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SPECIALイベントレポート|南青山|冬の甘味「水ようかん」から見えてくる福井の食文化次第

1月24日、南青山にある福井県のアンテナショップ「ふくい南青山291」にて、福井県観光営業部ブランド営業課主催の「福井の冬の風物詩“水ようかん”」イベントが開催されました。福井県の冬の風物詩“水ようかん”について、株式会社カリョーの代表取締役・新谷雅嗣さんと、郷土料理研究家の佐々木京美さんの食講座を受講しました。今回は、その際のイベントレポートをご紹介します。

冬はおこた(こたつ)で水ようかん

みずみずしく、なめらかな口当たりでのど越しも良く、すっきりとした甘さの「水ようかん」。夏のお中元のイメージですが、福井県では、冬にこたつで水ようかんを食べる風習があるのです。11月になると、水ようかんの製造が始まったとニュースにもなるほどで、冬の水ようかんの売り上げは、なんと年間の80%にも及ぶのだそうです。なぜ、水ようかんを冬に食べるという風習ができたのでしょうか。

福井県の水ようかんは、練りようかんと比べると糖度が低く作られているので、保存が効かず、常温では日持ちしません。北陸の南に位置する福井の冬の気温は0~10度で、室内温度も10度台。極端に温度が下がらないため、雪は降るけど凍らない温度であり、菌が繁殖しないのです。冷蔵庫がなかった昔は、室外の廊下や納屋など“自然の冷蔵庫”で保存していました。水ようかんは、福井県の気候、風土があってこそ、冬に広がったのです。

福井の県の「冬水ようかん」を全国に

株式会社カリョーの新谷雅嗣社長は、福井県の代表的食文化である冬にしか食べない「冬水ようかん」を全国に広めるため、「冬水ようかん」という名前で商標登録をしました。また、水ようかんの流通の際、液漏れして「にちゃにちゃ(べとべと)」になるため、全国に郵送することは難しいといわれていた問題を、箱を逆さまにしても液漏れしない専用容器を開発したことで解決させました。今では首都圏の多くのデパートに届くようになったのです。

水ようかんの食べ比べ

「冬水ようかん」は、地域の和菓子屋さんによって驚くほど味が様々です。主な原料はこしあん、寒天、砂糖とシンプルですが、砂糖は店により上白糖、グラニュー糖、ザラメ糖、黒糖が使用されています。材料の種類や配合などが各店によって異なり、それらが水ようかんの色の濃淡や風味、味わいの違いになっているのです。地域の和菓子屋さんで売られている水ようかんを食べ比べたので、いくつかご紹介します。

まず、水ようかんの定番の味といえば、福井県の水ようかんランキング1位に輝き続けている「えがわ」です。沖縄産の上質な黒糖を使用しており、すっきりとした甘さが広がります。PR活動に力を入れ、TVCMやCMソングなどの宣伝で地域の一番店としての歴史も長いです。

菓子処阿んま屋」の水ようかんは、北海道の小豆と沖縄・波照間産の黒糖、丹波の寒天にこだわっています。丁寧に錬られた餡は、きめが細かくてのど越しが良く、淡い色と上品な甘みが特徴です。どら焼きも有名な和菓子店です。

「やまうち」の水ようかんは、自家炊き餡と白山の伏流水で仕込み、時間をかけて練り上げています。透明度が高く、奥深くてなめらかな味わいです。ツルンとしたのど越しをお楽しみください。

久保田製菓」は、繊細な甘みが後を引く味わいの水ようかん。秘訣は独自にブレンドされた3種類の砂糖だそう。甘納豆専門店として開業した後、甘納豆と水ようかんの専門店として3代目が先代の味を守り続けています。

お菓子処丸岡家」は、上白糖と沖縄産の黒糖を使用している水ようかんですが、砂糖を控えめにしています。黒糖をしっかり生かしつつ、控えられた清楚な甘み。とろけるような食感はやみつきになります。創業85年、福井市中心街にある老舗の和洋菓子店で、福井県ならではのお菓子作りに力を入れ、手土産に人気のお店です。

シュトラウス金進堂」は、黒糖を使用していない唯一の水ようかんです。三温糖を使った上品な甘さが楽しめ、みずみずしい口あたりが特徴です。ウィーン菓子専門店でありながら、先代の和菓子職人が作った水ようかんの味を、地元の声に応えて作り続けています。

同じ福井県の水ようかんでも、甘さや口当たり、軟らかさ、色の濃淡など、食べ比べることで大きな違いを味わうことができます。自分好みの味を探してみるのも、楽しみの1つになりますね。

冬の冷蔵庫に必ず入っている、家族で味わう福井県の味

水ようかんは、コミュニケーションツールにもなっています。ご贔屓のお店の水ようかんを手土産にして訪問したり、行事などで集うときに食べるといいます。

福井県民には「水ようかんDNA」が備わっており、幼少から各地域や家庭で、異なる水ようかんの味の違いを愉しむことで、食育、味覚の訓練になるのではないかと、郷土料理研究家の佐々木京美さんは語ります。

紙箱の流しから、最近では真空容器での販売も始まり、全国で福井の水ようかんが手に入る機会が増えました。しかし、先述した通り、福井県の水ようかんは冬だけの限定品です。販売期間は11月から翌3月までのお店が多いようです。「ふくい南青山291」でも購入できます。

冷たく、軟らかでツルンとしたのど越しは、暖かい部屋で食べるのにあっているかもしれません。この冬、福井県の水ようかんをこたつで味わってみませんか。

ふくい南青山291

ふくい南青山291

住所:
東京都港区南青山5丁目4-41 グラッセリア青山内
TEL:
03-5778-0291
営業時間:
11:00~19:00
定休日:
無休(夏季・年末年始を除く)
URL:
https://fukui.291ma.jp/aoyama/

更新: 2018年2月11日

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