SPECIAL

食と暮らしを豊かにする特集記事はこちらです

✈︎WORLD FOOD PORT. タイ発・チェンマイで出会ったタイ北部の食文化

アジア料理の代表格、タイ料理。
日本で食べる際にはあまり意識をしたことがないかも知れませんが、タイ料理にももちろん地域性があるんです!
バンコクや、プーケットといった観光色の強い街からちょっと離れたチェンマイ。
この地域は食の宝庫だとの噂を聞き、いつかはと思い焦がれていたライターの大沼聡子さん。
この度、ついに足を運んでグルメ三昧。予想通り虜になった模様です。
さっそくチェンマイの食文化レポートが到着しましたよ!

タイ北部料理はマイルド!

バンコクの北方約720kmにある都市、チェンマイ。
食いしん坊のアジア好き仲間が集まると、みんな口々にこう言うのです。
「タイのなかでも、チェンマイは特においしい!」
いつかは行かねば――その念願が叶って、いざ訪れた地で出合った料理の数々は、これまで抱いていた「唐辛子で口中がヒリヒリする」タイ料理のイメージを覆すものでした。
かつてランナー王朝が栄えたこの地域は、「日本の京都のようだ」と言われることがよくあります。
中心街は路地が碁盤の目のように走り、東には鴨川の如く流れるピン川。チェンマイ人の気性はどことなくおっとりしていて、料理もやさしい味なんです。

さっそく、タイ北部料理を味わうべく、郊外にある評判の店『ファン・チャイ・ヨーン』へ。
チェンマイ名物の「ゲーンホ」というごった煮カレー、豚の内臓たっぷりのピリ辛炒めの「ラープムー」、筍のように煮込まれたジャックフルーツのカレー、カ エルのカレー……。豚の皮を揚げた、軽いスナック菓子のような「ケープムー」がどの料理にもトッピングされてくるのが、チェンマイならでは。

右側にあるスナックのようなものが「ケープムー」

旅のメンバーが若干おののいた、カエルのカレーは旨みたっぷり

チェンマイの料理はスパイシーなのに、実にマイルド!
利かせてある香辛料、特に唐辛子がほどよいさじ加減なのです。

チェンマイ名物といえばカオソーイ

日本でも人気のタイ流カレーラーメン「カオソーイ」は、チェンマイの名物料理。
カレースープに中華麺が泳ぎ、上には香ばしく揚げた麺が具材としてトッピングされているのが特徴です。創業70年の老舗『カオソーイ・ラムドゥアン』は地元でも大人気の店。

手前は鶏肉の手羽元入り、奥は豚肉入りのカオソーイ

辛さは好みに応じて数段階から選べます。 付け合わせのもやし、高菜漬け、小さな紫玉ねぎをのせながら食べるのが、チェンマイっ子。
意外ですが、料理にココナッツミルクを使わないのがタイ北部の特徴です。使っているお店もあるようですが、伝統的なカオソーイには使われていません。

さらにこの料理、じつにチェンマイの食文化をよく物語っています。
隣国ミャンマーの向こうはインド、中国の雲南省もすぐ近く。
そのふたつの国の食文化の影響を受けて誕生した料理なのです。
もともとタイでは箸を使わず、インドのように手を使って食事をとっていたため、こうした中国にルーツを持つ麺料理を食べるときだけ、箸を使うのだとか。
ちなみに、タイ人は軽食を頻繁にとる習慣があるため、一人前は日本のラーメンの半分ほどしかありません。
隣のテーブルに座っていた中国人観光客はよほど気に入ったのか、テーブルにいくつも丼を重ねていてびっくり!

北部の主食はカオニャオ

「カオソーイ」の「カオ」は、「主食」の意味です。「カオソーイ」の場合は麺をさしますが、そのほかの料理は、ほぼ「米」。チキンライスは「カオマンガイ」、お粥は「カオトム」。ただし、お粥は「ジョーク」と呼ばれることも多いです。

早朝から営業する屋台『ジョーク・チャエー』のお粥

チェンマイの人々にとって「カオ」の最定番は、餅米を蒸した「カオニャオ」です。
「ニャオ」は「ねばねばしている」という意味。
チェンマイの人々は慣れた手つきでちぎり、手で軽く丸めて炒めものやカレーなどにつけて食べます。

外国人にも人気の『フアン・ペン』にて。右上にカオニャオ

南部の主食はインディカ米が定番で、もっちりとした餅米は北部のもの。
南部の人々には、北部の餅米文化はやや田舎臭く感じられるようです。
北部の人々の顔立ちの傾向を捉えて「餅米ばかり食べていると、鼻が丸くなる」と言われるのだとか。

セラドン焼きでティータイム

さて、チェンマイではお茶の栽培もされています。
タイで初めて茶畑を開拓した『ラミン・ティー』というブランドの紅茶やハーブティーは、とても美味。
標高2195mのチェンダオ山に国際規格認定のオーガニック・ティープランテーションが広がり、もともと自生していたアッサム種の茶葉が育てられています。
アッサム種といえば、インドの紅茶。「カオソーイ」がインドにルーツを持つように、お茶にも近隣の国の影響が色濃く現れています。

『ラミン・ティー』のティーハウスにて

すっかり惚れ込んでしまったのは、「ジンジャーグリーンティー」。
タイの生姜の辛みは日本の生姜よりも強く、濃厚な生姜感がたまらないのです。
日本にも輸入されており、「ロンナムチャチェンマイ」(www.teahouse-chiangmai.com/)の通販サイトで購入できると知って、思わず驚喜!
しばらくはこのお茶を楽しみながら、チェンマイに思いを馳せることになりそうです。

更新: 2013年12月25日

この記事が気に入ったら
「シェア」しよう

最後までお読みいただき、ありがとうございます

pagetop