GIFT

大切な人への贈り物に、ちょっとした手土産に

日々をより豊かに暮らすためのヒント集

|料理家のご馳走モノ|冷水希三子さん

「馳走」とは、昔、大事な客人をもてなすために馬を走らせ、奔走し、様々な食材を調達してきたことに由来する言葉。江戸時代後半には、もてなされたことへの感謝を込めて、「御馳走様」が食後の挨拶として使われるようになったと言われています。そして、「ご馳走」と言えば「もてなし」や「豪華な食事」という意味になるわけですが…、しかしながら思うのです。モノやコトに溢れた時代に暮らす私たちのご馳走とは、“もてなし”や“豪華”に限らないのではないでしょうか。例えば、誠実に育てられた野菜、大好きな母の手料理、大切な人とテーブルを囲む時間なども、“日々のご馳走”と呼ぶことができたり。普段の食事が自分にとって“ご馳走”である、そんな風に言える暮らしに憧れて、私たちは料理家の皆さまに会いに行くことにしました。なぜならきっと料理家とは、“日々の食事”を“日々のご馳走”に成長させるアイデアを提案してくれる存在。だから様々な料理家さんにお会いして、まずは料理をする上で大切にしているモノ=食材・食品・道具など(名付けて「ご馳走モノ」)を教えていただきながら、料理のこと、暮らしのこと、話を聞いてみたいと思います。料理家たちの言葉をヒントに、皆さんも、自分にとっての日々のご馳走のこと、ぜひ考えてみてください。

シンプルだけど大切にしたいこと、季節が息づいている暮らし。

まずは料理をする上で一番大切にしていることをお聞きしてみれば、「旬の食材を使うこと」だと言う、冷水希三子さん。それはすごくシンプルな言葉ながら、都会に暮らす私たちには少し不得手な部分。普段、食べものの旬をよく知らずに暮らしている人も多いのではないでしょうか。「私は鎌倉に住んでいるので、近くに市場があったり環境に恵まれていることもありますが、知り合いの農家さんから旬の野菜を送ってもらうこともあります。生産者さんは日本全国、何人かの方とつながっていますが、季節ごと、違う方にお願いしていたりもします」。そして、冷水さんが取り寄せたいと思う食材はと言えば、「無農薬であること」や「真摯なもの作りをしていること」。「昔は無農薬であるかどうかなんて、あまり気にしていなかったんです。変わったのは料理を始めた23歳くらいの時で、農家の友人と知り合ったことがきっかけでした。

その人がもの作りと真摯に向き合い、頑張っている姿を知って私も応援したいと思ったのです。やはり無農薬で作るって、本当に大変なこと。もちろんリスクもあると思いますが、丁寧に、愛情を受けて育てられているその野菜は持っているエネルギーが全然違います」。そして、何よりそんな生命力に溢れる野菜は、驚くほどに美味しいのだと言う冷水さん。でも、そんな作り手さんに私たちもめぐり合おうとするなら、どうしたら良いでしょう。「たとえば、東京でも毎週末のように開催されているマルシェやイベント、デパートで行われるフェアのようなものに行ってみるのはいかがでしょうか。そういうところに行くと作り手さんと直接会って、話ができるのが良いですよね。いざ取り寄せようとした時にも、相手の顔が思い浮かぶ方が嬉しいものですし。いろんな作り手さんを知っていると、もっと『旬』を楽しめるようになると思います」

0 1 . 京都府・飯尾醸造の「富士酢プレミアム」
1893年創業、京都「飯尾醸造」が手がける名品「富士酢」。中でも、「富士酢プレミアム」は20年来の夢「大吟醸のように繊細で、しかも旨みがあるお酢」を実現したもの。原料には丹後の山里で育てた無農薬米を、「米酢」と表示できる量の8倍も使用。優しい香り、穏やかな酸味、そして円熟の旨みが堪能できる極上の純米酢


【問】飯尾醸造
電話:0772・25・0015
住所:京都府宮津市小田宿野373
http://www.iio-jozo.co.jp/(オンラインショップあり)

0 2 . 山形県・アル・ケッチァーノの「月の雫の塩」( サーレドシオ) 
地元食材にこだわった山形イタリアンの名店「アル・ケッチァーノ」のオリジナル商品。庄内近くの日本海の海水を汲み上げ、ゆっくりと釜で炊き、最初に浮かんできた大粒の一番塩だけを集めた極上の塩。味わいはまろやか。冷水さんは最後の振り塩としてバランスが良いと言う


【問】イル・ケッチァーノ
電話:0235・78・7232http://www.alchecciano.com/(オンラインショップは現在休止中)「ヤマガタサンダンデロ」で購入可能(03・5250・1755
住所:東京都中央区銀座1・5・10ギンザファーストファイブビル山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」2F)

キッチンには大きさの異なるすり鉢を5個ほど愛用しているという冷水さん(写真はそのうちの3つ)。ナッツをつぶしたり、スパイスをすったりと何かと使い勝手が良いそう。左の写真は3種類の鉄鍋。ストウブ、ル・クルーゼ、バーミュキュラの鉄鍋で、気分に合わせて使い分けている。スタイリッシュな見た目はもちろん、蒸し炒めなどをする時に食材の旨みを閉じ込めて味を引き立てます。

他にこんなモノも お気に入り!!冷水希三子さんの食材ファイル

お米
お米農家 やまざき [ 茨城]
茨城県南西部、筑波山のふもとの肥沃な土壌で、家族で無農薬のお米を育てている農家さん。薬を使わず自力で除草して、たっぷり手間をかけて作り上げたお米は、水、土、太陽の恵みがギュッと詰まった栄養と生命力に満ちています。収穫した後は温度・湿度を管理した低温保存庫にて保管。注文を受けてから室内で米粒の選別、精米を行うため鮮度の良いお米が届きます。

無農薬、減農薬、特別栽培米の3種類のお米を作っている。品種 はすべてコシヒカリ。注文はインターネットでのみ受付。なお、HP がとてもおしゃれで、「おいしい炊き方」なども紹介されているの でぜひチェックを http://www.okome-yamazaki.com/

リコッタチーズ
イル・リコッターロ [ 岡山]
イタリアから帰国した夫婦が営み、蒜山の美しい森の中でヒツジとヤギを飼いながらチーズを作る農家兼カフェ。できる限り乳酸菌の働きだけでリコッタを作るため、人工的に酸を加えて作る製法よりも非常になめらか。ほのかに草の香りがし、深みのある美味しさが味わえます。春から秋はヒツジとヤギの乳が搾れるため、牛のホエーと混入させたリコッタ、冬は牛の乳のリコッタを提供しています。パスタやサラダに削って使用する他、おつまみとしても◎

購入は店頭(金〜月曜のみ)、及びインターネットで可能
【問】イル・リコッターロ
電話:0867・44・1255
住所:岡山県真庭市蒜山中福田960・31
http://ricottaro.exblog.jp/


フヌイユ農園 [ 岡山]
岡山県の農家さん。野菜の他、豆を多数作っており、黒豆や小豆、花豆、紫花豆など扱う種類は多岐にわたります。どの商品も無農薬で丁寧に作られています。手選別された豆はおしゃれな包装を施されて届けられるので、女性の人気も高い。

購入は、メールまたはインスタグラムより連絡を
【問】フヌイユ農園 fenouil_farm@hotmail.co.jp
http://www.instagram.com/fenouil/

ハーブ
まるふく農園 [ 高知]
1985年からハーブの栽培を始め、自然の摂理に委ねた農業を行っている農園。つまり、農薬も肥料も使わず、土の中の微生物を増やすことで土を活性化させ、虫も病気もつかない元気なハーブを育てることを目標としている。農園では、バジル、タイム、イタリアンパセリなどはもちろん、南インド料理などに使われるカレーリーフ、ローゼル(ハイビスカス)などといった珍しいものまで、全100種類ほどのフレッシュハーブを育てています。

農園へ足を運べば、ハーブ苗、ハーブブーケ、お花畑クッキーやジャムなどの加工品を販売している。配送サービスがあるのは、ハーブ苗、ハーブのブーケ(要相談)、加工品。注文はインターネットより
【問】まるふく農園
電話:088・875・3826
住所:高知県高知市福井町512・1
http://www.marufuku.noen.biz/

ハーブ
おおがファーム [ 大分]
別府湾に面した約2万坪のハーブ園。ハーブ畑、ハーブガーデンでは、約200種類ものハーブが育てられています。また、約600種1,000株ものバラが咲き乱れるローズガーデンも併設。園内は風景が美しく、レストランやショップもあり、さらにフリーマーケットやローズレッスンなどのイベントも頻繁に行われているので、本当は足を運ぶのが楽しい場所。また、ガーデンウェディングを挙げることも可能。さらにペット同伴可で、ドッグランも併設されています。

インターネットではハーブ苗の他に、バラ苗、園芸資材、ハーブティーなどが購入できる
【問】おおがファーム
電話:0977・73・0012
住所:大分県速見郡日出町大神6025・1
http://www.ogafarm.com/

冷水希三子(Kimiko Hiyamizu)

フードコーディネーター 冷水希三子(Kimiko Hiyamizu)

レストランやカフェ勤務を経て、フードコーディネーターとして独立。季節 の味を大切にした料理は、“また食べたくなる”との定評がある。現在は雑 誌、書籍、広告などで幅広く活躍中。著書に『スープとパン』『ハーブのサラ ダ』『おいしい七変化 小麦粉』などがある

contributing Editor&Text バブーン(矢作美和、古里文香、茂木理佳、川上萌、井上真子人)
Photo:小林修銀

※こちらの記事は2016年4月20日発行『メトロミニッツ』No.162に掲載された情報です。

更新: 2016年11月21日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop