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食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品|代々木八幡「Ardoak(アルドアック)」 酒井涼 ~前編~

東京のグルメシーンを索引するシェフにとって、料理を作る上で欠かせない道具や食材をご紹介していただくコーナー「シェフの必需品」。6人目のシェフは代々木八幡にあるスペイン料理「Ardoak(アルドアック)の酒井涼さんです。2012年6月にオープンし、アラカルトではなくコースのみで提供する、スペイン料理を存分に堪能することができるレストラン。そんな酒井さんは、どのような料理人なのでしょうか?必需品をうかがう前に、彼の料理に対する考え方について、お話をしていただきました。

代々木八幡「Ardoak(アルドアック)」

代々木八幡駅から南口を出て右に進み、山手通りの下をくぐって左折します。そのまま道なりに進むと左側にマンションが。1階には沖縄料理「うぶすな」、隣には和食「晴れ間」があり、マンションの2階が「Ardoak(アルドアック)」になります。まさに隠れ家という言葉がぴったりの、知る人ぞ知る場所。オーナーシェフの酒井さんは、渋谷のスペイン料理店「サン・イシドロ」にて8年シェフを務めた後、牛込神楽坂にある「バルマコ」を立ち上げから1年手伝い、現在のお店を開業されました。そもそもスペイン料理に興味をもったきっかけは何だったのでしょうか?

酒井涼さんは、アパレル業界で1年ほど働いた後、渋谷のスペイン料理店「サン・イシドロ」、牛込神楽坂「バルマコ」にて経験を積み、独立をして「Ardoak(アルドアック)」をスタートさせました。

「スペインでの修行はやっていないのですが、サン・イシドロにいた頃はまだスペイン料理が今以上に認知されていませんでした。バルはなくてレストランばかり。当時はスペインの郷土料理のレストランが都内に20店舗ほどあって、そのひとつがサン・イシドロでしたね」。
オーナーの方は、スペイン人以上にスペインを色々と研究していたのこと。スペイン人は自分の生まれた故郷が大好きで、他の地方の料理は興味がなく、料理自体知らないことも多いのだとか。

「スペインは地方によって特色があります。またそれだけではなくて、宗教の問題なども絡んでくるので、食べられるもの・食べられないものが異なってて、そういった事柄が郷土料理に表れています。使うスパイスも変わりますし、今でもその名残りはあるので、そうした部分はサン・イシドロのオーナーには意識をした方がいいと教えてもらいました」。

その後、牛込神楽坂「バルマコ」の立ち上げ経験では、“バル”と“レストラン”の違いを体感したとのこと。

「サン・イシドロはクローズドキッチンだったのですが、バルマコはバルの形態。独立を考えていた当初はバルをやりたいと思っていたので、バルマコでバルの楽しさを味わうことはできたのですが、スペイン料理を知ってもらったり、味わってもらおうとなるとバルは難しいというのがわかったんです。やっぱり1品1杯で帰られるお客様が多くて。なので、そこからコンセプトを練り直して、スペイン料理をしっかりと味わってもらうコースだけに限定をしてオープンすることにしました」。

日本とスペインではバルの役割が全く違い、日本はバルでもパエリアなどの食事メニューを置いて料理も楽しめるような形態が多いですが、スペインではお酒を飲む場所として考えられているため、ちゃんとした食事をしたいときはレストランと使い分けがしっかり区別されているのだそうです。

現在「Ardoak」にて提供しているディナーメニューのコースは2種類。スペインの17の地方から選んだ郷土料理が3ヶ月ごとに入れ替わる『Tradicional』と、郷土料理を元に日本の食材を加えながら少しテイストをかろやかにした『Drgustacion』。8月の『Tradicional』はバレンシア地方の料理です。

酒井さん1人でお店を営業されているということもあり、完全予約制になっています。

「スペイン料理はフランス料理のように素材を重ねずシンプルに作り上げるので、日本人に口にすごく合うんです。日本の醤油をかけるところを、スペインならレモンとオリーブオイル。オリーブオイルは質の良いスペインのものだけを使用しています。イタリアのものに比べて辛みがなくフルーティーで青っぽい色が流行っていますね。それをベースにフレーバーオイルも人気で、ゆずフレーバーやスモークオイルとか。お店に来てくださるお客様はスペイン人ではなく日本人の方が多いので、日本人に対してのアプローチのスペイン料理を作ることを心がけています」。

オリーブオイルや野菜など、ところどころに和の要素を加えながら、スペイン人だったらこれをどう作るかという思考で日々研究していると語ります。

さて、そんな酒井さんの必需品はというと。にんにくなどの食べ物をすりつぶすための調理器具「モルテロ」、お米料理に欠かせない「土鍋・パエリア鍋」、スペイン産アーモンド「マルコナ」の3つ。それぞれが今の酒井さんにとってどんな役割を担っているのか、次回ご紹介いたします!

Ardoakアルドアック

Ardoak

住所:
東京都渋谷区上原1-1-20
JPビル2階
TEL:
03-3465-1620
営業時間:
ランチ(土日)12:00-13:00 ディナー18:00-21:30
定休日:
水曜日
URL:
http://ardoak.biz/

更新: 2017年8月1日

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