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食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品|広尾「81(エイティワン)」永島 健志~前編~

東京のグルメシーンを索引するシェフにとって、料理を作る上で欠かせない道具や食材をご紹介していただくコーナー「シェフの必需品」。13回目の今回は、広尾にあるレストラン「81」の永島 健志シェフです。アートの世界を料理で実現する、他では体験できない魅力的なコースを味わうことができます。必需品をうかがう前に、料理人を目指したきっかけや、修行時代のお話などについて伺いました。

広尾駅から徒歩8分ほど歩いたところにあるコートヤードHIROOの2階に「81」はあります。外観はマンションの扉のようで、扉を開くと受付スペースが。そこから中に入ると、黒でまとめられたスタイリッシュかつクールな空間が広がっていました。

高校卒業後、偶然にも自衛隊の調理室で料理人としてのキャリアをスタートさせた永島シェフ。その後、外苑前にあるイタリアンレストラン「サバティーニ」や、3ツ星の世界No.1を5回獲得した「エル・ブリ」を経験し、2012年に「81(エイティワン)」をオープンしました。

「自分のお店を持つまではずっとクラシックなイタリアンで修行をしてました。イタリアのローマでの経験も。勉強になることもたくさんありましたが、僕のアイデンティティはイタリアにはないということも実感しましたね。イタリアの文化では...歴史では...という文脈で料理が語られるのですが、僕イタリア人ではないしなと。そもそも何がやりたかったのかと振り返ったときに、アーティストや表現者をやりたかったんだと思い返しました。アーティストと料理は同じ文脈で並べられると思っているので、じゃあ世界で一番行きたいお店で修行しようと思って踏み入れたのが『エル・ブリ』です。」

永島さんは「エル・ブリ」での経験を通し、今までの考え方が覆されたとおっしゃいます。

「一番強く感じたのは『料理は自由でいいんだ』という点です。エル・ブリは当時世界一を毎年競っているようなお店でしたが、チームが本当に自由に仕事をしていました。"こうでなければ・こうあるべき"というルールが多いこの業界で、その根本から一回考えてみようという思考がすごく多い。『クリエイションというのは真似することじゃない』とシェフは口癖のように言っていて、考えることを徹底的にやった半年間でした。色々と今までやってきたものが概念の中で壊れていくし、自由であることってすごくしんどいんだなっていうのは思いましたけど。実は、こうしてほしいと言ってくれる方が楽なんですよね。81も最初イタリアンとかスペインとか○○料理ですとは言わずにやっていたので、看板がないのはしんどい。でもその先にしか僕は未来がないと思っているので、そういうことを考えるきっかけになったのが『エル・ブリ』でした。」

また、「サバティーニ」では、レストランというものがなにかを一から教わり、それが今でも生きているとのこと。

「東京で働いた最初で最後のお店が『サバティーニ』で、入って2年間はホールスタッフをやっていました。最初は少し嫌だったんですけど、その経験がなければ今の81のスタイルはきっとなかった。ホールでの仕事を通して、ゲストが喜んでいる姿を見れることの楽しさや業務の大切さを知ったんですよね。だから自然と81でもゲストに対してフィルターをかけずに最短距離で向き合いと考えるようになったんだと思います。話上手な訳ではありませんが、ひとつひとつの料理をどういう思いで作ったのか、そのリアルと熱がゲストに伝わっていれば。」

このようにすべての経験が今の永島シェフ、チーム、そして81へとつながっています。

さて、そんな永島シェフの必需品はというと。「包丁」、「グラス」、「DJセット」、「器」の4つ。それぞれのアイテムに込められた想いを次回たっぷりとご紹介いたします。

81エイティーワン

81

住所:
東京都港区西麻布4-21-2
コートヤードHIROO 2階
TEL:
080-4067-0081
営業時間:
平日・土 18:00~/21:00~【完全予約制】
定休日:
日・祝日(加えて不定休あり)

更新: 2018年1月30日

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