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食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品|大手町|「星のや東京」浜田統之~後編~

グルメシーンを牽引するシェフが、料理を作るうえで欠かせない食材や、道具を紹介する連載「シェフの必需品」。今回は「星のや東京」の料理長・浜田統之シェフ。浜田シェフは、「星のや東京」が世界に発信している「Nipponキュイジーヌ」にて、日本の天然食材を使用したコース料理を提供しています。日本ならではの技術や食材に支えられた、浜田シェフのフレンチについて伺いました。

サスエ前田魚店×浜田統之シェフ

「他の魚屋とは別格です。店のドアを開けた瞬間に『今日は良い魚がいる。良い魚の匂いがする』と、香りで言い当てることができた時は驚きました(笑)」と、目を輝かせる浜田統之シェフ。

サスエ前田魚店・前田尚毅さんの五感を駆使して選ぶ魚は、他では入手できないと、多くの料理人から信頼を得ています。前田さんは毎日魚を下ろして食べて、どこの海域で何を食べている魚か、内臓までチェックしているのだそう。また、“良い魚”を送っているだけではなく、“良い状態”にして浜田シェフの元へ送っているとのこと。その一例が“脱水”。魚を下ろしたあとに余分な水分を魚から抜く技術で、劣化や腐敗を防ぐだけでなく、このことにより魚の味や食感がぐんと良くなるのだとか。

「魚だけのコース料理をやりたい」と言った浜田シェフに、「できるっしょ」と応えた前田さんの頼もしい一言。これがきっかけで、魚を中心としたコース料理を手掛けるようになったといいます。

陶芸家・青木良太×浜田統之シェフ

浜田シェフの料理の多くは、陶芸家・青木良太さんの食器によって引き立てられます。

「彼の作品を初めて見た時、『これしかない!』と思いました」

職人気質の2人は意気投合し、今では高みを目指す盟友であり、ライバルだと浜田シェフは語ります。

「ダイニングのオープンに合わせて青木さんとコンセプトを練りました。お店が地下にあるので、地中から掘り起こしたような質感の和食器を、オリジナルで作っていただいています」

青木さんは年間約1500種類の釉薬の研究を通じて、金、銀、プラチナ等、陶芸では通常扱うことのない素材を使用し、難しい技法で誰も見たことのない美しい作品を生み続けています。

食材や自然からインスピレーションを受けるという浜田シェフにとって、食材を最大限にひき立てる青木さんのシンプルな器が、とてもしっくりとくるのだそう。なかでもシックで存在感のある「黄瀬戸」は、陶芸を知る誰もが一目置く、青木さん渾身の作品。青木さんの食器に盛られた食材たちが、まるで喜んでいるように見えるのが不思議です。

龍泉刃物×ヒノキ工芸×浜田統之シェフ

 2011年、浜田シェフは世界最高峰のフランス料理コンクール「ボキューズ・ドール2013年」に向け、食材の旨みや繊細で美しい形を崩すことのない、料理を活かすステーキナイフを探し求めていました。そこでメイドインジャパンの魅力を世界に向けて発信していた「龍泉刃物」に注目。ボキューズ・ドールでは、日本人初の銅メダルを獲得。コンクールで紹介・使用されたステーキナイフ「アシンメトリーSK01」は、あまりの切れ味の良さに24か国の審査員の半数が持ち帰ってしまったほどの人気でした。

星のや東京では、持ち手に「ヒノキ工芸」の本煤竹(ほんすすだけ)を使用し、日本の伝統工芸のコラボレーションから生まれた「星のや東京」オリジナルカトラリーを完成させました。

職人気質でまっすぐな人柄の浜田シェフ。そんな彼だからこそ、様々なジャンルのクリエイターに慕われ、質が高くて素晴らしい日本の食材や伝統、技術を世界に発信していけるのでしょう。

その確かな技術と日本らしさが織りなす日仏料理の融合を、5月23日に配信される「足跡レストラン」で紹介します。

星のや東京

星のや東京

住所:
東京都千代田区大手町1-9-1
TEL:
0570-073-066(星のや総合予約) ※宿泊予約時に、夕食付プランをお選びください。
URL:
https://hoshinoya.com/tokyo/dining/

更新: 2018年5月11日

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