SPECIAL

食と暮らしを豊かにする特集記事はこちらです

✈︎WORLD FOOD PORT. 台湾発・台北の食文化

東京から飛行機で3時間半。
隣国「台湾」は、言わずと知れた<食天国>。
中でも首都<台北>には、屋台料理から、ヌーベルシノワまで、「美味しい」中華料理のあらゆるジャンルが、街の至るところにあります。今回はそんな台湾が第2の故郷となったYukie Liao Teramachiさんにレポートしていただきます。

台湾の家庭料理

私は台湾人の夫に出会って以来、すっかり「台湾料理」の味に魅せられてしまいました。今では台湾料理のクッキングレッスンに通い、日本食以上に中華料理を作るようになったほど。
台湾は、空芯菜、豆苗、芥藍菜(カイランサイ)など緑の濃い葉物の野菜が非常に充実しています。茹でたり、炒めたり、シンプルだが美味しい野菜をたっぷり食べるのです。

日本食では「一汁三菜」が基本ですが、台湾では「四菜一湯」。
肉、魚、野菜2品にスープといった献立が理想とされています。
あるいはかつて蒋介石の息子、蒋経国が提唱した「梅花餐」スタイルを貫く家庭もあります。
円卓に梅の花を形どったように、スープを中心に、五品料理を用意するというもの。

台湾の家庭料理。「バーキン」スープを中心に花びらのようの円卓に野菜や肉、魚料理を並べる。

こうした中華風の食卓は、夫の実家に行くたびに、体験できるとても台湾の家庭らしい様相です。円卓を囲んで、品数豊富な美味しい中華をみんなで食べるのはとても楽しく、貴重な時間だといつも感じます。

そんな私が、台湾人の家族からも褒められた得意料理に「肉羹/肉[火庚](北京語でローグン、台湾語でバーキン)」があります。

豚肉を細切りにし、魚のすり身でコーティングしたものを主な具として、他にしいたけやタケノコ、セロリや白菜など、すべて細切りにした野菜が沢山入ったスープです。
野菜の具や、スープの味付けが、家庭によって少しずつ違うのが特徴。
豚肉の代わりに、イカを用いたものもあります。
私が作るスープには、たっぷりの「油蔥酥(揚げシャーロット)」が入っていて、これが美味しさの決め手に。
ちなみに台湾料理は他の中華より、味付けが全体的に「甘め」。
塩は控えめで、みりんは使わず、醤油は日本のものより、甘みを感じる。
さらに砂糖を適量しっかりと使うことで、甘みがある味付けになっています。
もちろん、野菜の甘みもプラスされている、というわけでこのスープも例外なく、少し甘め。
好みにより、食べる時に黒酢をかけても美味しいです。

朝から晩まで気軽に利用できる「小吃(シャオチー)」

台湾には、「肉羹」をはじめ家庭料理の単品料理や軽食を販売するレストランを「小吃(シャオチー)」といい、それが街の至るところに存在します。 餃子や、小籠包、麺類やスープがその販売の主なもの。 特に台北の中でも、昔ながらの商店街が色濃く残る「迪化街(ディーファージェ)」には、こうした小吃が沢山立ち並びます。 朝食にオススメの小吃は「永楽米苔目(永楽ビータイバイ)」(台北市永昌街7號)。米でできたシンプルな麺(20元)を、茹でた厚揚げ(20元)や豚肉(ホルモン系から豚バラまで色々。60元)に、甘辛醤油ソースと梅肉ソースをかけて食べます。

永楽米苔目

麺のスープはニラとシャーロットで味付けがされた、シンプルなもの。たっぷりと刻みショウガが乗っているので、肉の臭みは感じず、食べると身体がじわっと熱くなるのを感じられます。
台湾では「中華風粥」や「豆乳と油條(ヨウティアオ:揚げパン)」といった朝食がポピュラーですが、この米苔目もぜひ試してみてほしいです。
同じエリアには「民楽旗魚米粉湯」(台北市民樂街3号)というスープビーフン(35元)の店も大人気。ここでは付け合わせに、エビやカキのフライなどをオーダーできます。

民楽旗魚米粉湯のビーフンスープ、カキフライ、茹で厚揚げ

また隣の店は「永樂台南土魠魚羹」というスープの店。
一杯60元で、台南目物の土魠魚を、サクサクと揚げ、とろみのあるスープをたっぷりかけて、ご飯またはビーフンと一緒に食べるというもの。個人的には、魚とスープだけで味わうのがオススメです。

永楽台南

世代を越え「食」こそが共通の話題に

今の台湾は、昭和の日本に例えられることがありますが、その理由は、家族関係が日本以上に密接なこともあげられるでしょう。そして異なる世代の共通の話題が、なんといっても「食」なのです。台湾人は、安くて美味しい料理を囲み、家族の時間を楽しむのが得意。
若い世代になると、小吃や地元のレストランを上手に利用し、外食ばかりという人も少なくありません。しかし、欧米風の外食産業とは違い、小吃の多くは、家 庭料理の延長的な店ばかり。昔ながらの手作りで、その味を保ち続けている店が多いことで、家族代々贔屓の店を持つといったことも多いのです。そのせいか、 台湾では懐かしさを感じる味に味わえることも多く、一度訪れると病みつきになり、頻繁にこの街を訪れる日本人は後を断ちません。

(1元=約3円 2013年6月現在)

更新: 2013年6月19日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop