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✈︎WORLD FOOD PORT. アメリカ発・「ダンジネスクラブ」を自ら漁するマリン・カウンティの食文化

マリン・カウンティって地名ご存知ですか?
FOODPORT.編集部も初めて聞いたその地名から、今回レポートをお届けいただくのは、筒井聡子さん。
「ダンジネスクラブ」というアメリカ西海岸ではポピュラーな蟹を、マリン・カウンティの人々は、解禁日に漁にでて自ら獲る文化があるんだとか!素敵ですね。

マリン・カウンティの魅力

サンフランシスコからゴールデンゲート・ブリッジを渡ると、 マリン・カウンティの荒々しい山並みと海辺の洒落た港町が見えてきます。
この橋を境にサンフランシスコに比べると日本人がぐっと少なくなる印象で、実はマリン・カウンティをあまり知らない人も多いと思います。
まずは、マリン・カウンティの説明を少し。

「マリン」と愛称で呼ばれるその郡は、海と山と森と湖もあるという豊かな自然に恵まれ、ハウスポートと呼ばれる海上ハウスやアーティストなどがたくさん住まう洒落た街並み、対岸のサンフランシスコの摩天楼や海を見下ろす高台にはびっくりするような豪邸が並んでいます。
さらに北のソノマやナパ ・ バレー周辺は良質なワイン生産の中心地としても知られていますね。

酪農や農業も盛んで、マリンオーガニックというオーガニックの団体があり、各地でファーマーズマーケットがたくさんありますが、そのほとんどがマリンオーガニック加盟店です。
マウンテンバイク発祥の地でもあり、いたるところにサイクリングやハイキングトレイルがあり、インドアバイクでのエクササイズも盛んです。よって全米の健康や体脂肪率の低さに対する調査でも、マリン郡がすべて一位( http://www.rafu.com/2012/04/加州健康調査/ :健康なのはマリン郡)という、自然志向で洗練されたライフスタイルをおくる人がとても多いのです。

今年は11月1日「ダンジネスクラブ」解禁

そんなマリン・カウンティには、魅力的な食文化がたくさんあります。
今回はこのあたりで最も有名なカニ、「ダンジネスクラブ」をご紹介しましょう。
「ダンジネスクラブ」(日本名:アメリカイチョウガニ)は、ワタリ蟹の一種で、アメリカ西海岸で最もポピュラーな蟹です。

サンフランシスコ&ベイエリアでは毎年11月中旬から12月頭に商業用のカニ漁の解禁となりますが、娯楽用のカニ漁(英語ではクラビングと言います)はそれより少し早く解禁となります。
今年は、11月1日が娯楽用のクラビング解禁日。
16歳以上の人はフィッシングライセンスをとると、クラビングをすることができます。
このライセンスはオンラインでも簡単にとれるのです。
そして、この娯楽用のカニ漁の解禁日から、商業用の解禁日されるまで(今年は14日)のわずかな間が、大きな「ダンジネスクラブ」がたくさん獲れるので、サウサリートなどのハーバーに船をもつ人や、近くに住んでいる人たちが、一足前にクラビングをして、「ダンジネスクラブ」をいただくというわけです。

「ダンジネスクラブ」は、娯楽用のフィッシュングライセンスがある一人につき10匹まで獲ることができます。
甲羅の大きさが14.6センチに満たない小さいカニや、卵を生むメスのカニは海に返さなくてはなりません。
オスとメスの見分け方は、腹の部分をみます。
真ん中の蓋の部分が尖って三角ならばメス、まるくなっていればオスです。

今年の11月6日(土)は、ライセンス保有者6名の友人がクラビングに出ました。
一般的なクラビングの方法は、魚の頭や内臓等を入れたかご(crab potと呼びます)を海中に沈めて捕獲します。
この日は、やはり商業用の解禁前とあって大漁でした!
資格保有者一人につき、10匹までなので、合計60匹!!!
捕獲した「ダンジネスクラブ」を塩水などにつけずにクーラーボックスに入れたまま保管し、ブラシでしっかり洗ってから、海水と同じ濃度の塩水を沸騰させて15分ぐらいゆでます。
蒸してももちろん美味しいですね。

家庭だけでいただける量ではないので、アメリカ人らしく友人たちを招待して、ワインと一緒にいただくのが主流。
アメリカではカニみそを食べないので、甲羅部分を捨ててしまって足だけをゆでます(もったいない!)。
それを溶かしたバターやレモンでいただきます。
私は、もちろん甲羅部分もゆでていただきましたよ。
やっぱりこちらの方が美味しいです(笑)
「ダンジネスクラブ」は、大きいほど肉厚で甘いのですが、獲れたてのものは、まさに身がぎっしりとつまっており、レモンもバターもしょうゆもいらないそのままがたまらないぎゅっとした美味しさでした。




こうして「ダンジネスクラブ」を食べるときはみんなが無言。
世界共通ですね。
夢中でいただいた後は美味しい白ワインを飲みながら楽しく夜が更けていきます。

もちろん食べきれない量なので、次の日は「ダンジネスクラブ」のトマトクリームパスタなどに。
休日に、自分たちで船を出して「ダンジネスクラブを」獲って、大好きな人たちと一緒に食ベるなんて、贅沢ですね。



 

更新: 2014年11月19日

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