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食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品|大手町|「星のや東京」浜田統之~前編~

グルメシーンを牽引するシェフが、料理を作るうえで欠かせない食材や、道具を紹介する連載「シェフの必需品」。今回は「星のや東京」の料理長・浜田統之シェフ。浜田シェフは、「星のや東京」が世界に発信している「Nipponキュイジーヌ」にて、日本の天然食材を使用したコース料理を提供しています。日本ならではの技術や食材に支えられた、浜田シェフのフレンチについて伺いました。

自然から受けたインスピレーションを料理に

浜田シェフの代表料理「五つの意思」。丸い石の上には、色鮮やかな宝石のように輝く、小さな前菜が5つ、並べられています。繊細で芸術的なその佇まいは、一体どこからくるのでしょうか。「美術館とかは退屈しちゃうんですよ」と照れながら、「芸術家のフィルターを通したものに影響を受けるのではなく、“自然”からダイレクトに受けたインスピレーションを、“僕自身”が感じ、それを料理で表現したいんです。なぜなら、“自然”の美しさは理に適っているものしかないから」と語る浜田シェフ。彼が手掛ける料理の1つ1つには、食材の持つ色とりどりの自然の美しさが見事に表現されています。

日本人初! 史上最年少でボキューズ・ドール賞の銅メダル獲得

「銅メダルは、僕の力だけによるものではありません。食材だけでなく、大会で使用した食器やカトラリーなど、すべての生産者のおかげです。それに『ボキューズ・ドールで銅メダル』とよく取り上げられるけど、実際は何度もコンクールに出場しては若い子たちに負けて、その繰り返しだったんですよ(笑)」と、浜田シェフはどこまでも謙虚です。

もとはイタリアンシェフであった浜田シェフには、路線変更した経歴があります。フレンチの美しさに魅了されたからです。「同世代のフレンチシェフよりスタートが遅い分、追いつこうと必死でした。他のシェフが『10やった』と聞いたら、僕は『2やった』と言って、本当は15やりました」。浜田シェフの負けず嫌いで努力家、料理に対するひたむきな想い、そして謙虚な人柄が周囲の心を動かし、日本人初、史上最年少で銅メダルという結果に結びついたのではないでしょうか。

制限のなかで食材を活かし、洗練させる

「寿司屋で肉を食べたいと思います? 魚ばかりの寿司屋がOKなら、魚中心のフレンチも可能だと思いました」。“天然食材”にこだわる浜田シェフは、天然魚、山菜、キノコ、木の実、肉はジビエをセレクト。シェフ自らが生産者の元へ出向き、市場に頼らず信頼できる仕入先と取り引きしています。

浜田シェフによると「天然の食材には、養殖や畜産の食材にはない“波動”が感じられます。僕たちの産まれたルーツを考えると、縄文時代に遡れると思うのですが、そのころから日本にある天然の食材こそが“本当の日本の食材”なのではと考えています」。縄文人は、植物採集、狩猟、漁撈の3つの活動によって、食物を調達していました。

「死ぬまでになんとか昔の人を超えられるような料理を生み出したい。これはもう仕事っていう感覚じゃないですね(笑)。“遊び”のような感覚で仕事しているときが、一番楽しいです。どのように世界中を巻き込んで日本の食材に注目させようかと、いつもワクワクしながら考えています」。日本独自の技術とフランス料理の技法を組み合わせ、日本の食材で繊細な料理をする浜田シェフ。後編では、ボキューズ・ドールでも活躍した、シェフの必需品について紹介します。

星のや東京

星のや東京

住所:
東京都千代田区大手町1-9-1
TEL:
0570-073-066(星のや総合予約)
※宿泊予約時に、夕食付プランをお選びください。
URL:
https://hoshinoya.com/tokyo/dining/

更新: 2018年5月3日

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