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編集部が訪れた美味しい名店『足跡レストラン』|フルヤ オーガストロノム|赤坂

編集部の足跡コメント

連載「足跡レストラン」では、編集部が行きつけのお店や、注目しているエリアの名店など、実際に足を運んで、食べて、飲んだレポートをお送りします。

2016年はフレンチの当たり年と言われています。フレンチの巨匠・音羽和紀シェフがプロデュースし、そのご子息である創さんがシェフとして腕を振るう白金台「CIEL ET SOL(シエル エ ソル)」、「Quintessence(カンテサンス)」から独立した加瀬史也シェフの外苑前「L’orgueil(オルグイユ)」、予約が取れない人気店「restaurant bacar(レストラン バカール)」の元シェフである石井真介さんの「sincere (シンシア)」、恵比寿「Joel Robuchon(ジョエル・ロブション)」のエグゼクティヴシェフを務めた渡辺雄一郎シェフの「ナベノ-イズム」、自ら仕留めたジビエを供する渋谷「LATURE(ラチュレ)」。数え上げたらきりがないほど。今回ご紹介したいお店は2015年7月にオープンしたお店ではあるのですが、昨年くらいから徐々に知名度が上がってきて、美味しいもの好きの間で話題になっているお店。そして先に並べたお店とは少し異なるのが、濃厚なソースが主張する、どちらかと言うとグッとクラシカルに寄ったフランス料理がいただけるという点です。それは赤坂にある「FURUYA augastronome(フルヤ オーガストロノム)」。前菜2品、魚料理と肉料理、デセール2品がいただける5,000円のランチで、シェフの確かな実力を堪能しました。

こちらのシェフの古屋賢介さんはヨーロッパ各地を渡り歩いてフレンチを学んできた人物。それもベルギーのミシュラン3つ星「Bruneau(ブリュノー)」、スイスのミシュラン2つツ星「Domaine de Chateauvieux(ドメーヌ・ド・シャトー・ヴイュー)」、ベルギーのパティスリー「Le Saint-Aulaye(ル・サントーレ)」、フランス・アルザスのミシュラン3つ星「L'Arnsbourg(ランスブルグ)」、そしてベルギーのミシュラン2つ星「au gastronome(オー・ガストロノム)」で部門シェフを担当した後に帰国。 2006年に代々木上原「Le cabaret(ル・キャバレ)」の料理長就任。さらに「オー・ガストロノム」のオーナーシェフから懇願され料理長にとして呼び戻されるという経歴を持っています。フランス以外の国での経験が長いながらも、各地で学んだのは伝統的なフランス料理。「ル・キャバレ」を人気店に押し上げた立役者でもあったのです。

2度目の渡欧後に「FURUYA augastronome(フルヤ オーガストロノム)」を独立開業となるわけですが、現在も厨房は古屋シェフ1人。それでもランチとディナーで営業し、自らパンも焼き、パティスリー仕込みの本格スイーツも仕上げるという辣腕ぶり。そんな古屋シェフの力強い料理は、カブとホタテの甘みと生ハムの旨みが溶け込んだやさしいスープで始まりました。

続いては前菜。1皿目は2種類のテリーヌで、手前が鹿肉、奥がフォアグラです。タマネギのジャムとバルサミコのソース、そしてサラダが添えられています。蝦夷鹿の肉々しいパテに、タマネギの甘みが相まって、本能で美味しいと感じる味わい。ねっとりした食感のフォアグラも官能的です。バルサミコのソースの甘酸っぱさが、アクセントになって、色んな味の重ね合わせが楽しい1皿です。

前菜のもう1皿は、古屋シェフのスペシャリテとも言える「ウッフ・アン・ムーレット」。いわゆるポーチドエッグなのですが、ブルゴーニュ地方の家庭料理で赤ワインのソースで浸されています。ぷるぷるのタマゴに、肉のエキスを含んだ濃厚な赤ワインソース、さらに上に散らされている黒トリュフの芳醇な香り・・・、この3つの要素が口の中で溶け合います。ついついこの原稿を書いている最中も思い出してしまう、忘れられない味。

魚料理はその日に仕入れたものに最良の調理法とソースを提案していただけます。この日はスズキのポワレに色鮮やかなパプリカのソースを。しっかりと火入れされた肉厚なスズキの香ばしさに、パプリカの香りが口の中で調和します。下に添えられたほうれん草の食感とフレッシュさがまた味わいに変化を与えてくれる脇役として脇を固めるバランスのとれた一皿。

そしてメインの肉料理は鶏肉。ビネガーの効いたソースでソテーされた胸肉と、ポルチーニのソースを纏ったもも肉、2つの部位をそれぞれ異なるスタイルでいただきました。驚いたのは胸肉の食感。柔らかくも弾力があり見事な火入れで、噛むごとに滲み出る肉汁が酸味のきいたビネガーソースと協調します。奥のもも肉の美味しさは言わずもがな。ポルチーニの香りに包まれたもも肉は力強くソースも濃厚。この味の見事な重なりは、これぞフレンチといったところ。

最後のデセールもこちらの楽しみの一つ。1品目はイチゴのコンポートで、上にかかっている緑色は、なんとレタスのシャーベット。甘みが引き立てられたイチゴがより爽やかにいただけました。2品目はチョコレートブラウニーとピスタチオのアイス。濃厚なブラウニーにピスタチオの香りが相まってなんとも美味です。

「これでもか!」と力強く、要素の詰まった1皿が続きますが、かといって重すぎず心地よい食後感で満たされた「FURUYA augastronome(フルヤ オーガストロノム)」のランチ。昨年末からいろいろとメディアに取り上げられはじめており、今年は予約が取りにくくなるかも。今のうち行っておくべきお店です。

FURUYA augastronomeフルヤ オーガストロノム

FURUYA augastronome

住所:
東京都港区赤坂4-3-9
赤坂藤マンション1F
TEL:
03-5797-7527
営業時間:
11:45~15:00(13:30LO)、18:00~23:00(21:00LO)
定休日:
日曜日(祝日は営業)
URL:
http://f-augastronome.com/

更新: 2017年1月11日

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