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編集部が訪れた美味しい名店『足跡レストラン』|京すし|京橋

編集部の足跡コメント

2016年11月25日にオープンした「京橋エドグラン」。こちらには美味しいもの好きの間で話題のお店がぎっしり詰まっています。オーナーシェフ鎧塚俊彦さんの集大成として位置づけられ、ライブ感覚でアシェットデセールがいただける「トシ・ヨロイヅカ 東京」。ミシュランガイドでビブグルマンに2年連続で掲載されたラーメン店「ソラノイロ」の系列店「ソラノイロ トンコツ&キノコ」。そして3月には1952年創業、溜池山王や霞が関に店舗を持つ中国料理の店「頤和園」の京橋店がオープン。このように目新しいお店が多いのですが、「京橋エドグラン」の開発が始まる前に、この地にあったお店たちも復活しているのが、他の商業施設とはちょっと違うところ。

例えば1940年創業で1950年に京橋の地に移転し、界隈のビジネスパーソンにとって食堂的に愛されてきた「蕎麦きり 京橋 山茂登」。日本における西洋料理のパイオニアとも言える渡辺鎌吉が営む「中央軒」の系譜を受け継ぐ洋食レストラン「京橋モルチェ」。そして今回ご紹介する「京すし」です。

こちらの写真は2013年の2月に撮ったもの。「ああ、あのねっとりしたヅケの鉄火丼が食べたい・・・」と「京すし」を目指す私の目の前に現れた閉店の告知です。凛とした佇まいの戸口。暖簾をくぐれば無駄なものがなく、清潔に整えられた店内。美しいカウンターの向こう側で黙々を仕事をこなす渋いご主人。思わず背筋が伸びる静寂な雰囲気の中いただくランチ限定のあの鉄火丼がもう食べられないのかと、張り紙を前に途方に暮れたものです。記されている最終営業日の日付は1月31日。どこかに移転して営業を再開してはいないかとリサーチするも情報はなく、さらにはもう再開はないとの噂もちらほら・・・。

その「京すし」がめでたく「京橋エドグラン」の開業とともに復活。オープン後には多くのファンがかけつけます。口々に「おかえりなさい」「待ってたよ」とお店のみなさんに声をかける常連と思しき御仁だけでなく、近隣にお勤めと見て取れかつての話に花を咲かせるOLのみなさんの姿も。当時のご主人(実は錦絵の作家としても有名で、店内の味のある品書きも作成)は次の世代へとバトンを渡し、現在は五代目の息子さんに店を任せています。さて、念願の鉄火丼とご対面とあいなるわけですが、「京すし」の魅力は「はーふ&ハーフ丼」があること。鉄火、鯖、勘八、鯵の4種類から2種選ぶことができます。上の写真は鉄火&鯖。ほぼ均等な大きさに切り分けられ、酢飯が見えないくらい敷き詰められた鮪と鯖。きらきらと輝くマグロはヅケ醤油が染み込み、ねっとりとした舌触りに仕上がっています。鯖のほうはというと、酸みよりもどちらかというと甘みが際立つ〆具合で、ピンク色が美しくしっとり食感。ご飯を頬張れば、刻まれたガリが出てきて、これがまた名わき役なのです。

ランチの時間は丼もののみ。鉄火が入ったハーフ丼は1,120円で、それ以外の組み合わせは980円。握りは夜のみで2,500円からいただけます。ちなみに、ランチ時でも名物の出汁巻きを300円でつけることができるのですが、これがまた美味。ひと口齧りつけばじゅわっと中に含まれた出汁が溢れ出るジューシーな出汁巻き。甘めの味付けで酢飯と合うのです。さらに別の日にいただいたのは、鉄火&勘八。勘八の脂ののり具合が絶妙です。丼のタネは日によって変わるので、通う楽しみがあるというものです。

新しいビルが立てば、そこにまた新しい飲食店が軒を連ね、街に新しい人を呼び、その土地に今までになかった価値や文化が生まれるというのが再開発の常ですが、この「京すし」のようにかつてその地にあった老舗との再会があるというのは嬉しいもの。代が替わって、店も新しくなり、また何年も通いたい、そう思わせてくれるお鮨屋さんなのです。

京すしキョウスシ

京すし

住所:
東京都中央区京橋2-2-1
京橋エドグラン 1F
TEL:
03-3281-5575
営業時間:
11:30~14:00(L.O.13:30) 17:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:
不定休

更新: 2017年2月15日

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