PEOPLE

食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品|京橋「京橋 もと」鈴木隆之・上野智紀 ~前編~

東京のグルメシーンを索引するシェフにとって、料理を作る上で欠かせない道具や食材をご紹介していただくコーナー「シェフの必需品」。9回目の今回は、京橋にある和食料理店「京橋もと」の上野智紀料理長と鈴木隆之店主です。昨年6月に新橋から移転し、和食と日本酒のマリアージュが愉しめるこちらのお店。必需品をうかがう前に、お二人の料理に対する想いや考え方について、お話をしていただきました。

京橋「京橋 もと」

京橋駅から徒歩2分、裏路地の一角に和食料理店「京橋もと」があります。こちらのお店は飲食店も多く賑やかな街”新橋”から、東京の風情ある大人の街”京橋”に移転し1年余りが立ちました。新橋時代から予約がとれない店と評判のこちらのお店は、料理長の上野智紀さん、日本酒を担当する鈴木隆之さんのお二人が新橋時代から創り上げた名店です。

「幼いころからものづくりが大好きでした」。そう笑顔を見せる上野料理長のお父様が大工さんとのことで、物心がついた時からものづくりに興味があったそう。学生時代は工業高校に通っていたものの、卒業後は料理人の道へ。

「月曜日から土曜日は和食店で、日曜日はフレンチやイタリアンでの修行と、様々なジャンルの料理を学びました。」そんな上野料理長が一番影響を受けたのは、福岡にある創作和食料理店。

 

「そちらの店主はもともと建築会社の社長で、58歳から料理を始めた方だったんです。1年修行して59歳で夢だった自分のお店をオープン。『人生を熱く生きろ。』と店主に言われましたが、それを体現した方でしたね。生き方だけでなく、料理も自分らしさにあふれていて。和食の型にはめられない創作的な料理を初めて体験して、なんて狭い世界にいたんだろう、と価値観がガラリと変わりました。」

そう語るように上野料理長は”和食”というジャンルを軸にしながらも、調理法や調味料など様々な方法を研究し、常に美味しいを追求しています。仕事をしていなくても常に料理のことを考え、思いついたことはどんどんと実験をしているそう。楽しそうに料理をしている姿から、料理が好きで堪らない!ということがカウンター越しに伝わってきます。

そんな上野料理長が福岡での修行を経て自分らしい和食を創っていきたい、そう考えていたところに「京橋もと」の前身である「新橋もと」で、利き酒師の鈴木店主と出会います。

料理+日本酒、両方合わせて100点のお店を目指したい

「料理は美味しい店、お酒は美味しい店、ではなくて両方美味しい店が、やっぱりいいお店。何度も行きたいお店だと思うんです。」

上野料理長の料理に、全てのお酒を合わせるのが鈴木隆之店主。

「もちろん基本的には料理に寄り添うお酒を選びます。ただ同じお料理でもお客様の好みや体調に合わせて、一番合っているものをお出ししていますね。それに上野料理長の料理は毎日違うので、私も毎日同じ日本酒を出せないんです(笑)。」

「料理はエンターテインメント」と語る鈴木店主のサービスは、まさにエンターテインメントそのもの。美味しいお酒を選ぶだけでなく、そのお酒の裏にあるストーリーを語ってくれます。

「ただ美味しいだけじゃなく、楽しさや学び、発見…そういうお店を目指しています。少しでもお客様が日本酒に興味を持ってもらい、また別の場所で日本酒のうんちくを披露してもらえたら感無量です。そしてまたこちらに来て頂ければ、嬉しいですね。」

店内に並ぶ日本酒について伺うと、作り手の苦労や想い、歴史。飲み方や合う料理など、どんな質問にも丁寧に答えてくれます。日本酒好きはもちろん、日本酒初心者でも楽しめること間違いありません。

和食の範疇にとらわれず自分らしさを表現し続ける上野料理長と、お客様に寄り添い日本酒への愛情がいっぱいの鈴木店主。お二人が阿吽の呼吸で創り上げる「京橋もと」は、次に行く時はどんな料理とどんなお酒が愉しめるんだろう、と帰る前から次の訪問が楽しみになるお店。

そんなお二人が大切にしている必需品は、「器」「日本酒」「マスタード」の3つ。それぞれの品の裏にあるストーリーを次回ご紹介します。

京橋 もとキョウバシ モト

京橋 もと

住所:
東京都中央区京橋2-6-13
イーストビル1F
TEL:
03-3567-7888

更新: 2017年9月23日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop