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✈︎WORLD FOOD PORT. 香港発・日本酒の輸出先進国のアルコール事情

今回レポートいただくのは、日本酒にあった燗をつける「燗付け師」という肩書で活動する五嶋慎也さん。2014年秋まで、曳舟の古民家で和食割烹を営んでいたのですが、「世界に日本酒を広めたい」という信念の元、突如として香港へ旅立ちました。
現在は、香港でのお店オープン準備を進める中、香港のアルコール事情などをレポートいただきました!

世界中が注目している“香港”

世界で日本酒の需要が年々高まっています。
2013年の輸出統計によると、輸出量も10年前の2倍、金額としても100億円を突破しましたそうです。国別ではアメリカが3割強でトップ、続いて香港、韓国、台湾と続きます。
今回は日本酒輸出国先進国の「香港」についてレポートしたいと思います。

日本から飛行機で約4時間・人口約700万人、1人当たりのGDPは約38,000USドル(日本とほぼ同額)の香港。
数十億円のマンションや超高級車普通に乗り回す富裕層が数多く存在し、世界の金融都市、貿易都市として世界の重要都市となっております。
また英国統治の歴史背景から英国文化も色濃く残り、西洋と中国文化との特殊な文化融合を成しております。

一般的に、香港人はあまりアルコールを飲まない傾向にあります。
しかし欧米人を中心に上流階級の香港人などはワインやビール、ウイスキーを日常的に楽しんでおり、特に2008年に30度以下のアルコールにかかわる物品税が撤廃されたことで、ワインの香港への流入が増加し、香港のアジアのワインハブとしての地位を確立した経緯もあります。またアジアにおけるワインの消費量も香港がトップ。
2位の日本の約2倍の量を消費しているワイン消費大国でもあるのです。

香港の日本酒事情

香港での日本酒需要が拡大したのもワイン同様2008年が契機と言われています。
それまでの高級スーパーの一部で大手メーカーや有名銘柄のみの取り扱いだった時代から、いまではワインショップや高級スーパーで当たり前のようにたくさんの日本酒が並んでいます。

その中には「十四代」など日本でも入手困難な銘柄がプレミアム価格で並んでおり、日本での定価の10倍以上のところも見かけるほど。
しかし、数多くの日本酒は日本の1.3倍~2倍ほどの価格で容易に手に入る環境が整っています。

日本酒消費の多くは香港に1,000店を越えるという日本食レストラン。
そのほとんどが4合瓶での販売、温度も冷たく冷やしてというワイン感覚のようです。
ワインショップにて日本酒担当を担っている小川真理子(香港暦5年)さんによると、
「温度や米違い、酵母違いなど、日本酒に詳しい方が少しづつ増えていますが、人気があるのは吟醸系、有名銘柄で、高級感を重視する傾向にあります。
味の違いというよりも、まだまだブランドで飲まれていますね」とお話しいただきました。

ここ数年、ワインショップ、高級スーパーでの日本酒の扱いが増えていること、
有名銘柄だけでなく日本でもマニアに人気のある銘柄も増えており、依然として注目されている市場ということは間違いなさそうです。
しかし、香港人で貿易会社や日本清酒文化交流会の会長を務めるLouis(ルイス)さんによると
「香港にはたくさんの銘柄が入ってきています。しかし結果が出ているのはその一握りです。新たな消費地を増やす必要があり、その為には本場の中華料理への市場拡大が重要です。街中の中華料理のお店でワインを飲んでいる香港人を毎日のように見かけ、ワイン業界のこれまでの努力の賜物と感じます。もし香港で日本酒が中華料理に進出できれば、本土の中国や世界中の中華料理に提案できる可能性がある。その第一歩を香港からならできる」と話す。

日本酒輸先進国の香港は「もっとも理想的な市場」と言われています。
しかし銘柄や価格という部分から脱却し、日本酒本来の魅力をどれだけ伝えられるかという次のステップに進んでいるようです。

更新: 2015年1月28日

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