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食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品|京橋「京橋 もと」鈴木隆之・上野智紀 ~後編~

東京のグルメシーンを牽引するシェフにとって、料理を作る上で欠かせない道具や食材をご紹介していただくコーナー「シェフの必需品」。前回は京橋にある和食料理店「京橋もと」の上野智紀料理長と鈴木隆之店主に、料理と向き合うにあたっての考え方を語っていただきました。それを踏まえて、今回はお二人の必需品をご紹介します!

前回「料理はエンターテインメント」と語って下さった上野料理長(左)と鈴木店主(右)。

そうおっしゃるだけに料理の食材だけでなく、料理を構成する隅々にまでこだわりを持っていらっしゃいます。本日は、その中でも特に思い入れのある3つの品をご紹介。

「器」

和食は目で食べると言われるほど、その盛り付けや器が重要なことは皆さんもご存知の通り。

「料理にとって器は洋服だと思っています。器が変わると、料理の表情が変わるんですよね。逆にすごく素敵な器を発見すると、この皿に料理をのせたい!と思うこともありますよ。」

上野料理長に今回ご紹介頂いた器は3つ。

左から、アフリカなど修行され躍動感あふれる作風が高く評価されている池田麻人さんの作品。愛媛県松山市の砥部焼ですが、繊細で柔らかな曲線が特徴的な器はどんな料理もエレガントに見せてくれます。

真ん中は大阪府出身で、独特の深い色合いが印象的な岡崎慧佑さんの作品。高級感のある質感が、それぞれのお料理を引き立ててくれます。

そして栃木県益子町にて「焼き締め」と呼ばれる釉薬を使わない器を制作している竹下鹿丸さんの作品。益子の土が本来持っている魅力を十分に引き出した器は、食材本来の味わいも引き出してくれそうです。

これらの器は上野料理長自身が実際に作品を見に行って選んだり、サイズだけをオーダーして作家さんとお話をしながら決めることもあるとのことです。

ドイツ産「A.B.Bマスタード」

次にご紹介するのは、ドイツ産のA.B.Bマスタード。

アルトシュタットにあるドイツのマスタードメーカー「レーヴェンゼンフ」のA.B.Bマスタード。ゴッホが愛したとも言われるドイツで最も古いマスタードなのだとか。

「このマスタードは肉との相性がとても良いんです。辛味と酸味のバランスがピッタリなんですよね。トンカツやシュウマイ、豚や猪などのジビエにも合いますよ!」

和食料理店ではありますが、型にとらわれない料理を提供している上野料理長。

他にもバルサミコ酢やグレープシードオイルなど、和食ではあまり使わない調味料にも挑戦し、料理の幅を広げているそう。「和食にこだわるのではなく、美味しいものにこだわる」。そんな考えをお持ちだからこそ、以前には鱧しゃぶトムヤムクンなんかも作ったことがあるのだそう。編集部一同も、とても気になります(笑)。

「日本酒」

最後にご紹介するのは、鈴木店主が選ぶ日本酒。その中でもこだわりの1本を選んで頂きました。

こちらは「19純米生酒poco a poco」。長野県の尾澤酒造場さんが造られており、全国でも20軒程の酒販店にしか卸されない希少酒。

ラベルに描かれているブレーメンの音楽隊の絵は、幾多の苦難を乗り越えて日本酒を造っている蔵元とブレーメンの話が重なるところからきています。また記載されている「19」の数字は、20歳になる前、それは未成年の半人前であること。そして「poco a poco」とはイタリア語で「ちょっとずつ、ゆっくりと」という意味。つまりは常に謙虚でありたい、努力を惜しまずに一歩一歩続けていきたいという蔵元の方々のひたむきな思いが込められています。

「日本酒の味だけでなく、その日本酒の裏にあるストーリーや思いを伝えることを大切にしています。」

そう語る鈴木店主は日本中にある多くの酒蔵へ足を運び、どんな杜氏さんが造っているのか、どんな場所で日本酒が造られているのか、それを見て・聞いて・感じて仕入れていらっしゃいます。

約80種類置いてあるという日本酒は、お料理はもちろんのこと季節や食材と合わせているそうなので、伺う度に学びが得られそうですね。

以上の3つが「京橋もと」上野料理長と鈴木店主の必需品。

ひとつのコースを提供するために、料理だけではないたくさんのこだわりがあることを感じて頂けたはず。今回のインタビューでは「和食」を軸に、お二人からたくさんの新しい世界を教えて頂きました。

京橋 もとキョウバシ モト

京橋にある和食料理店「京橋もと」の鈴木店主、上野料理長に、シェフの必需品を伺いました。こだわり満載の必需品からは目が離せません。

京橋 もと

住所:
東京都中央区京橋2-6-13
イーストビル1F
TEL:
03-3567-7888

更新: 2017年9月30日

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