を集中させて感じとってほしい」

だからこそ「食感」「香り」「すべてを同時に口にしたときのバランス」を常に意識しているという。あえて無機質な見た目に仕上げることで、鮮やかな色味、サクサクとしたメレンゲや脂ののった鰯や肉の軟らかな食感、ほのかに香るレモンの香り……、それらが最大限に感じられる仕掛けに。ひとつひとつの要素が料理全体に立体感を生み出し、調和する瞬間です。

新玉ねぎと鰹

新玉ねぎが旬の時季だけにいただけるシーズナルメニューのひとつ。「オード」では、食材はすべて顔の見える生産者から仕入れます。この日は淡路島産の新玉ねぎを使って。ここでもやはり印象的なのは食感と香り。食感の変化や香りのアクセントは「料理のリズムを変える」と生井シェフは声を弾ませます。

新玉ねぎは3種類の調理法でその変化を表現。岩塩で包んでローストした玉ねぎからとったジュースの上に、富士酢を使ったマリネ、フリットをのせ、焦がし玉ねぎのパウダーをひとふり。卵黄のソースをまとった香ばしいわら焼きの鰹と、それぞれの玉ねぎが合わさったときに見せる表情の違いにも驚かされます。たったひとつの玉ねぎから、さまざまなリズムが見事に生み出された一皿です。

ソラマメとハーブ

昆布と一緒に炊いた自家製のシュークルートの上にちりばめられているのは、サッと煮込んだ旬の豆と野菜。ソラマメ・スナップエンドウ・いんげん・アスパラなど、鮮やかなグリーンが印象的です。アクセントには自家製マスタードを忍ばせて。仕上げにトマトのクリアウォーターとソラマメのピューレで作った温かいソースをかけていただきます。

表面を飾るのは8種類ものハーブ。ディル・コリアンダー・セルフィーユにミント……、ハーブにも豆にも、一口すくう度に、違った食感・香りを感じることができる、これがシェフの言うリズムの変化。

農家さんからいただいた旬の食材を無駄なく使うため、「オード」ではさまざまな自家製調味料を仕込んでいます。「非常に手間はかかりますが、自分で作ることで自分の作りたい味に仕上げることができる。調味料自体も、それを使った料理も」。シュークル―トやマスタードも自家製だからこそ、思い描いた通りのバランスを生み出せるのです。

かつて音楽を志していたシェフが、皿の上、そしてこの空間全体で詠う “ode(抒情詩)”。リズムの変化、さまざまな食材が合わさって生まれる調和を、全身で感じられるはずです。

Odeオード

Ode

住所:
東京都渋谷区広尾5-1-32 ST広尾2F
TEL:
03-6447-7480
営業時間:
12:00~13:00(last entry)、18:00~21:00(last entry)
定休日:
日曜日
URL:
http://restaurant-ode.com/

更新: 2018年6月20日

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