PEOPLE

食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品|新橋「Sublime(スブリム)」 加藤順一 ~後編~

東京のグルメシーンを牽引するシェフにとって、料理を作る上で欠かせない道具や食材をご紹介していただくコーナー「シェフの必需品」。前回は新橋のフランス料理のお店「Sublime(スブリム)」の加藤順一シェフの料理に対する考え方をうかがいました。そして、今回お聞きしたのは加藤さんにとっての必需品について。美しい料理を生み出す、アイデアの源泉のお話とともにご紹介します。

2015年に新橋にオープンした「Sublime(スブリム)」ですが、2017年8月に麻布十番に移転オープンするとこになったそう。現在「Sublime(スブリム)」がある場所は「Cofuku(コフク)」と名を変えて、日本、フランス、スペイン、北欧をMIXした赤木渉シェフの料理が楽しめる新店舗として営業することが決まっています。そんな、ますます勢いを見せる「Sublime(スブリム)」ですが、スペシャリテとして加藤シェフの料理を象徴する一皿に「マッシュルームのスープ」があるのをご存知ですか?

フレッシュなマッシュルーム、角切りにしたマッシュルームのソテー、そしてマッシュルームに塩を振って3週間発酵させたスープを組み合わせた一品です。

写真は発酵途中のマッシュルーム。マッシュルームから出てきた水分と発酵によって出てきた二酸化炭素によって袋はパンパン。北欧料理は、ひとつの食材を異なるアプローチで多面的に表現するのが特徴のひとつ。炒めたマッシュの香ばしさ、生のマッシュルームの食感、発酵させたキノコのスープの濃厚な味わい、この1皿でマッシュルームが持つ多彩な魅力を表しているのです。「タテルヨシノ」グループでの経験で培ったフランス料理の基礎と、「アストランス」で経験した火入れの技術、そしてニューノルディックのエッセンスが加わって、加藤さんの料理が完成するのです。

美しいデザインと確かな技術に裏付けされた加藤さんの一皿。はたしてそのアイデアはどこから生まれてくるのでしょうか?

「私の料理は大きく3つに分けられます。まず主役となる季節の食材、それに対してベストな相性を持つ食材。そして、その2つにリンクするフレーバー。フレーバーはオイルやスパイス、パウダーだったり、アクセントとして使うことが多く、皿の上の要素は2つ程度とできる限り少なくしています。それぞれ3つに使用する食材に関しては、目についたものから思い浮かぶことが多いですね。例えば、いつも野菜を富士宮の農家さんから送ってもらうのですが、私が変わったものが好きなので、農家さんも変わったものを入れてくれるんです。アボカドとトマトを使った料理を作りたくて、そこにたまたま農家さんが送ってくれたカモミールがあって、これは合いそうだな…とか。他にも柚子に合わせるフレーバーを探していて、たまたまコンビニで白ビールが目に入って“これだ!”って。自分では意識していませんが、常にアンテナを張っているんでしょうね」

ただ、そのアイデアが必ずしもすんなりメニューに並ぶとは限りません。「何度も何度も試作します。試作して上手くいかなくても、1年くらいたってふと思い出すことがある。アボカド、トマト、カモミール。3つの要素の主役、フレーバーと言ったそれぞれの役割を変えてみるとうまくいったりするんです」

そんな加藤さんの料理を支える必需品はこちら。

anova culinary 水温制御クッカー

低温調理に欠かせない、0.5度単位で温度調節ができるanova culinaryの水温制御クッカー。少ない厨房の人数で効率的に料理を提供するためにも一役買っているそうで、こちらで肉や魚を火入れし、最後にフライパンなどで仕上げるという工程を経て、多くのゲストから称賛される絶妙な火入れが実現されているのです。

レンネット

コースの一皿として登場する自家製のフレッシュチーズを作るため、牛乳を固めるための酵素剤。特別に「CHEESE STAND (チーズスタンド)」から取り寄せているそう。

以上が加藤さんにとっての必需品。これらの品々を駆使して料理を作っているわけですが、移転を前に今考えていることがあるそう。

「コースの流れや、料理一つ一つにテーマを設定することが、移転するにあたっての課題としてオーナーから与えられているんです。その場の瞬発力で料理を考えることが多いので、テーマから発想することは苦手ではあるのですが。自分が作った料理を世界に発信していくためにも、それにお客様にとって食べた後、より印象に残る一皿であるためにも必要なことなのかなと」

8月の移転が「Sublime(スブリム)」にとって、加藤さんにとって大きな転機になりそうな予感。さらに進化する加藤さんの料理に期待しつつ、移転オープンを待つことにしましょう。

Sublimeスブリム

移転は2017年8月10日を予定。新しい住所/電話番号は、東京都港区東麻布3-3-9 アネックス麻布十番1F/03-5570-9888

Sublime

住所:
東京都港区新橋5-7-7

ロイジェント新橋 B1F
TEL:
03-3578-8831
営業時間:
12:00~13:00LO、18:00~20:00LO
定休日:
日曜日
URL:
http://www.sublime.tokyo/

更新: 2017年7月18日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop