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✈︎WORLD FOOD PORT. オランダ発・オランダ人もパンが好き

朝はライ麦や全粒粉入りの食パンにバターを塗って、スライスしたチーズやハムを載せてオープンサンドに。ランチにもサンドイッチ。
大好きなパンに乗せるトッピングは、ジャムやヘーゼルナッツのペーストはもちろん、ハーゲルスラッハ(hagelslag)という粒状のチョコレートやアニスシードを砂糖でコーティングしたマウシェス(muisjes)などが大人気!そう、これはフランスではなく、オランダのお話。
そんなパン好きなオランダ人の街、アムステルダムからライターの永野久美さんとカメラマンの内田麻美さんのレポートが到着です。

オランダのパンとは

さて、首都アムステルダムは、旅人が多く行き交い、様々な人種が混じり合う“人種のるつぼ”。
それがパンにも表れているように思います。フォカッチャやチャバッタなどのイタリアのパンや、クロワッサンやバゲットもよく見かけます。トルコ系ベーカリーやベーグルチェーン店もちらほら見かけます。まさに、多種多様のラインナップです。

モロッコ系のパン屋でいただいたパンケーキ。 デニッシュのような層でサクサクした食感。中に野菜を挟む

各国の影響を受けたパンが店頭に並ぶ中、「これがオランダ固有のパン」と言いきれない部分が多いのですが、全粒粉やライ麦をいくらか配合した黒(茶色)パンや、ヒマワリの種などの雑穀が周りについたパンは、どのパン屋でも見かけますね。
ライ麦入りのパンでも、ドイツのものと比べるとその配合は控えめで、酸味は少なめでやわらかいものが多く、比較的食べやすいです。

ベーカリー、ビショップスモレンのスペルト小麦を使ったパン。

そんな中、オランダ発祥のパンと言われているのが、その名も「ダッチブレッド(ダッチクランチ)」と呼ばれるパンです。
ひび割れた表面が虎模様のようなので「タイガーブレッド」とも呼ばれています。
表面は焼き色がついてサクッとカリッとした歯ごたえですが、中身はソフトな食事パンです。
どのパン屋でも見かける、というほどはポピュラーではありません。
逆に、今ではサンフランシスコをはじめとしたアメリカ西海岸でもとても人気があるそうですよ。

タイガーブレッド(ダッチクランチ)。 表面の虎模様は米粉とイーストで作られている。

昔ながらの作り方を守るベーカリー

アムステルダムで人気のパン屋の中に、老舗のハルトーグ(Hartog)があります。
全粒粉のみを使用し、独自の製粉機で粉を挽き、100年以上変わらぬレシピでパンを焼いています。看板メニューの全粒粉の食パンは毎日1000個以上売れているそうです。
日本でよく見るものより若干小さい約10cm四方の食パンは、プレーンタイプのもので1斤1.95€、ハーフで1€ととてもリーズナブル! しっとりして食べ応えのある生地で、口いっぱいに小麦のいい香りが広がります。すぐにこの店のファンになりました。

老舗のベーカリー、ハルトーグ(Hartog)。パンはもちろん、この店で挽いた小麦粉も販売している

2008年には同じ通り沿いに、サンドイッチ店、Hartog’s Boterhamがオープン!
こちらでは、パンやサンドイッチをコーヒーなどと一緒にいただくことができます。
サンドイッチを頼むには、まずベースの食パンを選んで、そこにチーズやハム、卵、自家製ピーナッツバターなど挟むものを選びます。
チーズは、熟成期間の短いヤングチーズ(ユンゲ・カース Junge kaas)か熟成度の高いヤングチーズ(オウデ・カース Oude Kaas)が選べます。共に2.15€とお手頃です。

サンドイッチに使う食パンは、スペルト小麦(speltbrood)、レーズンパン(rozijnenbrood)、ヒマワリの種のついたもの(zonnepittenbrood)、全粒粉(volkorenbrood)の4種から選ぶ

アムステルダムから電車で3時間ほど離れたマーストリヒトにも、昔ながらの方法でパンを焼くベーカリーがあります。
地元の人はもちろん、観光客も多く訪れるビショップスモレン(Bisschopsmolen)。
ここにはオランダで最も古い水車小屋がありますが、その水車の力で粉を挽いています。
この店ではスペルト小麦をはじめ、キノア、そばなど栄養価の高い古代穀物を使っています。
もちろん添加物は使用せず、地元の食材を使用し、時間をかけて伝統的な方法で焼いています。
すごいですね。

オランダ最古の水車小屋。 7世紀に作られたものが修復、改装を経て今に至る。

最後に、オランダの伝統的な食べ物、オランダパンケーキ(パンネンクーケン)をご紹介。
とてもポピュラーで、街のあちこちにあるパンケーキ専門店のほか、カフェでも楽しむことができます。
日本でよく見るパンケーキとはひと味違った「クレープとピザの中間」のようなもので、ベーキングパウダーなどの膨らし粉を入れずに、小麦粉に卵、牛乳と塩を入れたもっちりとした生地を、40cmほどの大きな円形に焼き上げます。
リンゴやレーズン等、甘みのある具材に加えて、ベーコンやチーズ等、塩気のある具材を乗せていただきます。
例えばベーコンとメープルシロップの組み合わせなど、日本人にはなじみが薄いですが、意外とこれがマッチしました。
そろそろ、オランダパンケーキも日本上陸を果たすかもしれません!

アムステルダムのオーガニックカフェ、Rogh’s Deliのパンケーキ

Photo by Asami Uchida
Supported by Miho Honda, Ken Nishigori,
Emiko Chujo and Norihiko Kawai

更新: 2014年4月23日

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