PEOPLE

食に携わる注目の人物をインタビュー

|血統の一皿[12]|
名店から生まれたセカンドライン
EPISODE 12
うつらうつら -神泉- 【髙木晋吾】

日本を代表する名料理人、名店。料理やサービス、店づくりに対する想いを受け継ぎながら、自らの“色”を打ち 出している。そんな名店のセカンドラインを、元となるお 店(1st)の主義と感性をお伝えしつつご紹介。

12「うつらうつら」 居酒屋/神泉

この数年、お燗を打ち出す店が増えましたが、昨年その真打ちが現れました。神泉駅から少し離れた松濤エリア。他に飲食店が少ないだけに、目的を持った人が集まる場所です。店主自らが「バランスが悪い店」という、「うつらうつら」。お酒のことしか考えていない、酒番長が仕切る店です。

お燗と酒番長の、吸引力には抗えない 「ここじゃなくちゃ、ダメなんだ」

日本酒専門の居酒屋「うつらうつら」は、日本ワインに力をいれる「ぽつらぽつら」からスピンアウトした店。7年前に開業した「ぽつらぽつら」にも日本酒もありますが、店主の米山有さん曰く「僕は日本酒に詳しくないから」と知人だった髙木晋吾さんに声を掛けたのが、共に働くきっかけだったとか。髙木さんは30歳までエンジニアとして働くも、21歳からはまった日本酒好きが高じて酒業界に転じた変わり種。都内の店を客として廻り尽くした、言わば、飲み手を究めた人です。「カウンターに並んで一緒に働いていると、お客さんが、どんどん髙木くんの話と彼がすすめる酒に惹きつけられていくのが、手に取るようにわかるんです」。ならば日本酒の店を作ろうと「うつらうつら」が生まれたのが、昨年5月のことでした。髙木さんの肩書きは“酒番長”。彼がすすめるのは、お燗酒です。「好きなタイプがたまたまお燗向きだった」という髙木さんですが、好きならとことん究めたいタチ。酒に合わせた一番いいお燗を探し続け、今やマイナスから70℃近くまで幅広い温度帯で日本酒を提供できるまでになりました。お燗に向くのは、香りと甘みが強すぎない酒。髙木さんが直接面識があり、料理に寄り添う酒造りをする蔵元の酒を揃えます。実際のお燗の温度は、酒、料理、そしてお客によっても変えると髙木さんは言います。「飲むペースも、酒を楽しむ大事な要素ですから」。どこまでもとことん、お客目線。彼がつけたお燗が飲みたい。心底、そう思えるお店です。

カブのステーキ750円。竹雀 全量袋絞り 山廃 純米無濾過生1,000円

真鰺と色々大根のサラダ800円。隆 純米吟醸阿波山田錦五拾五1,100円。北海道産マトンの肩ロースとひよこ豆の 煮込み1,500円。長珍 ひやおろし原酒 H26BY純米吟醸生詰1,200円

【1st】うみとはたけ ぽつらぽつら

毎朝市場で仕入れる鮮魚と、店主・米山有さんの自宅裏にある、あざみ野「松澤農園」の野菜を中心に使った料理を供する「ぽつらぽつら」。お酒は日本ワインと日本酒がメインで、前者は米山さんが自ら選んだ「素直に美味しい」100種以上をラインアップしています。

うみとはたけ ぽつらぽつら
03-5456-4512 
東京都渋谷区円山町22-11堀内ビル1F 
18:00~24:00 
不定休

うつらうつら

うつらうつら

住所:
東京都渋谷区松濤2-14-5
ヴィラ松濤103
TEL:
03・3485・1555
営業時間:
18:00~翌2:00(日14:00~22:00)
定休日:
月曜日

Photo大谷次郎 Text木原美幸

※こちらの記事は2016年1月20日発行『メトロミニッツ』No.159に掲載された情報です。

更新: 2017年1月30日

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