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編集部が訪れた美味しい名店『足跡レストラン』|アビス|外苑前

編集部の足跡コメント

南青山三丁目交差点から乃木坂方面へと向かい、青山の鮨の名店「海味」やオーセンティックなフレンチレストラン「Restaurant TANI(レストラン タニ)」の先にある脇道を進み、右手に見える階段を上ると、ひっそり主張するお魚マーク。移転前の「Florilege(フロリレージュ)」の跡地と聞くとピンとくる人も多いかもしれません。そこに肉を使わずに、魚介のみでコースを組み立てるフレンチのお店「Abysse(アビス)」があります。

“深海”を意味する店名を表すように、店内に入れば照明を落としたシックな空間。テーブルセットに置かれたスガハラ製のオリジナルプレートからも、海の美しいブルーが表現されています。フランスはマルセイユで同じく魚介中心で料理を提供する「Le Petit Nice(ル プティ ニース)」で修業し、「Quintessence(カンテサンス )」で岸田周三シェフに学んだ、若き目黒浩太郎がオーナーシェフとして営む「Abysse(アビス)」のランチに伺いました。

初めて訪れる人は迷ってしまいそうな、ひっそりした場所にある「Abysse(アビス)」。2015年に移転するまで、ここに「Florilege(フロリレージュ)」がありました。それと入れ替わるように2015年3月15日に当時29歳だった目黒浩太郎シェフが「Abysse(アビス)」をオープン。一時期「Florilege(フロリレージュ)」に研修に行っていた時期もあり、川手寛康シェフのことは兄貴的な存在として慕っているそう。ランチは4,800円(税・サ別 ※2017年6月1日より¥5,800に皿数を増やして変更予定)でアミューズ、前菜2品、スープ、メイン、デセール2品の計7皿という構成です。

まず最初の一皿はハマグリ。ハマグリから出る出汁で蒸しあげたもので、ぷりぷりの食感と甘味が溢れ、そこにわさび菜の苦みがアクセントに。

2皿目はカツオ。これが異なる味わいが幾重にも重なる複雑さを持ちつつも、ストレートに美味しいと感じられる秀逸な1品でした。初鰹のタタキ、パウダー状にしたヤギのチーズ、エシャロットとレーズンのピクルス、大葉のオイル、ピーカンナッツ、ローストした根セロリ。カリカリに焼いた皮の香ばしさ、そこにレーズンの甘味、エシャロットの酸味、根セロリの苦みにナッツの食感、そしてカツオが持つ赤身ならではの肉々ともいえる旨み。それぞれの要素が軽やかにまとまっています。

続いては、アスパラ。グレープフルーツのジャムを塗ってローストし、そこにシロイカ、行者にんにく、さらにグレープフルーツのパウダーを振りかけたもの。柑橘の香りと酸味が爽やかさを誘い、アスパラの美味しさをしっかり味わえます。

そして目黒シェフのスペシャリテのスープ・ド・ポワソン。その日の仕入れによって7種ほどの魚を使い、オマールの出汁と数種のスパイス、そしてオレンジを組み合わせたもの。通常は魚介の旨味を1度で濾して引き出すところ、こちらは2度濾していると言う手間のかけよう。濃厚ながら、味のキレがよいクリアな食後感。

メインは金目鯛。ホタルイカのソースにはチョリソーが入っていて、肝の旨みと相まって食べ応えある味わいに。金目鯛の火入れも抜群で、皮は薄いガラスのようにパリパリ、身はしっとりやわらかく、心地よい弾力が残されています。

デセールは、パウダー状にした玉露にクリーム、そしてさくらんぼ(佐藤錦)。お茶の香りが心地よく鼻に抜け、さくらんぼのほのかな酸味が春を感じさせる1皿でした。実はもう一品、びわとフロマージュブランを合わせた1皿があったのですが、あまりの美味しそうなビジュアルに惹かれ写真を失念・・・。

そして最後にコーヒーとお菓子をいただきランチが終了。シンプルなお皿、複雑なお皿、濃厚な味わいとさらりといただける味わい、流れるように抑揚をつけたコースの組み立ては見事。魚介だけとはいえど、しっかりフレンチで満足感たっぷりのランチでした。実はこちらの目黒シェフが連載「シェフの必需品」に登場予定! これらの料理の裏側には、シェフのどんな想いが隠れているのでしょうか? ぜひご期待ください!

Abysseアビス

Abysse

住所:
東京都港区南青山4-9-9
AOYAMA TMI 1F
TEL:
03-6804-3846
営業時間:
12:00〜13:30LO、18:30〜20:30LO
定休日:
水曜日
URL:
http://abysse.jp/

更新: 2017年5月17日

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