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料理家って日々何かを研究しています!さあ、研究を発表してもらいましょう!

第8回 清 絢(きよし あや)さん
郷土料理「行事食」の魅力

郷土料理に焦点をあて、全国各地を自らの足で訪れて取材。
そこで出会った日本のよき伝統をこれからの時代に継承すべく、発信し続けている清絢さん。
自らも、その郷土料理を作れるようにレシピを取得し続けています。
今回は、ひな祭りや春の祝いに最適な、千葉県の行事食「太巻き寿司」をご紹介。
ひとつがとても大きくて、直径10センチくらいに。なかなかの迫力です。

全国の行事食を守りたい

清絢さんは、個性的な料理研究家である。
彼女は特に料理教室を開いているわけでもない。
お店を持っているわけでもない。
しかし、全国の郷土料理を常に研究し続けている。
近年は、高齢化に伴い薄れ行く行事食に着目し、取材をし続けている。

今回紹介いただく、太巻き寿司との出会いは?
「たまたま読んだ新聞の片隅に、太巻き祭りずしの記事を見つけたんです。そこには3cm四方の小さな写真いっぱいに太巻きが並んでいて写真はモノクロなの に、そこだけパッと花が咲いたようにきらめいて見えて、ひとめで心を奪われたのを覚えています。それ以来、太巻きへの想いは募るばかり。そんな私の気持ち が届いたのか、ついに恋焦がれた太巻きを間近で取材し、作り方を伝授いただいたのです」

確かに魅力ある日本の伝統食は、守りたいし伝えていきたいもの。
「そうなんです。この太巻き寿司も材料といえば酢飯に海苔、卵、かんぴょうくらい。どこにでもある素材から、何をどうすればこんなに複雑で見事な太巻きが 生まれるのか。目を凝らして見てみると、なるほど、花びらには小さな細巻き、枝にはかんぴょう、それぞれのパーツを作り、それらを組み合わせて絵を描くよ うにできている。芸術ですよね。手巻き寿司の教室もあるんですよ!!」
こんな素敵な行事食は、現在のキャラ弁にも通ずるスタイル。どんどんファンが増えていってほしい。

祝う席に欠かせない太巻き寿司@千葉県




太巻き祭りずしを作る習慣のある地域は房総半島全域に散らばっており、それぞれの土地で絵柄や作り方が微妙に違うとのこと。
今回のレシピは、鴨川の地域のもので、このあたりの特徴は厚焼き卵が分厚いところだそうだ。
「古典的なおめでたい柄の四海巻は、海を表現していて季節を問わず人気のモチーフ。
手に入りやすい材料で作れ、初心者でもチャレンジしやすいので、第一歩におすすめです。
昔は千葉では寿司飯をとても甘く作ったそうですが、味付けはお好みで。寿司飯の色にバリエーションをつければ、いろいろな雰囲気がたのしめますよ」と清さん。


|千葉の太巻き祭りずし~四海巻(しかいまき)|

<材料>
・海苔(全型)3枚
・寿司飯(白)200g
・寿司飯(緑 *1)80g
・寿司飯(ピンク *2)60g
・卵焼き(厚さ5mm✕幅2cm✕長さ20cm)3本
・かんぴょう煮(幅2cm✕長さ20cm)2本

*1 白い寿司飯に青のりを混ぜ込み、ほんのり緑色にする。
*2 白い寿司飯に桜でんぶやみじん切りにした紅生姜を混ぜ込み、ピンク色にする。もちろん市販の着色用すし飯の素でもOKです。


<RECIPE>
① 海苔2枚を少量の寿司飯を糊のようにして貼りつなげ、長い1枚にする。手前半分の1/3にピンク、2/3に緑、残り半分には白い寿司飯を平たく広げる。

② 巻き簾を使い、手前からきつく巻き込んでうず巻状の巻き寿司を作る。

③ 巻き寿司を縦に4等分にする。切り口が直角になるように切るのがポイント。

④ 海苔の上にさきほど切った寿司を、切り口を下にして、海苔側が背中合わせになるように2本並べる。

⑤ 2本の間にできた溝の部分に、卵焼きとかんぴょう煮を交互に重ね、その上に残りの2本を切り口が外側になるように重ねる。

⑥ 最後に巻き簾で、角を立てるように四角く形を整えつつしっかりと巻けばできあがり。巻くときに海苔1枚では足りないようなら、1の要領で海苔を継ぎ足して使うと良い。

<POINT>
定番の四海巻のほかにも、たくさんの柄があるんですが、ひな祭りの頃には春らしいモチーフが好まれます。
千葉県の花でもある菜の花、桜、ちょうちょ、など。おひなさまのまつりずしもありますよ!

清 絢(きよし あや)

食文化研究家 清 絢(きよし あや)

大阪府生まれ。

日本各地の農山漁村を歩き、その土地の食文化と暮らしのつながりを取材している。
現在は高齢化が進む集落で、担い手不足になっている行事食を中心に調査活動を行う日々。

shikumi.jp/seifudo/index.html

更新: 2013年2月13日

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