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|東京エリートレストラン|
世界に自慢したいフランス料理のシェフ[9]
会いに行けば、世界に自慢したくなる今どきの精鋭シェフたち
『Quintessence』

東京のフランス料理界の最前線をひた走り、人気店となった今でも、料理と真摯に向き合い、新しい挑戦を続けている…。彼らの料理をいただけば、「美味しい」だけではない何かに出合えるはずです。

カンテサンス[品川] 岸田周三シェフ

「料理人としての自分の武器は?」という問いに、「開店して9年目になりますが、留守にした日が1日もないこと、でしょうか。どうしても心配になるし、スタッフのモチベーションも下がる。だから、僕がいられない日は店は休みです」。自己を律し、周囲の期待に応え続けることを自らに課す岸田周三シェフ、その強い意志の源は一体?

プロフィール
|Syuzo Kishida|
1974年、愛知県出身。志摩観光ホテル「ラ・メール」勤務の後、1996年に上京し「カーエム」へ。2000年渡仏。フランス各地での修業を経て、2003年より、パリ「アストランス」でシェフ、パスカル・バルボ氏に師事。2005年帰国。2006年5月に「カンテサンス」を開店。

考え続け、作り続ける、ストイックな長距離走者

「1.プロデュイ(素材)を尊重する」「2.キュイソン(火入れ)を追求する」「3.アセゾネ(味付け)を考慮する」。岸田周三シェフがかねてより公言している、自身が重んじる料理の3つのプロセスです。今回作っていただいた一品にも、もちろんこれらが踏まえられています。「春の魚と思われがちだが、身質はむしろ秋冬の方が良い」というサワラを使い、断面を見れば繊細な火入れであることは一目瞭然。そして、今の時期香りは強いが苦味が穏やかなフキノトウのソースや、キノコ類、オレンジの皮などが、重層的な味と香りを構成しています。「日本の素材の繊細さを消さず、かつ、フランス料理らしさをもたらすことが必要」とは、針の穴に糸を通すような仕事。フレンチに限らず、驚きのある皿はもて囃されるのが常。ですが、二度目にすれば、驚嘆は瞬く間に消えてしまう。「驚きがなくなった後の評価こそが、その皿の真価。それでも古びず、長く生き残る料理を作らなくてはいけない。そのためには、3つのプロセスが大切なのです。それが自分の哲学だし、流行に流されずそこは守り続けてきているという自負があります」と語ります。コースの内容は、2カ月に一度変わりますが、それぞれの料理の細かなルセットは、提供期間中「毎日少しずつ変わる」と岸田シェフ。「一度こうと決めても“こうしたらもっと美味しくなるんじゃないかな?”と思う点があればすぐ変えるから、“これが完成形です”とはなかなか言い切れない。それに“これでいい”と思ったところで、成長が止まってしまう気がするんです」。たゆまぬ進歩を続ける、その原動力は何なのでしょうか? 「帰り際のお客様の反応です。悪ければ“もっと頑張らなくては”だし、良い場合でも“さらに頑張ろう”。 “美味しかった”と仰って頂く言葉だけでなく、表情にも満足度が出るのでとても気になる。そういう反応に敏感で、気にしいなんですよね」。揺るがぬ評価を得て、なお謙虚。星が輝き続ける理由は、そこにあるのです。

店名は、古いフランス語 だが、“物事の本質”“神 髄”“エッセンス”といっ た意味を持つ。シェフが 追求する料理のイメー ジに重なる

サワラの切り身を、ローストする前に野菜のブイヨンに塩分を加えたソ ミュール液に漬けることでフランス料理らしさがもたらされる




Text:小石原はるか
Photo:加藤純平

※こちらの記事は2014年11月20日発行『メトロミニッツ』No.145掲載された情報です。

Quintessenceカンテサンス

Quintessence

住所:
東京都品川区北品川6・7・29
ガーデンシティ品川 御殿山1F
TEL:
03・6277・0485
予約専用電話:
03・6277・0090 (9:30〜11:00、 15:30〜17:00)
営業時間:
12:00〜13:00LO、18:30〜20:00LO
URL:
http://www.quintessence.jp/

更新: 2016年10月9日

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