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食に携わる注目の人物をインタビュー

シェフの必需品|広尾|「Ode」生井祐介~後編~

グルメシーンを牽引するシェフが、料理を作るうえで欠かせない食材や、道具を紹介する連載「シェフの必需品」。今回は、広尾にあるレストラン『Ode』の生井祐介シェフです。前半では、軽井沢での修業経験やシェフご自身についてお伝えしました。後編では生井シェフの必需品であり、料理を支えている道具や自家製調味料を紹介します。

砥石のための砥石

まず、見せていただいたのが「砥石」です。砥石といっても包丁を砥ぐための砥石ではなく、包丁用の砥石を砥ぐための"砥石の砥石"です。使用しているのは、月山義高刃物店の包丁砥ぎ師、藤原将志さんより購入した「ダイヤモンド砥石」。藤原さんの包丁砥ぎ講座を受け、包丁砥ぎに対する意識がガラッと変わったという生井シェフ。包丁を均等に砥ぐには、砥石を常にフラットにしておくことが重要で、今では週に1度ほどしっかりと包丁を砥ぐ際には、必ずこの"砥石の砥石"で、砥石を砥ぐことが習慣になっているそうです。

料理の幅を広げる調理器具

続いての必需品は、ドイツのトップメーカー、VORWERK(フォアベルク)の「サーモミックス」という万能調理器。こちらは設定した温度を保ちながら、攪拌をしてくれる優れものです。

「例えば、odeのシグネチャーディッシュである『グレーの皿』は、秋限定でサンマを使っています。サンマのワタや、豚の背脂と血などが入ったサンマのブーダン・ノワールのピュレを作る際には、温度と攪拌するスピードが重要になります。サーモミックスは、その両方を設定できるので、ずっとベストな状態を保ち、とてもなめらかに仕上がるんです。」

またオランディーズソースやソースサバイヨンなど、卵黄を使い、湯煎にかけるようなソースを作る際にも、とても便利なのだとか。

さらに、食材用の乾燥機は、生井シェフが料理を作るうえで大切にしている"食感"を出すための必需品。メレンゲを作る際や、揚げた食材の油をきりながら乾燥状態をキープしてくれます。こちらは、生井シェフ渾身の『Ode』のスペシャリティを作るうえでも欠かせないものです。

オンリーワンの味を生み出す「自家製調味料」

最後に紹介してくれたのは、自家製の調味料。シュークルート、発酵バター、ヨーグルト、マスタード、その時期しか採れない食材を使ったピクルスなどが食材庫にズラリと並んでいます。

「何かがないと絶対ダメというわけではないんですけど、引き出しの1つとして持っておけるというのはすごく自分にとっては心強いんです。マスタードにしても、自分で作った粒マスタードだと市販のものとは違った風合いで、ちょっと辛味を強くしようかなとか、酢を足そうかなとか、蜂蜜を足そうかななど、自分の使いやすい調味料にできるので、料理を作るのには必需品ですね」

そんな生井シェフの自家製調味料が生まれたきっかけは、軽井沢での料理人時代の影響でした。農家から大量にいただいた食材を調理し保存していたそうです。現在も軽井沢にいた頃の生産者さんとのお付き合いから、この調味料の食材を仕入れているとのこと。

しかし、生産者さんとの繋がりや調味料を作る技があるとはいえ、やはり手間はかかるもの。そのあたりの情熱はどこからきているのか伺うと、「自分の店の味を作るというか、オンリーワンになるためですかね」と生井シェフ。また、手間と時間をかけて作る調味料を「かわいいんですよね」と話してくれました。手間をかけながらも、決してストイックな精神だけでやっているのではなく、料理や食材への愛情を感じます。

チームで店を盛り上げていきたい

最後に今後の展望について伺うと「チーム力を高めていきたい」と生井シェフ。

「今は8人のチームでやっているので、自分の色を出しながらも、なるべく全員がクオリティの高い仕事をすることを目指しています。活気があり、お客様がリラックスできる雰囲気の店にしたいと思っているので、少人数でやるより何人かで店を盛り上げていたきたいな、という思いもあります。1人でできることって限られていると思いますし」

あっと驚くような料理と、センスの良いインテリアに囲まれた落ち着く空間。『Ode』には一人客も少なくなく、今のままでも充分リラックスできる素敵な店ですが、今後、"チーム生井"として、どのように変化していくか、楽しみです。

Odeオード

Ode

住所:
東京都渋谷区広尾5-1-32 ST広尾2F
TEL:
03-6447-7480
営業時間:
12:00~13:00(last entry)、18:00~21:00(last entry)
定休日:
日曜日
URL:
http://restaurant-ode.com/

更新: 2018年6月14日

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