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春の余韻と夏の薫り
|初夏とワイン-Wine Out![3]|

初夏ワインの上手な選び方
〜ここからは葉山さんに語ってもらいます!〜

初夏ワイン、買えそうな気がしてきましたか? 最後に、楽しくワインを選ぶために私からちょっとしたアドバイスを。たとえば、デートの前日。女性なら「どの服を着て行こうかな」と鏡の前で「着せ替え人形ごっこ」をし、男性は、「どのレストランで何を食べようか?」とドキドキ迷う。これと同じように、ワイン選びでもワクワク楽しく迷おう。迷った時に、次の7つの法則で「とびきりの初夏ワイン」を選んでほしい。

通っぽく迫るなら「果実味」と「凝縮感」

ワインショップの店員さんと会話してワインを決められるとカッコイイ。その時のキーワードが、「果実味」と「凝縮感」。ワインはブドウから作るので、「果実味」があるのは当たり前。「果実味」は「フルーティ」と同じ意昧だが、「果実味」の方が圧倒的にプ口度が高い。「凝縮感」も同じだ。「果実味が豊かで凝縮感もあり、私にも買えるワインを」と言うと、旨いワインを選んでくれる。

コスパはオーストラリアとチリにあり

ヨーロッパ以外の生産地で作ったワインを『新世界ワイン』と呼ぶ。新世界ワインは、老舗のフランスやイタリア物と比べ、知名度で劣るけどコスパは圧倒的に良い。特に、オーストラリアとチリは、旨いワインを作って稼がなきゃと大統領が腹をくくっていて、安くて旨いワインを作っている。白やスパークリングワインはオーストラリア、赤ワインはチリがオススメ。南半球はエラいのだ。

「何を飲むか」より「誰と飲むか」が大事

「カッコイイなあ」と恋心タップリに憧れていた男性と初デートで飲む1,000円のワインは、下心満載のセクハラオヤジと飲む100万円のロマネ・コンティより圧倒的に旨いし、ワクワクする。ワインは、何を飲むかよりも、誰と飲むかが圧倒的に重要なのだ。一緒に飲む相手を想い浮かべ、「どんなワインを美味しいって思ってくれるんだろう」と妄想を膨らませながら、ワインを決めては?

ワイン専門店の特売ワインが実はスゴい

ワインに熱心なお店には、1本1,000円以下のワインが店の前の木箱に入ってゾロッと並んでいる。こんなワインは、店長が、舌とプライドをかけ、ついでに時間もかけて選んだ逸品。安くてめちゃくちゃ旨いワインだ。価格の2倍、3倍の味と香りがするので、ワインのプ口が即買いするアイテム。そんな店では、すぐに飲めるよう、同じワインを奥の冷蔵庫で冷やしてあるので、それを買おう。

高いワインは密室で、屋外では安いワインを

ワインの旨さの70%は香りにある。1本何万円もする高価で官能的な高級ワインを屋外で飲むと、風が少し吹いただけで香りが飛び、物凄くもったいない。高級ワインは、密室で「アルゼンチン・タンゴ」を聴きながらネバネバイチャイチャと退廃的に飲むに限る。屋外では、『線路は続くよどこまでも』を歌いながら、爽快感と果実味に溢れ、気軽でコスパ抜群のワインをグイグイ飲むべし。

ジャケ買いは間違いない

候補ワインがいくつかあって迷った時は、ラベルのカッコ良さで決めるのが正しい。中身は外見に現れる。男女の第一印象と同じで、自分と相性の良いワインは、ラベルの第一印象も良いのだ。「第一印象が良かった」というと、「深く考えずテキトーに決めた」と思われがちだが、これまでの人生で得た「経験」「知恵」「情報」を総動員し、1秒で評価した結果が「第一印象」。間違う訳がない。

甘く見てはいけない日本ワイン

ワインと聞くと、フランスやイタリアを連想するが、日本も頑張っている。日本は、世界で一番土地代と労働賃金が高く、雨も多い。カリフォルニアが「ブドウ作りに神が与えし土地」なら、日本は「試練の地」。そんな不利な条件を補って余りあるのが、日本人の勤勉さと勉強好き。毎年、品質の向上が目覚ましい。特に、甲州という品種で作った白がオススメ。和食と日本ワインは最高の相性。

葉山考太郎さん

葉山考太郎さん

シャンパーニュ、ブルゴーニュを偏愛、濠飲するワイン・ライター。ワインの年間純飲酒量は400リットル超。『ヴィノテーク』『神の雫』『財界さっぽろ』『ふらんす』等にコラムを連載。主な著訳書は『今夜使えるワインの小ネタ』(講談社)、『30分で一生使えるワイン術』(ポプラ社)、『ブルゴーニュ大全』(白水社)。

Illust 岡村優太 編集協力 葉山考太郎 Text 松島千冬
※こちらの記事は2015年4月20日発行『メトロミニッツ』No.150に掲載された情報です。

更新: 2017年4月18日

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