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春の余韻と夏の薫り
|初夏とワイン-Wine Out![1]|

初夏ワインを買うための手引き
主に白ワインについて学びます!

最高気温が25℃まで上がる5月。ご機嫌な太陽と心地良い風が吹く初夏にこそ楽しみたいのが、 軽やかで爽快な白ワイン。これを”初夏ワイン”と勝手に定義!ということで、最適な初夏ワインを上手に買えるコツをワインライターの葉山考太郎さんに教えてもらいました。

なぜワイン選びに悩むのか?

Aさん:ブドウの品種がよくわからないので、好みの味じゃないものを買ってしまった。

Bさん:好きだと思うワインと出合っても、また次に同じようなものを買おうとなるとなかなか…。

Cさん:あまり冒険ができずに、結局いつも同じワインを選んでしまう。

Dさん:そもそも店員さんに何をどう聞いたらいいかすらわからない。

このように身近な人に話を聞いてみたところ、ワイン選びに苦戦している人はなかなかたくさんいるようです。でもご安心を。このページを読めば、ちゃんとワインを選べるはず。ただし、テーマが「初夏ワイン」のため、今回は白ワインの話にわりと偏っています…。

Lesson01 ワインの味わいを知る

味わいの違いは「ブドウ品種」と「産地」がカギを握ります。

ワインが「甘口・辛口」や「重い・軽い」と表現されるのを聞いたことがあると思いますが、その違いはいかに生まれるのか、ご存じですか?もちろん様々な要因があってのことですが、中でも「ブドウ品種」と「産地」が大きなカギを握 ります。現在、世界でワイン用ブドウとして栽培されているのは約1,000種類。そして例えば、巨峰とマスカットの味が 違うように、プドウの品種ごとに、作られるワインの味わいは当然異なるわけです。また同じ品種でも、生育環境が異なればまた味に大きな影響をもたらします。というわけで、まずは、主要なブドウ品種と産地の個性を知るところから始めましょう。しかし、いきなりたくさん覚えずとも大丈夫。大事なところだけに絞って、下の表にまとめていますので、初めはお店にこの表を持って行き、ワインのラベルとこの表を見比べてみてください。 

[ワインの味わいチャート(白ブドウ編)]

[表の見方] 上側の表で、どんな味わいのワインを求めているのかを確認。ライン上にどんな品種があるのかがわかったら、下側でその品種について学ぶ。
ボディ・ボリューム感
味わいの骨格のことで、飲んだ時の厚み。アルコール度数と甘みの相乗効果でもたらされるもので、度数が低いほど”軽い”と感じがち。いわばジュースに近づくようなイメージ。
果実味・フルーティ
ブドウの果実本来の味わいや香りのこと。冷涼な地域でとれたものや成熟度の低いブドウは爽やかな果実味に、温暖な地域や成熟度が高いブドウは熟した果実味となる。
酸味
冷涼地域のワインはシャープで酸味が強め(リンゴ酸が主体)。一方、温暖地域のワインはまろやかで酸味が弱く感じる傾向がある(酒石酸が主体)。酸味が強いほど甘みが弱く感じるもの。

【ブドウ品種】
・主な産地
・味わいの特徴
【シャルドネ】
・フランス(ブルゴーニュ、シャンパーニュ)、アメリカ、オーストラリア、イタリア、チリ、南アフリカ
・品種に個性が少なく、生産地によって大きく味が変わる。フランスなど冷涼な地域ではレモンや青リンゴなどの果実味があり、すっきりとした上品な酸味が際立つ。アメリカなど温暖な地域では桃やパイナップルのような甘い果実味が出やすく、酸味は穏やかでまろやかな印象になる。
【ソーヴィニョン・ブラン】
・フランス(ロワール、ボルドー)、ニュージーランド、オーストラリア、チリ、アルゼンチン、アメリカ
・青みを帯びたハーブやグレープフルーツのような爽やかな香りが特徴で、すっきりとした酸味としたほろ苦さを持つ。ロワールなどの冷涼な地域ではこの品種の魅力である青々とした風味がより発揮され、温暖な地域になるとトロピカルフルーツのような香りが出てくる。
【リースリング】
・ドイツ、フランス(アルザス)、オーストラリア、ニュージーランド、オーストリア
・シャープな酸味とエレガントさが特徴。若いワイン(造られて間もないワイン)はリンゴやアプリコットの果実味があり、熟成するとハチミツや石油の香りが現れる。収穫時期や醸造法により辛口から甘口ワインまで幅広く造られる。
【甲州】
・日本(山梨)
・日本固有のブドウ品種。控えめながら洋なしのようなフレッシュな香りがあり、酸は淡く、みずみずしい味わいに仕上がる。近年目覚ましく品質が向上され、凝縮感のある辛口ができている。
【アルバリーニョ】
・スペイン、ポルトガル
・香り豊かなワインが多く、アーモンドや桃、リンゴの香りが特徴。果実味と酸味のバランスがよく、リースリングに似ているとも言われている。フレッシュ感が魅力なので、若いうちに飲むのがいい。
【ミュスカデ】
・フランス(ロワール)
・グレープフルーツなど柑橘類の淡い香りがあるが、比較的シンプルで個性が少ない。そのため、ワインと澱を共に熟成させる「シュール・リー」という製法を用いて味わいに香りとコクを出すことが多い。
【ミュスカ】
・フランス(アルザス)、ドイツ、イタリア
・マスカット系のブドウで、バラ、オレンジ、メロン、ハチミツのような華やかな香りがある。酸味が甘みと調和することでスムーズな味わいになり、爽やかでジューシーなワインになる。
【セミヨン】
・フランス(ボルドー)、オーストラリア
・ソーヴィニョン・ブランとブレンドされることが多い。若いうちは桃やメロンの甘い香りが控えめに出る。酸は弱めで、ボディ・ボリューム感は比較的ある。また貴腐菌がつきやすいため。貴腐ワインを造る品種として有名。
【グリューナー・ヴェルトリーナー】
・オーストリア
・ライムやミネラルの香りで爽やかなみずみずしいワインが多い。このタイプはアルコール度数もやや低く、料理に寄り添う。ブドウの熟度により、どっしりした重量感のあるワインもできる。
【ピノ・グリ】
・フランス(アルザス)、イタリア、ドイツ
・桃やナッツのやわらかい香りとスモーキーな風味がある。飲みごたえがありながら主張が強すぎないため、料理とも合わせやすい。イタリアではピノ・グリージョと呼ばれる。
【ヴィオニエ】
・フランス(ローヌ、ラングドッグ)、アメリカ、オーストラリア
・アロマティックな品種でキンモクセイのような甘く華やかな香りが特徴。マンゴーやパイナップルなどのエキゾチックな果実味があり、酸は穏やかでクリーミーな味わいになる。
【ゲヴェルツトラミネル】
・フランス(アルザス)、ドイツ、イタリア
・ゲヴェルツとはドイツ語で”香辛料”を表し、その名の通り非常に香り高いアロマティックな品種。ライチや桃、アプリコットなどの甘い香りとバラの花の芳香が特徴。

どんな土地がいいワインを育てるのか? 世界ワイン生産地MAP

Point01 気候について

ブドウの生育に適した土地は、年間平均気温10〜20℃、1,300〜1,500時間程度の日照時聞が必要とされています。それが地図の黄色い帯の部分。北緯は30〜50度、南緯は20〜40度の地域です。中でも赤道から遠い方が寒冷地域、近い方が温暖地域となり、冷涼温暖により昧わいが異なってきます。

Point02 地形について

産地の冷涼温暖に加えて、その畑が山の上など標高の高い所にあるのか、畑の斜面が東西南北のどの向きに位置しているのかもワインの昧に影曹を及ぼします。一般的には、水はけが良く、日当たりが良いことがワインを造る上でとても大切と言われています。

編集協力 葉山孝太郎 Text:メトロミニッツ編集部、松島千冬 MAP/Graph:groovisions

※こちらの記事は2015年4月20日発行『メトロミニッツ』No.150に掲載された情報です。

更新: 2017年4月4日

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