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✈︎WORLD FOOD PORT. オーストラリア発・多種多様な食文化が存在するシドニー

100年ほどの新しい国なので、和食やフレンチのような明確さは無いものの、もともと英国料理がベースとなった上に、フレンチ、イタリアンなどのヨーロッ パやアジアのさまざまな国からの移民達の食文化の影響が加わり、モダンオーストラリアと言うジャンルが確立しつつある、オーストラリア。
今回は、昨年オーストラリアへ日本の魂を持って移り住んだ、シドニー在住のフードディレクター、原島正幹さんが今感じる食文化についてのレポートです。

オーストラリア料理とは

オーストラリアは世界中の国々から移民が集まっているため、イタリア、チャイナ、タイ、ベトナム、コリア、インド、ギリシャ、ドイツ、ブラジルにアルゼンチン、もちろん日本…と世界中のしかも本格的な料理を食べることが出来てとても楽しい。
しかし、食文化で考えるとどうだろうか。
オーストラリア料理って何?オーストラリアの食文化は?と考えると…「うーん」と悩む事になる。
オーストラリア人の友人に聞いてみても、自信満々に「ミートパイとフィッシュ・アンド・チップスに決まってんだろ。」
料理と呼べるかどうか分からないが「BBQだよ!!」と答えが返ってくる。

ジャンクフード的食文化がベースにあった所に、自分で選択できる食の幅が広がってきているのが今のオーストラリアで、その選択できること、考えることがこの国の食文化を作っていく一つの要因だ。
メーカーや店舗は商品やメニューを開発しそれを発信していく。それを自分にあったスタイル、その日の気分で食べ、何が自分に適しているかを考え選択していくことがこれからのオーストラリアンフードカルチャーとも言える。

ヘルスコンシャスとアンヘルシーが入り混じる

それと同時に、「食の安全性」や「自分の体にとって正しい食べ物か」を判断する人たちも増えてきていると感じる。
週末になれば、街のいたるところでファーマーズマーケットやオーガニックマーケットが開かれ、レストランやカフェに行けばヴィーガンやベジタリアン、グル テンフリー対応のメニューが置かれていて自分にとって良いか悪いかを判断し選択できる傾向が高まって来ていることを感じる。

左)ファーマーズマーケット 右)グルテンフリーバーガー

オーガニック食品を置く「aboutlife」というお店では、100%ナチュラルで安全な食材や調味料を買うことができ併設しているカフェは有機・無農薬で作られた料理を食べることもできる。
僕が日本にいたときの、100%有機・無農薬やオーガニック、マクロバイオティック、ヴィーガンなどの表記が入ったメニューのイメージは「値段高くて量が少なくて、なにより味が…」だった。

aboutlife

しかし、シドニーにきて「aboutlife」でシグネイチャディッシュでもあるという「SUSTAINABLE FISH OF THE DAY」を食べてみると、その少し偏ったイメージは、一気に払拭された。

「サスティナブルな今日の魚」って…とはじめは半信半疑だったが、大ぶりのサーモングリルにすこしスパイスを使って味付けしたと思われるキヌアが添えてあり、日本では青汁でしか活躍の場が無いであろうケールがタヒニドレッシングと和えられて出てきた。
$15.50とコストパフォーマンスも良く、しかも美味しい。

aboutlifeのサーモングリル

メニューには肉や魚の料理もあり、ショーケースの中から幅広い選択や組み合わせができる。平日でも満席な理由が分かった気がした。

そして、夜中でも大勢の人たちで溢れるジェラート屋が「Gelato Messina」だ。
どうしてこんなにお客がくるのか・・・。まぁ、甘いものが大好きな人が多いからだろうと思っていたが、いつも(深夜も)混んでいるので気になって行ってみた。
彼らのコンセプトメッセージはこうだった“How would they have made it 100 years ago?”。とてもシンプルな考え方。
つまり100年前は今のような着色料、調味料、防腐剤は無いでしょ?だから私達は自然にあるものでゼロからすべてのジェラートを作る、ということ。
考えてみたら当たり前の事だったのを、作られた強い甘さではない、自然なやさしい甘さのピスタチオのアイスクリームを舐めながら実感。

Gelato Messina

一方で地域によってはまだまだ肉食メインでもあり、シティーではファストフードに列ができ、コーラを飲んでピザやハンバーガーを食べる人たちももちろんいるし、需要も高い。
それが、悪いというわけではない。
僕もスーパーに行けば尋常じゃない酸味としお味がたまらないソルト&ビネガーのチップスを買うし、バーでは、サワークリームをたっぷりつけたポテトウェッジをビールで流し込むのを最高だと思っているし・・・。
チープでバリュー感のあるファストフードと厳選素材、安全性、調理法にこだわって料理されたフード、どちらが正解でどちらが間違っているなんて言えません が、僕自身、オーストラリアで実際に働いてみて、サプライヤーさんや生産者さん、シェフたちと話をしてみると特にここ20年の間、シドニーオリンピックを 経て食に対する考え方も飛躍的に向上し変化してきていると感じた。

今、流行しているものは

そうそう、日本でブームになっているオーストラリア的食文化は、こちらではもちろん日常。「ビルズ」も家の近くにありますが、有名店だけどローカルが近所 にあるカフェとして利用している感覚。日本人の旅行者でごった返しているのも見ないし、流行っているとかではなく普通にゆっくり朝食をとりにきている人が 多い。
そもそもスーパーで売っているパンケーキミックスの種類の豊富さや、そのおいしさからも、パンケーキが日常食であることがわかる。
であれば、「今の流行は何?」って聞かれると、実は日本のラーメン店が続々オープン。
濃厚なとんこつ味がこちらで人気ってことと「IZAKAYA」の台頭、これまでのJapanese Restaurantではなく、あえて「IZAKAYA」のという名を前面に出す店も出現し始めていて「IZAKAYA」という言葉がSUSHI、 SASHIMI、SAKEなどのように英語名としてこの地で深く馴染みのある言葉になるのも時間の問題かもしれない、とか言われています。

アジア人が多いシドニーのCBD付近とシドニー近郊だからなのかなという印象もある。
ラーメンとか居酒屋とか寿司とかは日本で美味しいところがあるので、興味をそそられませんが僕が最近特にお気に入りの5店舗をご紹介。

MONOPOLE

Food Society www.foodsociety.com.au/
Owl House www.theowlhouse.com.au/
Nomad restaurantnomad.com.au/#start
YELLOW www.yellowsydney.com.au/
MONOPOLE monopolesydney.com.au/

オーストラリアは新しい食文化を作っていく上で、まだまだ可能性を十分に秘めている国だと思う。
でもきっと、「これがオーストラリアの食文化だよ」と言える日が来るのも近いはず。

更新: 2014年1月29日

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